認知症介助士とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説

  • 認知症介助士の仕事内容とは?
  • 認知症介助士の資格の取り方とは?

介護の仕事を検討している方で、資格の取得を考えている方も多いかと思います。そういった方にオススメの資格が認知症介助士の資格です。短期間で取得することができ、介護業界が未経験の方でも取得しやすい資格です。

今後、認知症の高齢者が増加することが予測されるため、認知症に関する知識を含め、適切なケアができることはとても重要ですし、今後ニーズも高まっていくでしょう。

そこで、今回は、認知症介助士とはどのような資格なのか、資格取得方法や介護職として働く際に生かせる職場についてご紹介します。

認知症介助士とは?

認知症介護士は、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が2014年に内閣府から認証を受けて発足した資格です。
介護職として働く現場職員はもちろんですが、高齢者を社会全体で支えるために設けられた資格で、高齢者や障害のある方々が生活しやすい街づくりのために役立っています。

例えば、大手企業等が積極的に資格取得を目指すことでサービスの質の向上を目指したり、福祉に貢献したりしています。また、個人が取得することで家族や地域で暮らす高齢者・障がい者の見守りや介護に生かされています。

認知症介護士は、介護の現場で働いている方だけでなく、身近に認知症の高齢者がいる方にとっても役立ちます。
例えば、接客業をしている方が高齢者の方を相手に接客する時や、高齢の家族の介護をする時、たまたま出会った高齢者が困っていた時など、普段の生活の中で生かすことのできる資格です。

認知症介助士の資格取得方法とは?

認知症介助士は、短期間で取得することが可能で、大きく分けて2種類の方法があります。1つは自宅学習を行い検定試験を受ける方法2つ目が認知症介助セミナーを受講し検定試験を受ける方法です。

2検定試験は30問からなる選択式で、所要時間は45分、受験料は3,300円です。東京や大阪にある会場でマークシートの試験を受ける方法と、各地のCBTセンターにあるパソコンを使ってクリック操作で試験を受ける方法があります。

自宅学習をし受験する

公認テキストや検定試験対策問題集を用いて自宅学習で試験対策を行うことができます。また、ユーキャンや産業能率大学の講座を申し込み、専用のテキストや副教材を用いて学習する方法もあります。講座を受講する場合、自分でテキストを取り寄せる必要がないため便利です。

財団の認知症介助セミナーを受講し受験する

財団が開講している認知症介助セミナーを受講すると、その日に検定試験を受けることができます。全国各地で開講されているわけではなく、日程や定員があらかじめ決まっていますが、短期間で集中して取得したい場合はおすすめです。

セミナーでは公認テキストの購入が必須となり、受講料と検定試験、テキスト代を含めると19,800円が必要です。

資格の学習で得られる知識

認知症の方が安心して生活するために、認知症についての正しい知識や認知症高齢者に対する正しい接し方を学ぶことができます。具体的には、認知症が疑われる方へサポートの仕方、コミュニケーションの取り方、認知症予防の仕方を身につけられます。

認知症の初期症状は様々です。全く知識のない状態では、驚きや困惑、混乱することもあるでしょう。しかし、資格取得を通じて、きちんとした知識を身につけることで落ち着いた対応が可能となります。

具体的な勉強方法とは?

先ほど、少しご紹介させていただきましたが、学習方法は主に下記の2パターンです。

  • 通信講座
  • ユーキャンや産業能率大学で通信講座を受講し、自宅で検定試験を受けることができます。

  • 通学講座
  • 財団が開講する認知症介助セミナーを受け、その日に検定試験を受けることができます。

認知症介助士としての職場・就職先

認知症介助士を取得して、就職や転職に役立てたいと考えている方もいるでしょう。
認知症の方が利用する施設は多数あります。現在、認知症介助士としての求人はあまり見ることがないかもしれません。しかし、資格を取得したことで意欲が伝わり、有利に働く可能性はあります。

特に、認知症の診断を受けた方々が利用するグループホームは、まさに認知症介助士で得た知識を生かせる職場ではないでしょうか。
グループホームは、少人数のアットホームな雰囲気が魅力で、認知症の方々が集団生活を送る場所です。普段の生活の中で、難しい部分を介助したり促しながら見守り、支援します。

その他にも、高齢者が利用するほとんどの施設では、認知症の診断を受けた方がいらっしゃいます。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホーム、デイサービスセンターなどの施設や、訪問介護等の事業所でも役立つでしょう。

認知症介助士のやりがい

認知症の症状は、様々です。適切な対応により症状の出方が和らぐこともあれば、逆にさらに混乱を招くこともあり得ます。

認知症介助士の資格を取得し、適切な対応の仕方を学ぶことで、その時々に応じた対応が可能になリます。職場や、日常生活で認知症の方への対応がスムーズに行えるようになると、認知症で困っている方の安心感につながります。

まとめ

今後、認知症高齢者が増加すると予測される中、認知症介助士の需要は増えていくでしょう。認知症に対する知識は、介護の現場はもちろん、日々の生活の中でも役立ちます。受験資格もなく、短期間で取得できる資格ですので、気になる方は、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。