あなたにあった施設をチェック
「老人ホーム」について知ろう!No.1
2005年度(平成17年)の総人口に占める高齢者人口の割合は20.1%(推計、総務局・統計省による)でした。1989年(平成元年)の11.61%と比べ、高齢化率(65歳以上の高齢者が人口に占める割合)が8.49ポイントも上昇しています。
高齢化率は今後も上昇し続け、2016年(平成28年)には総人口の26.5%(推移)、さらに2033年(平成45年)には30.2%(推移)、2050年(平成62年)には35.7%にまで達し、2.8人に1人が65歳以上の高齢者という、想像もつかないほど高齢化の進んだ社会が到来します。(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口平成14年1月」の統計による)
一般的に、高齢化率が、7%を超えると「高齢化社会」、14%~21%を「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼んでいます。
この数値から、現時点では「高齢社会」ですが、近い将来「超高齢社会」が訪れることが予想されます。今後「超高齢社会」を迎えるにあたり、誰もが、年金問題、介護保険の負担増について不安を感じ、また「終の棲家をどこにするか」という問題にもぶつかります。
これまでは、子供と一緒に住むといった選択をしている方が多かったのですが、現在、老人福祉施設の多様化により「老後、どのように生きていき、終の棲家をどこにするのか?」……各個人が、自分自身の問題として考え、選ぶ傾向にあります。
そんな中、高齢者の「健康」「孤独」「経済」といった3大不安の中でも「健康」と「孤独」を緩和、安心、楽しく生活できる場として「老人ホーム」を選択肢の一つとして考える方が年々増加しています。
さて、「老人ホーム」を知る前に「老人福祉施設」について、まず理解しておきましょう。
法律では、老人福祉法の第5条の3に定めがあり、「老人福祉施設」とは、「老人デイサービス(通所介護)センター」「老人短期入所施設」「養護老人ホーム」「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「老人福祉センター」「老人介護支援センター」とされています。
「老人デイサービス(通所介護)センター」
介護保険制度で要支援や要介護と認定された高齢者の方を対象に、送迎用リフトバスなどを用いて、日中、デイサービスセンターに通い、健康チェック、入浴や食事のサービス、レクリエーション活動に参加したり、社会的な孤立感をなくすことのできる福祉施設です。
「老人短期入所施設」
主に65歳以上の要介護者を介護する家族の病気やその家族の旅行といった諸事情などにより、自宅で介護を受けることが一時的に困難となった場合、高齢者をその間だけ受け入れてくれる施設です。
「養護老人ホーム」
65歳以上で、身体上・精神上・環境上の理由や経済的な理由によって、自宅での生活が困難な方を受け入れる施設です。高額所得者や寝たきりで介護の必要な方は入所できません。
「特別養護老人ホーム」
65歳以上で、日常生活において常時介護が必要、また、自宅では適切な介護が受けられず、やむおえない事由によって介護保険法に規定する介護老人福祉施設に入所することが困難である方のための施設です。費用の面で自己負担が少なくすむ上、新しい施設が多いため、人気があり、多くの入居待機者がいます。
「軽費老人ホーム」
原則として60歳以上(夫婦の場合、いずれかが60歳以上)であって、家庭や住宅の事情で自宅での生活ができない人のための施設。寝たきりや介護の必要な人は入所できません。
「軽費老人ホーム」には、以下の3種類があります。
-
「A型」
利用者の生活に充てることのできる資産、所得、仕送り等の収入が利用料の2倍程度以下の方であり、身寄りのない方、または家庭の事情等によって家族との同居が困難な方が入居します。 -
「B型」
自宅での生活は困難でも、自炊できる健康状態の方が入居します。 -
「ケアハウス」
独立して生活するには不安があるものの「特別養護老人ホーム」の対象には至らず、家族の援助を受けることが困難な方が入居します。
「老人福祉センター」
無料又は低額な料金で、地域の高齢者に対して、健康で明るく楽しい生活が送れるよう、健康増進のための活動や生きがいを高めるための活動の援助、健康相談といった各種相談に応じてもらえる施設です。
「老人介護支援センター」
高齢者の在宅生活を支援するための相談機関です。
ノーマライゼーションの理念に基づいた施設が、年々増えています。老後を誰と、どこで、どのように過ごすかは、高齢期の人生をより豊かに生きるための大切なテーマ!高齢者に優しい住まい「施設」選び・・・・・・選択肢を広げるために、様々な知識を学び、多くの情報を得ることが大切です。
「老人ホーム」について知ろう!No.2
老後は、自宅で気ままに過ごしたいと思っている方が多くなりました。とはいえ、ここ最近「病気になっても、面倒を看てくれる人がいない」「身体の自由がきかなくなったら、どうすればよいのか不安」、「近くに同年齢の友人もいないので寂しい」と感じ「老後は、やはり老人ホームで」と考える方が増えているようです。
ひとことで「老人ホーム」といっても様々な種類があります。一般的に「老人ホーム」と言われている施設には、どんなものがあるのか整理してみましょう。公的老人福祉施設には「特別養護老人ホーム」「養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」の3種類(詳細は、「老人福祉施設」について知ろう!No.1を参照)があります。公的老人ホームのメリットは「有料老人ホーム」に比べ費用の負担が低くすむことです。一方、デメリットは、入所にあたって資格審査(介護保険制度)があり、誰でもすぐに入所できないこと、介護が必要になると退所しなくてはならない場合があることなどです。
さて、民間事業者が経営している「有料老人ホーム」は、どのような施設なのでしょうか。それは、介護や食事等のサービスのある高齢者向けの居住施設で、「ケア付きの高齢者集合住宅」のことをいいます。「有料老人ホーム」は、株式会社や有限会社、社会福祉法人、宗教法人、NPO法人といった民間事業者、若しくは個人が、法令で定められている事項を知事に届け出ることによって設置・運営している施設です。「有料老人ホーム」は、あくまでも民間の施設であり、公的なものではありません。それゆえ、公的資金を投入されている老人福祉施設と違い、入居の際には、高額な費用が必要となってきます。とはいえ、超高齢社会を目前にし、お金には変えられない残りの人生……自分らしく生きたい、安全で安心、豊かな老後を過ごしたいと考える方が増えている今日。「有料老人ホーム」の需要が年々高まってきているようです。これらを反映して、各「有料老人ホーム」では、充実した医療や介護のケア、スタッフの細やかなサービス、創意工夫を凝らした設備や活動を実施しています。こうしたことが公的老人ホームとは違った「有料老人ホーム」の魅力かもしれません。なお、各「有料老人ホーム」によって提供されるサービスやサポート、居住スタイル、医療機関の提携、入居費用や経費など、その規模や内容は様々です。「有料老人ホーム」には、公的老人福祉施設にはない個々の多様なニーズに応えてくれるサービスを提供してくれる施設がたくさんあります。厚生労働省の「有料老人ホーム設置運営指導指針」の別表によると「有料老人ホーム」を「介護付終身利用型」「介護付終身利用(提携ホーム型)」「限定介護付利用権解約型」「限定介護付利用権存続型」「健康型」「介護専用型」の6種類に分類されています。
なお、有料老人ホームは「終身利用権方式」タイプが基本となっていますが、中にはそうでないものもあります。「有料老人ホーム」の入居形態は、「終身利用権方式」「所有権分譲方式」の二つに大別されていますが、他にも「終身賃貸方式」「賃貸方式」などもあります。一通り知識として頭に入れておきましょう。「終身利用権方式」とは、入居時「入居一時金」、「月額費用」を支払うことにより、入居者本人が一代に限って、生涯そのホームに住み、専用居室や共用施設、そのほか各種サービスを終身にわたり利用することができる権利を取得する方式です。「利用権方式」とは、入居時「入居一時金」を支払うことによって、自分の居室や共用施設を利用するなど、そのホームで生活する権利を取得する方式です。「所有権分譲方式」は、一般の分譲マンションのように専用居室を不動産として買い取る方式です。「終身賃貸方式」は、高齢者の居住の安定確保に関する法律の規定に基づく「終身建物賃貸借事業」の許可を受けたものをいいます。「賃貸方式」は、家賃相当額を月々の利用料に含めて支払う方式で、「有料老人ホーム」によっては利用権方式以外に賃貸方式を選択できる所もあります。
一般的に「有料老人ホーム」は、9~15坪前後の専用居室、トイレ、風呂、エアコン、照明、キッチン付きの場合は、火事などの心配もあり電磁式の設備が設置されているようです。共有スペースとして、ロビー、食堂、大浴場、娯楽室、談話室、カラオケルーム、フィットネスルーム、健康相談室、図書コーナー、パソコンルーム、集会室、会議室、洗濯室、庭園といったものがあります。自治会活動が活発なホームでは、ホーム独自のもの以外にも、カラオケ、ゴルフといった様々なサークル活動やイベントなどを積極的に行っています。勤務する施設を選ぶ際、公的老人福祉施設にするか、「有料老人ホーム」にするか迷うことでしょう。それぞれの長短を踏まえ、じっくりと考えることが大切です。