雇用保険とは?加入条件や各給付金について簡単にご紹介!

社会保険の1つである雇用保険ですが、聞いたことはあるものの具体的な制度の仕組みについてはあまり分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、雇用保険の仕組みや役割について分かりやすくご紹介します。

雇用保険とは

雇用保険とは政府が管掌する強制保険制度で、労働者を雇用する事業は原則として強制的に適用されます。

具体的に説明すると、失業した方や再就職で収入が大幅に減少した方、育児や介護で働く事が難しい方、資格取得などスキル向上の為に取り組む方などに対し保険料の給付を行い、雇用に関する総合的機能を有する社会保険制度です。

加入条件

雇用保険の被保険者となるには、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 31日以上の雇用期間が見込めること
  • 同じ会社に継続して31日以上雇用されることが見込まれていれば問題ないため、雇用期間の定めのない正社員はもちろん、31日以上の有期雇用契約者(契約社員やパート、アルバイト)も対象です。

  • 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であること
  • 雇用形態を問わず、1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であれば問題ありませんが、週によって15時間の日もあれば25時間の週もある、という場合は対象外です。

雇用保険に加入すると、『雇用保険被保険者証』が発行されます。後に紹介する給付金を受給する場合や、転職先の会社で提出を求められるので、しっかりと保管しておきましょう。

ご自身でお持ちでない場合は事業主が管理しているはずですので、確認してみてください。

保険料の支払い方法

保険料は、事業主と労働者が負担しますが、その割合は業種ごとに定められています。介護福祉業界を含む一般事業では、事業主負担が0.6%、労働者負担が0.3%です。

例えば、賃金総額が25万円の場合、事業主負担は1,500円、労働者負担は750円となり、この雇用保険料は給与天引きの形で支払われます。

給付金の種類

雇用保険で給付される給付金の種類について、皆さんに関わりの深いものをいくつか簡単に紹介していきます。

基本手当(求職者給付)

一定の要件を満たす被保険者が失業した場合、所定の手続きを経て受け取る手当のことで、一般的には『失業手当』と呼ばれ、現金で給付されます。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:被保険者

就業促進手当(就業促進給付)

一定の要件を満たす被保険者が失業した場合、早期再就職を促進する目的で、『再就職手当』『就業促進定着手当』『就業手当』などが支給されます。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:被保険者

教育訓練給付金(教育訓練給付)

労働者のキャリアアップを支援する制度で、厚生労働大臣の指定する講座を受講し、修了すると本人が支払った受講料の一部が払い戻されます。『一般教育訓練給付金』『専門実践教育訓練給付金』『特定一般教育訓練給付金』があります。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:被保険者

高年齢雇用継続給付(雇用継続給付)

60歳以上65歳未満の一定の要件を満たす被保険者が、60歳到達時点の賃金と比較して75%未満に低下した場合に支給される給付です。『高年齢雇用継続基本給付金』『高年齢再就職給付金』があります。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:基本的には事業主だが、被保険者でも可

介護休業給付(雇用継続給付)

家族を介護するために介護休業を取得した被保険者に対し、一定の要件を満たした場合に支給されます。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:基本的には事業主だが、被保険者でも可

育児休業給付金(雇用継続給付)

満1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した被保険者に対し、一定の要件を満たした場合に支給されます。

  • 申請場所:ハローワーク 
  • 申請者:基本的には事業主だが、被保険者でも可

まとめ

雇用保険で給付される給付金についてご紹介してきました。失業手当以外にも、もらうことのできる給付金は多数あります。制度をきちんと把握し、適切なタイミングで適切な給付金を受給できるよう確認しておきましょう。