就労継続支援A型事業所で支援を行いたい方向け!~人員基準や支援内容、やりがいについて詳しく解説~

就労継続支援A型事業所で支援を行いたい方向け!~人員基準や支援内容、やりがいについて詳しく解説~

障害者の就労支援サービスの中には、就労移行支援、就労継続支援A型・B型など、複数のサービスが存在します。

  • 就労継続支援A型事業所とは?
  • 就労継続支援A型事業所の人員基準は?
  • 就労継続支援A型事業所の支援内容とは?
  • 就労継続支援A型事業所の支援で役立つ資格とは?
  • 就労継続支援A型事業所で支援を行うやりがいとは?

今回は、就労継続支援A型事業所の概要や人員基準、支援内容、役立つ資格、支援を行うやりがいについて詳しく解説します。

就労継続支援A型事業所の利用を検討している方はこちらの記事をご覧ください。
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就労継続支援A型事業所とは?

就労継続支援A型事業所とは、一般企業等で働くことが困難な方に対して働く場所を提供し、知識や能力の向上に必要な訓練を行う障害者総合支援法に基づくサービスです。

就労継続支援A型事業所の利用者は、事業者と雇用契約を結びます

まずはじめに、就労継続支援A型事業所の支援対象者、他の就労支援サービスとの違いについてご紹介します。

支援対象者

就労継続支援A型事業所における支援対象者は、以下のような方です。

  1. 就労移行支援事業所を利用していたが、一般企業等の雇用に結びつかなかった方
  2. 特別支援学校を卒業して就職活動をしたが、一般企業等の雇用に結びつかなかった方
  3. 一般企業等での就労経験がある方で、現に雇用関係がない方

ご覧の通り、一般企業等への就労を希望したものの叶わなかった方や、就労経験があるものの現在は離職している方などが対象であることが分かります。

就労継続支援B型事業所との違い

就労継続支援B型事業所とは、一般企業等で働くことが難しい方に対して働く場所を提供するとともに、知能及び能力の向上に必要な訓練を提供する障害者総合支援法に基づくサービスです。

就労継続支援A型事業所との違いは、利用者と事業者が雇用契約を結ばないことにあります。

心身の体調や年齢などにより、毎日決まった時間に仕事を行うことが難しい場合でも自分のペースで働くことができるというメリットがある一方、就労継続支援A型事業所と比較して給料が少ないというデメリットもあります。

就労継続支援A型・B型事業所を利用する方の平均工賃(賃金)

就労継続支援A型事業所と就労継続支援B型事業所を利用する方の平均給与について比較してみましょう。

就労継続支援A型事業所の平均工賃(賃金)は月額81,645円、時間額は926円で就労継続支援B型事業所の平均工賃(賃金)は月額16,507円、時間額は233円
出典:厚生労働省「令和3年度工賃(賃金)の実績について」

表から分かるように、就労継続支援A型事業所の平均給与は就労継続支援B型事業所と比較して、月給にして65,138円、時給にして633円高いことが分かります。就労移行支援との違い

就労移行支援事業所とは、障害者総合支援法に基づくサービスで、一般企業等で働くことができると見込まれる方に対して以下のような支援を行います。

  • 生産活動や職場体験等の活動機会の提供、その他就労に必要な知識や能力の向上に向けた訓練
  • 求職活動に対する支援
  • 一人一人の適性に応じた職場の開拓
  • 就職後の職場への定着のために必要な相談支援等

就労継続支援A型事業所との違いは、利用者が一般企業等での就労を目指していることと、利用期間が決められていることにあります。

就労継続支援A型事業所で、継続的に就労されている方は次の目標として「就労移行支援事業所を利用して一般企業等へ就労すること」を掲げることが多いです。

就労継続支援A型事業所や就労継続支援B型事業所には利用期間が決められていませんが、就労移行支援事業所の利用期間は2年(延長した場合でも最長3年)と定められています。

就労継続支援A型事業所の人員基準

就労継続支援A型事業所に必要な職種は以下の通りです。

  • 管理者
  • サービス管理責任者
  • 職業指導員
  • 生活支援員

職種ごとに必要な人数を確認していきましょう。

管理者

就労継続支援A型事業所には、常勤の管理者を1名配置する必要があります。基本的には資格要件で定められているものはないものの、都道府県によっては必要な資格がある場合もあります。

基本的には専従であることが望ましいとされていますが、管理者業務に支障がない場合は、サービス管理責任者や生活支援員と兼務することや、別事業所の管理者としても配置することが可能とされています。

サービス管理責任者

就労継続支援A型事業所には、常勤のサービス管理責任者を1名以上配置する必要があります。

利用者の数が60名までは1名、以降40名またはその端数を増すごとに1名を追加で配置しなければなりません。(追加で配置するサービス管理責任者は非常勤も構わない)

基本的には専従であることが望ましいとされますが、サービス管理責任者の業務に支障がない場合は、管理者との兼務が可能です。

サービス管理責任者について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
【2023年6月最新】サービス管理責任者(サビ管)とは? 資格の取り方・仕事内容・給料について分かりやすく解説

従業者(職業指導員・生活支援員)

従業者とは、職業指導員もしくは生活支援員のことを指します。

職種 役割
職業指導員 作業内容における技術指導や職業訓練を実施
生活支援員 日常生活上の相談に応じ、指導を行う

従業者としての配置基準は、利用者が10名までは1名、以降10名またはその端数を増すごとに1名を追加で配置する必要があります。

ただし利用者が10名以下の事業所であっても、職業指導員と生活支援員は1名ずつ配置し、従業者の内1名は常勤でなければなりません。

就労継続支援A型事業所で支援する場合役立つ資格

就労継続支援A型事業所で支援者として働く場合、サービス管理責任者以外は必要とされる資格が定められているわけではありません。

資格がなくても従業者として働くことが出来ますが、障害を持つ方などを支援することから、知識や技術が役立つ資格がいくつかあります。今回はその中から特に代表的な資格を4つ紹介します。

社会福祉士

社会福祉士とは、福祉に関する国家資格で、日常生活上の困りごとや問題がある方の相談支援を行う職種です。一般的には大学等で指定科目を履修した上で国家試験を受験し、合格する必要があります。

社会福祉士について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
社会福祉士 社会福祉士とは? 仕事内容や活躍の場、資格取得の方法や試験の合格率などについて分かりやすく解説

精神保健福祉士

精神保健福祉士とは、障害福祉に関する国家資格で、精神障害などを持つ方の問題や困りごとに関する相談に応じたり、日常生活を営む上でのアドバイスなどを行う職種です。一般的には大学等で指定科目を履修した上で国家試験を受験し、合格する必要があります。

精神保健福祉士について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
精神保健福祉士とは? 仕事内容、資格取得のメリットについて分かりやすく解説

介護福祉士

介護福祉士とは、介護福祉に関する国家資格で、障害者や高齢者の身体的介護や身の回りのお世話を行う職種です。一般的には介護実務経験を3年積んだ上で介護福祉士実務者研修を修了し、その後国家試験を受験して合格する必要があります。

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介護福祉士 介護福祉士とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、障害者や高齢者の身体的介護や身の回りのお世話を行うために必要な基礎的な技術や知識を修得することができる公的資格です。全130時間の研修を修了することで研修修了者として認められます。

介護職員初任者研修について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
介護職員初任者研修とは?取得方法や費用、研修内容を徹底比較

就労継続支援A型事業所の支援内容

就労継続支援A型事業所で利用者が行う仕事(作業)内容は、事業所によって異なります。ここでは、よくある例として以下を紹介します。

  • 衣類のクリーニング
  • 製品の梱包・発送作業
  • 部品の加工
  • 手工芸
  • パンやクッキーの生産
  • WordやExcelを使った入力事務

利用者の得意なことや苦手なことをしっかり観察して、それぞれに合ったサポートを行うことが大切です。

就労継続支援A型事業所の支援業務とは

就労継続支援A型事業所での従業員の仕事内容についてご紹介します。

個別支援計画の作成

利用者一人ひとりに合わせた個別支援計画をサービス管理責任者が作成します。利用者の状態や目標を明確にして、どのようなサポートを行っていくのかということを示す計画書とします。

個別支援計画は定期的にモニタリングを行い、利用者の現状に合わせて目標を再設定したりすることが大切です。

生産活動等の実施・指導

利用者が行う仕事(作業)について、職業指導員が手順を教えたりサポートを行います。

利用者が仕事を楽しく続けることが出来るよう、苦手な分野はしっかりサポートし、どのようにすれば良いかを一緒に考えるなど、利用者の気持ちや状態に寄り添った適切な支援を提供します。

健康管理・相談支援

生活支援員は、利用者の健康チェックや日常生活や仕事(作業)における相談支援業務を行います。

利用者が安心して働くことができるように、日々の様子を気にかけて支援を行いましょう。

送迎

事業所によっては、利用者の自宅や駅などの指定場所から事業所までの送迎を行っているケースがあります。

専任のドライバーがいる場合は運転業務を担うことはないかもしれませんが、「添乗」という形で送迎業務に関わる可能性があります。

就労継続支援A型事業所で支援を行うやりがい

就労継続支援A型事業所で従業者として利用者に支援を提供する中で、社会貢献性以外に感じることができるやりがいを大きく分けて2つご紹介します。

利用者とともに成長することができる

就労継続支援A型事業所を利用している方は、障害などを理由に一般企業での就労が難しい方々です。

利用を続けていく内に、少しずつ出来ることが増えたり、自分が継続して働くことができるという自信をつけていく様子を見ることで、自身の支援やサポートにやりがいを感じることが出来るでしょう。

上位職種へのキャリアアップが狙える

無資格や未経験の状態で就労継続支援A型事業所で勤め始めたとしても、一定の経験を積むことで障害支援分野でのキャリアアップを狙うことができます。

例えば、サービス管理責任者を目指す場合は8年間、障害者の相談支援業務を行う「相談支援専門員」を目指す場合は10年間勤めることで、これらの資格を得るための研修の受講要件を満たす事になります。

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まとめ

今回は、就労継続支援A型事業所の概要や人員基準、支援内容、役立つ資格、支援を行うやりがいについて詳しく解説しました。

福祉サービスでのお仕事の中でも、「働く」ことを支援する就労継続支援A型事業所での仕事に興味を持った方は、ぜひe介護転職で求人を探してみてくださいね。

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参考