介護職の経験、資格がなくても働くことができる仕事とは

投稿日:2015-03-09
更新日:2022-08-15

介護職の経験、資格がなくても働くことができる仕事とは

介護分野への転職を考えているという人のなかには、「未経験・無資格でも就業できるの?」と不安に感じる方がいると思います。
介護職の求人のなかには、「未経験者OK」と記載されているものもありますが、実際はどうなのでしょうか?

この記事では、未経験・無資格の人でもできる介護業界のお仕事を紹介するとともに、取得したい資格やキャリアアップ方法を解説します。

無資格・未経験でもできる介護の仕事

介護福祉業界での経験がない、関連する資格を持っていない方でも、基本的には介護職として働くことは可能です。ここでは、そういった方にお勧めの就業先(サービス)をご紹介します。

施設系・通所系介護職

無資格・未経験の人でも働くことができるのは、主に次の2つです。


  • 施設系サービス
  • 通所系サービス

施設系サービスとは、高齢者等が老人ホーム等に入所して介護サービスを受けるものです。利用者は要介護度が高い傾向(参考1)にありますが、複数人の介護職員がチームで対応し互いを補い合うため、無資格の人でも業務に携わることができます。


通所系サービスは高齢者が施設に通って介護を受けるサービスです。利用者の要介護度は低い傾向(参考2)にあり、無資格の人にもお勧めの就業先といえます。


なお、訪問介護サービスは初任者研修以上の資格が必要となります。

調理職

介護施設において利用者に提供する料理を作ることが主な仕事です。


基本的には調理師資格を保有していなくても就業することが可能で、朝食・昼食・夕食の準備と、時間ごとにパートスタッフを募集している求人も多く存在します。そのため、普段から家庭で料理をしている主婦が活躍できる仕事の一つでもあります。
管理栄養士・栄養士の資格保有者の場合は、提供する献立を検討し、食材の発注や管理も業務範囲となります。


利用者の持病や体調に合わせて減塩食を用意したり、嚥下状態が良くない方には飲み込みやすい介護食を用意したりと、調理に関する知識や技術を習得できることもこのお仕事の魅力です。

送迎ドライバー

主にデイサービスにおいて、利用者の自宅とデイサービス間の送迎を行う仕事です。
介護職員がドライバーを兼務する場合もありますが、送迎専任のドライバーをパートスタッフとして雇う事業所が増えています。


基本的には普通自動車運転免許を保有していて、安全運転に自信のある方なら就業可能です。介護職員が添乗員として同乗しない場合は、利用者の乗降をサポートすることもあります。

広報・営業職

介護業界においても、広報職や営業職が存在します。主に民間企業において、施設の情報を地域に発信したり、施設利用者を募ったりすることが仕事となります。


勤務先によって担当する業務は異なるため、応募する前に担当業務についてよく確認するようにしましょう。

無資格・未経験者が取得したい資格とは

介護福祉業界での就業経験がない、資格を持っていない方が取得を目指したい資格(研修)を2つ紹介します。
どちらの資格(研修)も受講要件はありませんので、ご自身に合った研修を受講してください。

介護職員初任者研

介護職員初任者研修は、介護系資格のスタートラインといえる資格で、介護に関わる基礎的な知識や技術を学ぶことができます。


介護職員初任者研修のカリキュラムは合計130時間で、これを修了し筆記試験による修了評価を受けることで、研修修了者となります。


介護職員初任者研修を修了してから介護業界で就・転職活動をすることも良いですが、中には働きながら介護職員初任者研修を受講することを支援している企業・法人も存在しますよ。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格とされており、介護系唯一の国家資格である介護福祉士を取得するために必要な資格ですが、介護職員初任者研修を修了していなくても受講が可能です。
介護職員初任者研修と比べ、学習する内容がより専門性を増し、医学知識や介護技術、社会福祉制度に関する知識など、幅広い領域での学習が必要です。


介護福祉士実務者研修のカリキュラムは合計450時間です。ただし、介護職員初任者研修修了者は、この内130時間の受講が免除されるため、320時間の受講でOKということになります。


介護福祉士実務者研修を修了すると、


  • 訪問介護事業所における「サービス提供責任者」になる要件を満たす
  • 実務経験を3年積めば、介護福祉士国家試験の受験要件を満たす

など、給料アップやキャリアアップが期待できます。

介護業界でのキャリアアップとは

無資格・未経験の方が介護業界でのキャリアアップを目指す場合、前述した介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を修了した上で、国家資格である介護福祉士を取得することをお勧めします。

資格を取得し、実務経験を積むことでリーダー職になったり、管理者になったりと役職が上がり、それに伴って手当等を含めた給料も上がるでしょう。

実際に、厚生労働省による「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」を見てみましょう。

介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者)
資格の有無 平均給与額
介護福祉士 329,250円
介護福祉士実務者研修 303,230円
介護職員初任者研修 301,210円
保有資格なし 275,920円

出典:厚生労働省『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果』(引用1)

最初は無資格・未経験で介護業界に飛び込んだとしても、現場で一つずつキャリアを重ねていきながら資格を取得することで、給与を上げることが可能となります。

まとめ

介護業界は、無資格・未経験でも働くことが出来ますが、給料を上げたい、キャリアアップをしたいと考えている方は、資格を取得することをお勧めします。

記事でもお伝えした通り、働きながら資格取得を支援する制度を設けている求人もありますので、ぜひe介護転職でチェックしてみてくださいね。

参考文献

  1. 平成29年 介護サービス施設・事業所調査の概況 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service17/dl/gaikyo.pdf(閲覧日:2022年8月12日)
  2. 平成29年 介護サービス施設・事業所調査の概況 同(閲覧日:2022年8月12日)

引用文献

  1. 令和2年度 介護従事者処遇状況等調査結果 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf(閲覧日:2022年8月12日)