介護の求人を見ていると、「夜勤あり」「夜勤専従」といった言葉を目にすることも多いですよね。介護職の夜勤は、どのような働き方をするのでしょうか?ここでは、夜勤の仕事内容やメリット・デメリット、夜勤に向いている人などを紹介します。
記事でわかること
夜勤とは
夜勤とは、日勤とは異なる時間帯、つまり夜の時間帯に働くことです。日勤はやらずに夜勤のみに従事する介護職員は「夜勤専従」と呼ばれます。入居型の施設で働く場合、24時間体制で利用者の方を介護しなければならないため、夜勤が存在します。ここでは、夜勤の働く時間帯と仕事内容について説明します。
夜勤の働く時間
介護施設には、1日を二つの時間帯に分けた2交代制と三つの時間帯に分けた3交代制があります。
施設によって詳細は異なりますが、一般的には以下のような時間帯で働きます。(※休憩含む)
- 2交替制:日勤8:30~17:30、夜勤16:30~9:30
- 3交替制:早番7:30~16:30、遅番15:30~23:30、夜勤22:30~8:30
2交代制の場合、1回あたりの労働時間が16時間を超えることが多いため、基本的に翌日は休みになります。3交代制は2交代制より1回の勤務時間が短いですが、早番に入ったり遅番に入ったりと働く時間が変則的になることが多いです。
なお、労働基準法61条1項により18歳未満は22時~翌5時の時間帯に働くことができません。
夜勤の仕事内容
夜勤では、以下のような仕事内容を行います。
- パジャマへの着替え
- 排泄介助
- 見回り・安否確認
- 褥瘡(予防)等により必要な方に体位交換
- 食事介助
- 記録、申し送りなど
基本的には日勤の仕事内容とさほど変わりません。ただし、日勤のようなレクリエーションや入浴介助はなく、就寝前後から起床までの介助がメインになります。
特に3交代制の場合は、利用者の方が就寝後に勤務を開始するため、仕事内容はそこまで多くありません。ただし、夜間緊急対応や安否確認など夜勤ならではの業務が発生することもあります。
夜勤のメリット
夜勤というと、「なんだか不安」「体力的にきつそう」と思う方もいるかもしれません。しかし実際は、夜勤ならではのメリットもあります。
夜勤手当が付く
夜勤を行うと、夜勤手当が付くためその分収入アップが期待できます。日本医療労働組合連合会の「2022年 介護施設夜勤実態調査結果」を見ると、正規職員の2交替夜勤の場合は平均で6,011円、3交替夜勤の準夜勤で3,712円、深夜で4,614円となっています。
施設やスキル、何時間勤務するかにもよりますが、夜勤一回あたり4,000~10,000円の手当が付くことが多いです。例えば、月4回夜勤に入ったら、日勤だけの場合より約2~4万円程度給料に上乗せされます。
しっかり稼ぎたいという人は、夜勤によって収入をアップさせることが可能です。
仕事内容がやや少ない
介護職の夜勤は、レクリエーションや入浴介助がないため、日勤と比べて仕事内容が少ない傾向にあります。そのため、ケアや業務に集中しやすく、自分のペースで仕事を進められます。
ただし、仕事内容が少ないから楽というわけではなく、スタッフの人員が少ない分夜勤ならではの緊張感もあります。
出勤回数が少ない
2交代制で夜勤を行う場合、1回の勤務時間が16時間を超えることが多いため、翌日は勤務日扱いになり休みとなります。そのため、シフトの合わせ方によっては、連休気分を味わえます。
介護職は連休が取りづらい傾向がありますが、夜勤をすることによってプライベートの時間を作りやすくなるでしょう。
夜勤専従ならWワークOKな職場も
夜勤のみを行う夜勤専従の場合、WワークOKとしている職場も多いです。出勤回数が少なく日中の時間も自由に使えるため、キャリアップや収入アップを目指す人には大きなメリットとなるでしょう。
夜勤専従パート・夜勤バイトでも正社員並みに稼ぐことも可能
夜勤専従パートや夜勤バイトとして介護施設で働く場合、正社員並みに稼ぐことも可能です。
収入額によっては社会保険や厚生年金に加入する必要がありますが、正社員として働きたくはないという方でも月に数回夜勤に入ることで同等の給与をもらいながら働いている方も多くいます。
夜勤のデメリット
夜勤には、メリットだけでなくデメリットもあります。夜勤の仕事を始めるなら、あらかじめデメリットを確認しておきましょう。
勤務時間が長い為体力面の負担が大きい
日本医療労働組合連合会の「2022年 介護施設夜勤実態調査結果」によると、1回の勤務時間が16時間以上の2交代制を行っている施設は78.8%となっています。また、41.5%もの施設で、仮眠室がないことも明らかになっています。
日勤と比べ1回の勤務時間が長いため、その分休みは長くなるとはいえ、体力的な負担は大きいと言えるでしょう。もともと介護職は体力仕事が多いため、普段から体調を崩さないように生活習慣に気を遣う必要があります。夜勤の不安を軽減したい場合は、事前にスタッフ人数や仮眠室の有無を確認しておきましょう。
スタッフが少ない事が多く、責任が大きい
夜勤は日勤に比べてスタッフの配置人数が少ないため、その分緊張感やプレッシャーを感じやすいというデメリットもあります。小規模施設では、1人夜勤になることも少なくありません。
また、日勤に比べ仕事内容が少ない傾向がありますが、利用者の体調不良など緊急時には適切な対応をしなければなりません。日本医療労働組合連合会の「2022年 介護施設夜勤実態調査結果」によると、29.7%が「夜間緊急対応があった」と回答しています。施設別に見ていくと、以下の通りとなっており、緊急対応が必要となる可能性も考えておく必要があるでしょう。
施設 | 夜間救急対応の割合 |
特別養護老人ホーム | 30.0% |
介護老人保健施設 | 45.7% |
グループホーム | 20.0% |
(看護)小規模多機能型居宅介護 | 19.4% |
ショートステイ(単独型) | 33.3% |
介護医療院 | 40.0% |
全体 | 29.7% |
夜勤、夜勤専従に向いている人とは
夜勤にはメリットもデメリットもありますが、どんな人が向いているのでしょうか?
介護職の経験があり、臨機応変に対応が出来る方
前述したように、日勤に比べ夜勤はスタッフ数が少ないため、介護職経験があり臨機応変に対応できる人が向いています。夜勤専従の場合、実務経験や資格がある人のみを募集しているケースも少なくありません。
そのため、無資格・未経験からいきなり夜勤専従になることは難しいでしょう。夜勤メインまたは夜勤専従で働きたい人は、まずは資格や実務経験でスキルを磨くことが大切です。
自己管理がきちんと出来る方
夜勤を行うには、自己管理がきちんとできることも大切です。というのも、夜勤は出勤日数が少なくなるものの、1回の勤務時間が長かったり不規則な生活になったりするからです。明るい時間に眠ることも多くなることから、生活リズムが崩れ体調に影響が出る可能性もあるでしょう。
そのため、食生活や休養、体力作りなど、日頃から体調管理に気を遣わなければなりません。もともと寝つきが悪い人や風邪をひきやすい人は特に注意が必要です。
夜勤がある求人、夜勤専従求人の探し方
介護職の夜勤、夜勤専従求人を探すときは、介護職に特化した求人サイトを使うのがおすすめです。「夜勤専従あり」「夜勤のみ」といったタグが付いた求人を探すと見つかるでしょう。
ただし、一般的に夜勤専従はパートタイマーや派遣社員が多く、正社員求人は少ないため注意が必要です。
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まとめ
介護職の夜勤は、夜勤手当が付き出勤回数が少なくなるため、効率良くしっかり稼ぐことができます。また、夜勤専従なら日中の時間を自由に使えるため、Wワークをしたい人や趣味を楽しみたい人にもおすすめです。
ただし、1回の勤務時間が長く生活リズムが崩れやすいため、体調管理に気を遣う必要があります。この記事を読んで、夜勤に興味を持った人は自分に合う求人を見つけて挑戦してみませんか?
参考
- 日本医療労働組合連合会「2022年 介護施設夜勤実態調査結果」
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