生活援助従事者研修とは?資格の取り方や修了のメリット、仕事内容について詳しく解説!

生活援助従事者研修

介護業界でのお仕事に興味はあるものの、未経験でいきなり挑戦するのは怖いな、排泄の介助や高齢者の身体を支えたりといった力仕事が自分には出来るかなと不安に感じているかたもいるのではないでしょうか。

今回は、介護の入門資格の一つでもある生活援助従事者研修の資格の取り方や修了のメリット、資格取得後に担うことができる仕事内容について詳しく解説します。

生活援助従事者研修とは

生活援助従事者研修とは、調理や洗濯、掃除、買い物代行といった生活援助中心型のサービスに従事する方、従事しようと考えている方に必要な知識等を習得することを目的として行われる研修です。

研修を修了することで、生活援助従事者研修修了者として資格を得ていることとなり、介護施設や事業所だけでなく、訪問介護事業所における生活援助業務を担うことも可能となります。

生活援助従事者研修を修了することで、以下のように高齢者や介護についての理解を深めることができます。

  • 基本的な生活援助中心型の介護を実施するために最低限必要な知識・技術
  • 介護の実践については、正しい知識とアセスメント結果に基づく適切な介護技術の適用が必要であるということ
  • 自立の助長と重度化防止・遅延化のために、介護を必要とする人の滞在能力を引き出し、活用・発揮させるという視点が大切であるということ
  • 利用者ができるだけなじみのある環境で日常的な生活を送れるようにするために、利用者一人ひとりに対する生活状況の的確な把握が必要であるということ
  • 他者の生活観及び生活の営み方への共感、相手の立場に立って考えるという姿勢を持つことの大切さ
  • 利用者本位のサービスを提供するため、チームアプローチの重要性を理解し、その一員として業務に従事するという視点を持つことができる
  • 利用者、家族、多職種との円滑なコミュニケーションのとり方の基本
  • 的確な記録・記述の大切さ
  • 人権擁護の視点、職業倫理の基本
  • 介護に関する社会保障の制度、施策、サービス利用の流れについての概要

生活援助従事者研修のカリキュラム

では、生活援助従事者研修のカリキュラムについて見ていきましょう。

研修科目 研修時間
1.職務の理解 2時間
2.介護における尊厳の保持・自立支援 6時間
3.介護の基本 4時間
4.介護・福祉のサービスの理解と医療の連携 3時間
5.介護におけるコミュニケーション技術 6時間
6.老化と認知症の理解 9時間
7.障害の理解 3時間
8.こころとからだのしくみと生活支援技術 24時間
9.振り返り 2時間
合計 59時間

上記カリキュラムを修了後、筆記試験による0.5時間程度の修了評価が実施されます。

講師により修了評価の結果が所定の水準を超えるものであることが確認された受講者には修了証が発行されます。

生活援助従事者研修の受講方法

生活援助従事者研修の実施主体は、都道府県若しくは都道府県知事の指定した機関です。そのため、研修の受講を検討されている方はお住まいの地域の情報を確認するようにしましょう。

また、生活援助従事者研修は、全59時間のカリキュラムの内、受講者の負担軽減を目的として、各科目ごとに合計29時間は通信(オンライン)で受講することが可能です。

また、受講者がやむを得ない理由により研修の一部を欠席した場合などについては、補講などの措置を取ってくれるので、スケジュールの調整が難しい方は、一度研修実施機関に相談してみてはいかがでしょうか。

生活援助従事者研修の受講費用

生活援助従事者研修の受講費用は、研修を実施する機関によって異なるものの、18,000~30,000円程度とされていることが一般的です。

介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修と比較すると安価に受講することができますが、介護福祉業界に就業中の方は、職場に資格取得支援制度がないか、対象の研修に生活援助従事者研修が含まれていないかを確認されることをおすすめします。

生活援助従事者研修を修了するメリット

生活援助従事者研修を受講することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 介護に関する基礎的な知識を修得できる
  • 介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修と比較して短時間で修了できる
  • 身体介護なしでもホームヘルパーとして働くことができる

一つずつ詳しく見ていきましょう。

介護に関する基礎的な知識を修得できる

生活援助従事者研修のカリキュラムには、「介護の基本」や「老化と認知症の理解」など、介護に関する基礎的な知識を深めるための講義等が組み込まれています。

そのため、介護福祉業界における知識がないという方でも、取得に挑戦しやすい資格ということができるでしょう。

介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修と比較して短時間で修了できる

生活援助従事者研修の研修時間(カリキュラム)は全59時間ですが、介護職員初任者研修は全130時間、介護福祉士実務者研修は全時間と、これらの研修と比較すると短時間で修了することが可能です。

介護職員初任者研修を修了するとホームヘルパーとして生活援助だけでなく身体介護も提供することができる、それに加えて介護福祉士実務者研修は実務経験が3年以上あれば介護福祉士国家試験の受験資格を満たすというメリットはありますが、短時間で公的な研修を受講して介護に関する基礎的な知識を身につけたいという方は、生活援助従事者研修を選ぶと良いでしょう。

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身体介護なしでもホームヘルパーとして働くことができる

ホームヘルパーのお仕事に興味はあるものの、排泄介助などの直接身体に触れる介護には抵抗がある方、自信のない方でも生活援助従事者研修を修了することで、生活援助専任のホームヘルパーとして働くことができます。

人材不足が叫ばれる介護福祉業界において、特に訪問介護事業所の人手不足は顕著です。そのため、生活援助だけでも行える人材を獲得したいという事業所にとっては、生活援助従事者研修修了者も歓迎される可能性が高くなってきています。

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生活援助従事者研修修了者が担うことができる仕事内容

生活援助従事者研修を修了することで、訪問介護事業所における介護職員(ホームヘルパー)として、利用者に対し身体介護(食事・排泄・入浴・移乗等の直接身体に触れる介助)は行うことができないものの、生活援助(調理・洗濯・掃除・買い物代行等)を提供することができるようになります。

訪問介護における身体介護を提供する場合は、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修を修了する必要がありますので、注意が必要です。

また、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム、グループホームといった介護施設やデイサービスなどの通所事業所については介護職員として身体介護も生活援助もどちらも提供することが可能です。

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まとめ

いかがでしたか?今回は、生活援助従事者研修の資格の取り方や修了のメリット、資格取得後に担うことができる仕事内容について解説しました。

生活援助従事者研修を受講して、介護職員としてのキャリアをスタートさせたいと考えている方は、e介護転職でお仕事を探してみてはいかがでしょうか。

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