介護業界では「介護福祉士」や「ケアマネージャー」など、さまざまな資格や研修があります。
しかし、介護を必要としている人にも幅広いタイプがあり、障害の区分や仕事内容によって、取得しておくべき資格も異なります。
そこで今回は、視覚障害者の外出をサポートするために必要な「同行援護従業者養成研修」について紹介していきます。
- 同行援護従業者養成研修とは?
- 同行援護従業者養成研修はどんな職場に必要?
- 同行援護従業者養成研修を取得するメリットは?
同行援護従業者養成研修に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
記事でわかること
同行援護従業者養成研修とは
同行援護従業者養成研修とは、視覚障害者の外出時に伴う、適切な介護方法を学習するための研修です。
視覚障害者の外出を支援する「同行援護従業者」は外出に同行して、移動・視覚情報の補助(代筆や代読を含む)・食事・排泄などの介助をおこないます。
また、同行援護従業者養成研修には、「一般課程」と「応用課程」があります。
同行援護従業者養成研修のカリキュラム
研修におけるカリキュラムを見ていきましょう。
一般課程
一般課程では、視覚障害者の支援に必要な代読や代筆の知識や、心理状況などを学習します。一般課程を終了することで、同行援護サービスを提供している施設で働くことができます。
科目 | 時間 | |
講義 | 視覚障害者(児)福祉の制度とサービス | 1時間 |
同行援護の制度と従業者の業務 | 2時間 | |
障害・疾病の理解 | 2時間 | |
障害者(児)の心理 | 1時間 | |
情報支援と情報提供 | 2時間 | |
代筆・代読の基礎知識 | 2時間 | |
同行援護の基礎知識 | 2時間 | |
演習 | 基本技能 | 4時間 |
応用技 | 4時間 |
※視覚障害者移動介護従業者養成研修修了者・重度視覚障害者研修修了者は、一般課程の受講が免除されます。
応用課程
応用課程では、視覚障害者への介助知識だけでなく、実際に交通機関を利用して実践的な介助方法の習得を目指します。また、応用課程を修了することで、サービス提供責任者になることができます。
科目 | 時間 | |
講義 | 障害・疾病の理解 | 1時間 |
障害者(児)の心理 | 1時間 | |
演習 | 場面別基本技能 | 3時間 |
場面別応用技能 | 3時間 | |
交通機関の利用 | 4時間 |
※社会福祉法人日本盲人連合が実施する「視覚障害者移動支援従事者資質向上研修」修了者は応用課程の受講が免除されます。
研修修了者の就業場所について
同行援護従業者養成研修を修了した方は、下記の様な職場で就業することが可能です。
- 訪問介護事業所
- 重度訪問介護事業所
それぞれ詳しく紹介していきます。
・訪問介護事業所
最近では、同行援護事業をおこなっている訪問介護事業所も珍しくありません。
もちろん、同行援護の支援がないことも多く、障害をお持ちの方のご自宅等に訪問し、身体介護・家事援助・通院・乗降介助などもおこないます。
また、事業所によっては、障害者だけでなく高齢者への介護をおこなっている場合もあるでしょう。
重度訪問介護事業所
重度訪問介護事業所では、重度の肢体不自由・重度の知的障害・重度の精神障害などを持っている利用者の自宅に訪問して生活の支援をおこないます。
また、業務に従事するためには、同行援護従業者養成研修だけでなく、重度訪問介護従業者養成研修の修了が必須です。
その他
以下は、同行援護従業者養成研修の修了が必須ではありませんが、持っているとメリットのある職場です。
- 障害者支援施設
- 障害者グループホーム(共同生活援助)
- 障害者デイサービス(生活介護)
- 放課後等デイサービス
- 就労移行支援事業所
同行援護従業者養成研修の知識を活かせる職場は、多岐にわたります。
外出時の適切な介助知識・方法を習得することで、日常に潜む小さな危険を察知できるようになります。
そのため、障害者向けの施設だけでなく、高齢者向けの施設でも同行援護従業者養成研修で学習した内容が活かせるでしょう。
研修を修了するメリット
それでは最後に、同行援護従業者養成研修を取得するメリットを紹介していきます。
同行援護従業者養成研修を修了しておくと、以下のようなメリットがあります。
- スキルアップ
- 需要が高まる=採用されやすい
- 経験を積みキャリアップも可能
それぞれ詳しく紹介していきます。
スキルアップ
同行援護従業者養成研修では、視覚障害者への介助知識だけでなく、障害に関する基礎的な知識を幅広く学習します。
実際の状況に近い演習をおこなうことで、実践的な技術を習得できるため、確実にスキルアップできるでしょう。
介護の資格を持っていない人でも受講できるため、実務経験の浅い人にも向いている研修です。
需要が高まる=採用されやすい
障害者が居宅介護を利用する件数は、年々増加しています。
視覚障害者の外出を支援する同行援護従業者の需要も高くなっているため、就職・転職時には大きな武器になってくれるでしょう。
また、厚生労働省が推奨している同行援護特定事業所加算の人材要件に該当するため、修了しておいて損はありません。
経験を積みキャリアアップも可能
同行援護従業者養成研修を取得して、さまざまな経験を積むことでキャリアアップの可能になります。
同行援護事業をおこなっている施設でサービス管理責任者になるためには、応用課程の修了が必須です。
少しでもキャリアの幅を広げたい人は、一般課程だけでなく応用課程の修了も目指しましょう。
まとめ
今回は、同行援護従業者養成研修についてお伝えしました。
同行援護従業者養成研修とは、視覚障害者の外出時に伴う、適切な介護方法を学習するための研修です。
障害に関する基礎的な知識も学習できるため、介護・福祉施設で働いている人なら、受講しておいて損はありません。
同行援護従業者養成研修の受講期間は2〜3日程度で、参加するための条件もありません。
また、同行援護を求めている視覚障害者は全国にいるため、さまざまな地域で通用する資格です。
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