「介護職員基礎研修」という資格があったことをご存知でしょうか?
介護福祉士になる方法の1つだったため、以前は非常に重要度の高い研修でした。
そこで今回は、介護職員基礎研修が廃止になった理由や他の資格との違いについて紹介していきます。
- 介護職員基礎研修とは?
- 介護職員基礎研修が廃止された理由は?
- 介護職員基礎研修の代わりとなる資格は?
介護職員基礎研修とはなんだろうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
記事でわかること
介護職員基礎研修とは
介護職員基礎研修とは、施設、在宅を問わず介護サービスに従事する職員の共通研修(基礎的)として2006年度に創設された研修です。
取得するためには、講義・演習が360時間、施設等における実習140時間の合計500時間のカリキュラムを修了する必要があります。
もともとは、ホームヘルパー1級課程の上位資格とされていたため、研修修了者はサービス提供責任者として働く事も可能でした。
しかし、2012年度に「ホームヘルパー1級」と「介護職員基礎研修」が廃止され、現在は「介護福祉士実務者研修」に1本化されています。(「ホームヘルパー2級」は「介護職員初任者研修」に移行)
これらの資格が一本化された理由として、「介護福祉士を取得するための要件ルートが複雑だったこと」と「介護福祉士の質を均一化するため」の2つが挙げられています。
現在はこれら2つの理由を解消するために、介護職員初任者研修→介護福祉士実務者研修→介護福祉士という分かりやすい資格形態になりました。
介護福祉士実務者研修の受講が免除に
介護職員基礎研修を修了している方が介護福祉士を受験する際、
- 介護の実務経験が3年以上
- 喀痰吸引等研修を修了
上記の条件をクリアしていれば、介護福祉士実務者研修の受講が免除されます。
※福祉系高校(平成20年度以前入学者及び特例高校)卒業の場合は、実技試験免除にはなりません。
また、介護福祉士の受験申込には原本証明をした「介護職員基礎研修修了証明書」と「喀痰吸引等研修修了証明書(証書)もしくは認定特定行為業務従事者認定証」の提出が必要です。
※原本証明とは、証明書発行事務所等が、原本をコピーして「この写しは原本と相違ないことを証明する」という記載と代表者印を押印した書類のことを指します。
ちなみに、喀痰吸引等研修修了見込の場合でも、「喀痰吸引等研修修了見込」の状態で申し込みし、後から「喀痰吸引等研修修了証明書(証書)もしくは認定特定行為業務従事者認定証」を試験センターに提出することも可能です。
(参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格)
新たに介護関連の研修を受講したい、資格を取得したい方は
「基礎から介護研修を学びたい」「何から取得すればいいのか分からない」このように考えている人は、以下のステップで国家資格の「介護福祉士」を目指しましょう。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士(国家資格)
上記3つは、介護業界で活躍するためには欠かせない資格です。
それぞれの資格内容を詳しく紹介していきます。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは、介護に関する技術や理念の基礎を学び、身に付けることができる研修です。
介護職の基本知識や技術を取得できる研修で、介護職の入門的な資格という位置付けにあります。
そのため、何から取得すればいいのか分からない人は、まず「介護職員初任者研修」から取得しておきましょう。
また、受講資格もないため、申し込みさえすれば、介護業界で働いていない人でも取得可能です。
介護に関する技術や理念の基礎を幅広く学べるため、未経験から介護業界への転職を検討している人からも人気があります。
受講後の試験に合格する必要がありますが、ほとんどの人が合格できると言われており、取得難易度が低いことも人気の理由でしょう。
しかし、カリキュラム自体は130時間あるため、転職活動では大きなアピールポイントになります。
介護職員初任者研修については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
介護職員初任者研修とは?取得方法や費用、研修内容を徹底比較
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修とは、「質の高い介護サービスを安定的に提供していくこと」を目標にした研修です。
2012年4月からスタートした研修で、実務経験を重ねて介護福祉士を取得したい場合は必ず取得する必要があります。
先ほど紹介した「介護職員初任者研修」の上位資格としての位置付けで、さらに専門的な知識と技術を身に付けることができます。
こちらも「介護職員初任者研修」と同様に、実務経験の有無に関係なく受講することができますが、内容はさらに難しくなっているため、多少の現場経験は必要でしょう。
介護福祉士実務者研修については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士実務者研修とは? 取得のメリットや取得方法を詳しく解説
介護福祉士(国家資格)
介護福祉士は、介護に関する資格の中で唯一の国家資格です。
介護に関する高度な知識や技術を有する専門職として、利用者の身体上のお世話や精神面のケアを行うだけでなく、現場介護スタッフに対する教育や指導など、施設内のリーダー的な役割も担っています。
また、これまでに紹介してきた資格とは違い、3年間以上の実務経験が必要になります。
取得していれば、転職活動でも非常に有効な武器になりますし、転職後の待遇も大きく変わるでしょう。
介護福祉士については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
介護福祉士とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説
まとめ
今回は、介護職員基礎研修について解説しました。
介護職員基礎研修は、介護の基礎的な知識を学べる入門的な資格だったため、多くの人が受講していました。
しかし、現在は介護職員のキャリアパスを分かりやすくするために廃止されており、受講することができません。
介護職員基礎研修が廃止されてからは、介護職の入門的な資格として「介護職員初任者研修」が創設されました。
介護福祉士を目指している人や、介護の基礎的な知識を学びたい人は、ぜひ「介護職員初任者研修」に挑戦してみてください。
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