介護福祉士実務者研修とは? 取得のメリットや取得方法を詳しく解説

介護福祉士実務者研修

  • 介護福祉士実務者研修の資格とは?
  • 資格の取り方、取得メリットとは?

介護に関する資格はたくさんあり、どの資格を取得すれば良いのか悩みますよね。自分に合った資格を取得するためには、まずは資格の種類やその内容について知ることが大切です。

介護福祉士実務者研修は、介護の現場で働いているとよく耳にする資格です。この資格を持っていることで出来るようになるケアも一部あり、現場では重宝されています。

ここでは、介護福祉士実務者研修がどのような資格なのか、資格取得までの道のりや学べる内容についてご紹介します。

記事でわかること

介護福祉士実務者研修とは?

介護福祉士実務者研修は、「実務者研修」と略称で呼ばれることが一般的で、介護に関する実践的な知識と技術が習得で来ていることを証明することができる資格です。

2012年4月からスタートした資格で、実務経験を重ねて介護福祉士を取得したい場合は必ず取得する必要があります。

介護職として働く上で有利になる資格

介護のスタート資格としては介護職員初任者研修がよく知られていますが、実務者研修は、介護職員初任者研修の上位資格としての位置付けで、さらに専門的な知識と技術を身に付けることができます。
介護職員初任者研修、実務者研修ともに国家資格ではありませんが、キャリアアップを目指す多くの方が取得しています。

実務者研修を取得すると、現場のリーダーとしての役割が期待されたり、たん吸引や経管栄養といった従来であれば医師や看護師しか行うことの出来なかった業務にも携われるようになり、仕事の幅も広がります。

ホームヘルバー1級との違い

同等の資格として位置付けられているホームヘルパー1級とはの違いは、2つあります。まず一つ目に、ホームヘルパー1級はすでに廃止された資格で、新たに取得することができません。2つ目は、介護福祉士国家試験の受験要件として認められないことにあります。

実務者研修資格取得のメリット

それでは、実務者研修資格を取得するメリットについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

介護福祉士の受験資格になる

介護職として働くのであれば、いずれ国家資格である介護福祉士を取得したいと考える人も多いでしょう。

2020年3月現在、実務に就きながら介護福祉士の受験資格を満たすには、実務者研修の修了が必須となっています。つまり、3年以上の実務に就き、実務者経験を修了すれば介護福祉士の受験にもチャレンジできるということです。

サービス提供・サービス管理責任者になれる

自宅で生活を送る要介護者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行うサービスを訪問介護といいます。この、訪問介護を提供する事業所のサービス提供責任者は、実務者研修修了者も認められており、重要なポジションにつくチャンスが得られます。

たん吸引を学べる

たん吸引や経管栄養は、従来では医師や看護師しか行うことができませんでした。しかし、実務者研修修了者であれば、これらを介護職が行うことができます。介護度の高い方が利用する施設や事業所では重宝される存在です。

給料アップに繋がる

実務者研修資格を取得すると、資格手当に反映されたり重要なポジションに昇格したりする可能性があり、給料アップも期待できます。

実務者研修で得られる知識について

実務者研修では、初任者研修よりも専門性の高い知識や技術を学ぶことができます。
カリキュラムは20科目からなり、合計450時間の履修となるため、目安としては6か月~1年間程度かかります。初任者研修等の資格を既に取得している場合は一部免除となります。

介護福祉士の国家試験で問われる基本的な知識や技術はもちろんですが、先程もあったようにたん吸引や経管栄養の管理についても習得できます。

実務者研修資格取得方法・費用を抑える方法とは

では、実際に介護福祉士実務者研修の資格を取得するには、どのようにしたら良いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

介護福祉士実務者研修資格を取得する方法

実務者研修は、国から認定された養成施設(スクール)で受講します。通信コースと通学コースがありますが、通信コースの場合でも一部通学して受講する必要があります。
受講できるスクールは全国各地にあり、通学しやすいように夜間課程を設けているスクールもあります。

通信コースの場合、テキストやWebで学習を進めていき、約1週間程度は通学しながら受講します。一方で、無資格の場合、受講にかかる時間は450時間です。
スクールによって、受講にかかる費用や期間は大きく異なります。無資格から受講する場合は、目安としては9万円~13万円程度がかかると考えていた方が良いでしょう。

受講費用を抑える方法

介護福祉士実務者研修を受講する場合、決して安くはない費用がかかることがわかりました。
今回は、受講費用を少しでも抑える方法をご紹介します。

求職者支援訓練

求職者支援訓練とは、雇用保険を受給することができない求職者が対象で、基本的には無料か一定額で実務者研修を受講することができる制度です。

教育訓練給付金

一定条件を満たした雇用保険の被保険者が対象で、厚生労働大臣指定の教育訓練を修了した場合に限り、訓練期間に支払った額の20%が支給される制度です。

実務者研修受講資金貸付制度

働きながら介護福祉士国家資格の取得を目指している方が対象で、国家資格取得後に指定地域で就業するなどの条件を満たした場合に限り、借入の返済が免除される制度です。

スクールの制度やキャンペーンを比較する

資格取得までの期間も、スクールや学習方法により異なります。通学の場合、およそ6か月でカリキュラムを組まれているケースが多いです。
スクールによっては、様々なキャンペーンにより受講が安くなるなどのお得なプランも用意されています。

有資格者の受講負担軽減について

実務者研修は、保有資格によってはカリキュラムの一部が免除されます。そのため、無資格の方に比べると受講時間は短くなり、短期間で資格取得も可能です。また、その分費用面での負担も軽減されます。

(例)「介護職員初任者研修」取得者が、実務者研修を受講するケース
介護職員初任者研修を既に取得している方は、20科目で構成されているカリキュラムのうち9科目は免除、学習にかかる時間は450時間から320時間に軽減されます。

まとめ

今回は、介護福祉士実務者研修とはどういった資格なのか、また資格の取得方法や気になる給与面についてご紹介しました。

この研修を修了することで、介護職として出来る仕事の幅が広がり、また現場のリーダー的な存在としての活躍も期待されるようになります。
さらに、国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることにもなり、さらなるキャリアアップも目指していくことが可能です。

転職にも有利になる資格ですので、介護職として仕事をしている方は積極的に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。