採用率アップに有効な福利厚生をご紹介

介護事業所にとって、介護職員の確保は重要な課題です。介護職員の採用率を高めるための手段として、福利厚生制度を充実させる方法があります。

採用率を向上させるために効果的な福利厚生について知りたい経営者も多いでしょう。

この記事では、採用力を高める上で有効な福利厚生について解説します。この記事を読むことで、介護事業所で導入できる福利厚生の具体的な内容について理解できます。

採用率向上のために福利厚生を充実することが重要な理由とは

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)」では、介護サービス業の有効求人倍率は4.01倍という結果が公表されています。

つまり、現状は1人の介護職員を4つの施設が取り合っている状況だといえるでしょう。さらに、同資料によると、前年同月比で0.19倍増加していることも明らかになっています。

今後、高齢者が増加する日本では、ますます介護職員の採用が困難になっていくでしょう。安定して介護職員を雇用するためには、職員が働きやすい環境を作らなければいけません。

介護職員を確保する上で重要な役割を果たすのが、福利厚生制度です。さまざまな福利厚生によって職員の働きやすい環境が整えば、介護職員の雇用を安定させられるでしょう。

福利厚生(休暇編)

福利厚生にも、数多くの種類があります。ここでは、職員の休暇を確保しやすくするための福利厚生制度について、具体的な事例とともに解説します。

特別休暇制度

特別休暇制度は、法的には定められていない休暇を会社が独自に決める休暇制度のことです。

特別休暇制度の種類としては、「慶弔休暇」、「誕生日休暇」、「リフレッシュ休暇」などが挙げられます。慶弔休暇とは、結婚や葬儀などのライフイベントが発生したタイミングで取得できる休暇です。

また、従業員が自分の誕生日に休める誕生日休暇や、一定期間勤務後に取得できるリフレッシュ休暇などもあります。

会社独自の休暇制度を設定することで、従業員のモチベーション向上や健康促進にも繋がります。

産前産後休暇

産前産後休暇とは、働く女性が妊娠した際に、妊婦さんとお腹の中の赤ちゃんの健康を守るために取得できる休暇です。労働基準法に基づいて定められた制度で、産休を認めないことは法律違反とされています。

一般的に、産前6週間、産後8週間の休暇が取得できます。ただし、双子以上を妊娠した場合は、産前14週間、産後8週間の休暇が取得可能です。この休暇は雇用形態に関わらず、正社員から派遣、パート、アルバイトまで全ての女性が取得できます。

病気休暇

病気休暇は、業務と無関係な病気で就業不能になった従業員に対して、回復するまでの休暇を与える制度です。

法律での義務付けはありませんが、一部の企業や公務員に対して導入されています。日数や給与の有無は企業が自由に設定でき、診断書の提出も企業が自由に設定可能です。

病気休暇制度を導入することで、職員の働きやすい環境を整えるだけでなく、感染症拡大防止などの効果も期待できます。

福利厚生(手当編)

福利厚生制度を利用して、職員へ特別な手当を支給する方法もあります。ここでは、職員へ支給する福利厚生制度について解説します。

通勤手当

通勤手当は、従業員が勤務地まで移動する際の交通費を補助する福利厚生制度です。公共交通機関を使った場合、15万円までが非課税となるメリットもあります。

支給条件や金額は企業ごとに異なり、一定距離以下では支給されない場合もあるようです。通勤距離が長い職員にとって、通勤手当の有無は重要な条件となるので、積極的に導入するとよいでしょう。

住宅手当・家賃手当

家賃手当は従業員の住居費を補助する福利厚生制度です。法的義務のある手当ではなく、企業ごとに条件や金額が異なります。そのため、家族構成や距離、持ち家か賃貸かで支給額が変わることもあります。

職員の家賃負担が軽減されるメリットがありますが、所得が増えることで課税される金額が増える点には注意が必要です。しかし、家賃手当を喜ぶ職員は多いため、導入を検討してもよいでしょう。

家族手当

家族手当は、同居家族がいる従業員に対して、基本給とは別に支払われる手当です。法的には義務付けられていませんが、一部の企業で導入されています。

支給要件は企業によって異なり、家族の人数、同居状況、扶養家族の有無、年齢などが考慮されます。また、企業によっては家族の収入によって支給金額が変わる場合もあるようです。

家族手当を導入することで、家族がいる従業員の生活負担を軽減できます。子育て世代の方に喜ばれる手当です。

資格取得支援手当

資格取得手当は企業が従業員のスキルアップを促すための福利厚生制度です。企業は資格取得にかかる費用の一部または全部を負担し、資格取得後には報奨金や資格手当を支給する場合もあります。

この制度を導入することで、従業員は資格取得によるスキルアップとキャリアアップを目指しやすくなるでしょう。また、企業側としても資格を持つ従業員による業務の効率化や生産性向上が期待できるメリットがあります。

福利厚生代行サービスとは

福利厚生代行サービスは、企業が人事や総務部門で行う福利厚生業務を専門業者が代わりに行うサービスです。このサービスの最大のメリットは、低コストで効率的に福利厚生を整備できる点です。

特に中小企業で人手が足りない場合に、コストと時間をかけずに簡単に福利厚生制度を充実させられます。また、多様な福利厚生メニューが用意されているため、従業員からも喜ばれるでしょう。

福利厚生代行サービスの内容

福利厚生代行サービスには、主に「パッケージサービス」「カフェテリアプラン」という2種類のサービスが提供されています。

パッケージサービスは、従業員1人あたりの費用を定額で払う方式です。企業が利用料を支払うことで、従業員が提携されている各種サービスを利用できます。

例えば、職員1名につき350円の会員料金を支払えば、近隣の映画館やレストランをお得に利用できるサービスなどが挙げられます。

一方、カフェテリアプランは、従業員にポイントを支給し、その枠内でサービスを利用する方式です。例えば、従業員の仕事ぶりに応じたインセンティブとしてポイントを支給します。

ポイントを受け取った従業員は、所定の福利厚生サービスのサイトへログインし、自分の利用したいサービスを選択できます。

簡単に高品質な福利厚生サービスを用意したいのであれば、パッケージサービスを選びましょう。サービス内容をカスタマイズして、他社にはない福利厚生サービスを提供したい場合は、カフェテリアプランをおすすめします。

福利厚生代行サービスのメリットとデメリット

福利厚生代行サービスのメリットは、従業員の満足度向上や採用力の強化です。
福利厚生代行サービスを利用することで、自社だけでは用意できない福利厚生プランを用意できます。

これにより、従業員のモチベーションが高まり、企業の社会的信頼性も向上する効果が期待できるでしょう。

一方で、コストが増加するデメリットには注意しなければいけません。特に、多くのオプションを提供する場合、経営に負担をかける可能性が考えられます。

福利厚生代行サービスにもメリットとデメリットがあるため、バランスを取ってサービスを利用することが大切です。

福利厚生を充実させることのメリットとは

福利厚生を充実させることは、企業にとって多くのメリットがあります。採用や人材定着に影響を与えるだけでなく、従業員のモチベーションやパフォーマンスの向上も期待できるでしょう。また、福利厚生の充実は企業の社会的信頼を高め、人材確保にも役立つとされています。

一方で、費用や管理負担、従業員のニーズに応える難しさがある点には注意しなければいけません。雇用の安定や業務効率化に繋げられるよう、計画的に導入できるとよいでしょう。

まとめ

この記事では、採用率を高めるために有効な福利厚生について解説しました。多くの介護事業所で介護人材が不足しており、採用力の強化が重要な課題となっています。

採用力を強化するため、福利厚生制度を充実させることも大切です。
現在、各企業でさまざまな福利厚生制度が導入されています。しかし、小規模な企業がさまざまな福利厚生制度を導入しようとすると、多大なコストと時間がかかるでしょう。

そこで、素早く福利厚生制度を充実させる方法として、福利厚生代行サービスが有効です。

福利厚生を充実させることで採用力が強化されますが、コスト面でのデメリットも無視できません。福利厚生制度を最大限活用して、採用力を強化できるように、計画的に導入することをおすすめします。

参考サイト

一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)

この記事を書いた人

野田晃司
作業療法士として病院勤務を経験後、複数の福祉施設を運営する会社経営に携わる。2ヶ所の通所介護施設を立ち上げ後、施設管理者を8年経験。現在も介護施設で働きながらライターとして活動中。

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