- 認知症介護基礎研修とは?
- 資格の取得方法・研修で学べる内容とは?
介護の仕事は未経験・無資格でも就職することは可能です。しかし、2021年度の介護報酬改定では医療・福祉関連の資格を持たない介護職員に対しては認知症介護基礎研修の受講が義務化される予定です。ここでは、認知症介護基礎研修がどういった資格なのか、学べる内容や受講方法についてご紹介します。
記事でわかること
認知症介護基礎研修の受講義務化
これまで介護職員として働く上で、資格があれば優遇される面も多かったものの、無資格で採用されそのまま勤務する人も珍しくありませんでした。
キャリアアップを目指す場合や、会社の方針として資格取得を積極的に勧める場合は、無資格で就職し、その後働きながら資格を取得することでステップアップしてきた方も多いです。一方で、資格の取得の必要性を感じないなどの理由で無資格のまま頑張ってきた方も一定数います。
しかし、介護現場に無資格の職員はいなくなる時代が来たようです。2020年6月の認知症施策推進大綱では、認知症関連の研修の推進が明記されました。介護現場全体の認知症対応力向上を図ることを目的に、2021年4月以降は無資格の介護職員に対して認知症介護基礎研修の受講が義務化される予定です。
ただし、訪問入浴介護以外の訪問系、居宅介護支援、福祉用具貸与(販売)事業者は今のところ義務化の対象外です。また、無資格の介護職員が資格を得るまで働くことができないというわけでもなく、3年間の経過措置が設けられます。
認知症介護基礎研修とは?
既に無資格で働いている方や、これから介護現場で働きたいと思っている方なら、認知症介護基礎研修がどのような資格なのか気になりますよね。まずは資格の概要から見ていきましょう。
資格の概要
認知症介護基礎研修は、その名前の通り認知症ケアの基礎となる知識や技術を学べる内容の研修です。一般的には、新任介護職員向けの研修として、資格を持たない職員を積極的に受講させる事業所や施設が多く、ステップアップの第一歩として位置付けられています。
もともと、この研修は認知症ケアの質を底上げするために導入されました。知識不足に不安を感じる職員が多かったり、誤ったケアの方法でトラブルが生じる場面の増加が一因となり設けられました。
認知症介護基礎研修で得られるスキル・学べる内容
認知症介護基礎研修では、認知症介護に関わる人がその業務を遂行する上で基礎となる知識や技術、考え方を身に付けることができます。また、チームアプローチを担う一員としてサービスを提供できることを目的としています。
認知症介護基礎研修は、認知症介護に関する資格の中ではファーストステップに値する資格です。この資格取得をきっかけに、さらなる上級資格の取得を目指すこともできます。
カリキュラムは講義と演習の計6時間からなり、講義では認知症の人の理解や対応の基本、コミュニケーションをとる上での留意点などが学べます。演習では、認知症ケアにおける理念や考え方、基礎技術、行動の背景を理解したケアなどを身に付けます。
なお、カリキュラムは新型コロナウイルス感染予防のため、その方法が変更となる場合があります。詳しくは自治体のホームページ等から確認されることをおすすめします。
認知症介護基礎研修の受講方法
認知症介護基礎研修には受講資格があります。対象となるのは、区や市町村に所属する介護施設や事業所に従事している方です。
基本的には介護職員であれば受講することができますが、定員オーバーになる場合は希望通りの日程で受講することが難しいかもしれません。
なお、2021年4月より医療・福祉の資格を1つも持たない介護職員にはこの研修が義務化されることとなりましたが、これは事業者への義務付けです。つまり、無資格の人が自ら申し出なかったとしても、事業所から資格を取得するよう促されることとなります。
また、新たに介護職員として働く人に対しては一定の猶予期間が与えられる措置がとられるため、無資格だから就職できないというわけではありませんので安心してください。
まとめ
今回の認知症介護基礎研修の受講義務化は、介護職員の専門性がより問われる時代になったことの表れかもしれません。認知症介護基礎研修をステップアップの第一歩ととらえ、より専門性を高められる資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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