今回は、介護職へ転職する場合の職務経歴書の書き方について解説します。
- 手書きとパソコンはどちらが採用されやすいのだろう?
- 経歴は古いものから書くのか新しいものから書くのか分からない
- 転職回数が多いが、前向きな印象を与える職務経歴書はどうやって作ればいいの?
など、介護職として初めて転職する方や、新たに介護職として転職する方で、職務経歴書を書けばよいかわからないと悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
記事でわかること
職務経歴書の基礎知識
職務経歴書には決まった書き方はありません。ただし、知っておくべき基本的なルールはありますので、その基礎知識をしっかりと理解して、希望通りの転職を実現させる為の職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴書とはこれまでの業務経験をまとめたもの
職務経歴書とは、これまでの仕事の内容や業務経験を分かりやすく詳細にまとめたものです。採用担当者に対し、自分がどのような仕事をしてきたのかが詳しく伝わる内容にする必要があります。一方で同時に提出を求められることが多い履歴書は、住所や学歴、保有資格を記載した、いわばプロフィールです。2つの違いをしっかりと押さえておくことで、書類作成時に記載する内容が明確になるでしょう。
- 自分が取得した資格や得意とするもの
- どのような施設やサービスで働いた経験があるか
(介護職未経験者の場合はどのような業界で働いた経験があるか) - どのような業務内容を経験してきたか
- 今後どのようなことを実現したいか
手書きとパソコンでの作成は得意な方法でOK
職務経歴書は手書きで作成してもパソコンで作成しても構いません。どちらの方法で作成しても、採用の合否に大きな影響はありませんので自分が得意な方法で作成しましょう。前述のとおり、決まったフォーマットはないので、転職が初めての方はWeb上で見つかるテンプレートを利用すると作成しやすいのでおすすめです。
手書きで職務経歴書を作成する際のポイント
- 消しゴムで消えない黒のボールペンや万年筆を使う
- 誤字脱字に注意し、丁寧に書く
- 修正ペンや修正テープなどはNG。間違えた場合は書き直す
- 年月を記載する際は和暦か西暦に統一する
- 使い回しという印象を与えるのでコピーはしない
パソコンで職務経歴書を作成する際のポイント
- 強調したい内容の太字やフォントサイズの変更は問題なし。
ただし、赤や青などを多用したカラフルな文字装飾は避ける - 見やすさを考慮して、見出しの位置の調整や改行の挿入などを行う
- 誤字脱字に注意し、スペルチェックと見直しは必ず行う
施設名・法人名・資格は正式名称で記載する
これまでに働いてきた施設名・法人名や取得した資格などは、略称ではなく正式名称を記載してください。例えば「特養〇〇〇〇」ではなく「特別養護老人ホーム〇〇〇〇」、「初任者研修」ではなく「介護職員初任者研修」などと略さずに正しく書きましょう。職務経歴書の作成時に、施設のホームページで正式名称を確認すると確実です。
形式は主に編年式・逆編年式・キャリア式の3つ
職務経歴書を作成する形式は、おもに編年式・逆編年式・キャリア式の3つがあります。以下で、それぞれの形式の違いついて解説します。
編年式
編年式は、時系列順に自分の経験やキャリアについて記載する職務経歴書の形式です。履歴書の学歴・職歴を記載する欄と同様なため、採用担当者が2つの書類を照らし合わせながら確認しやすい、最も一般的な形式と言えます。
逆編年式
逆編年式は、編年式とは逆に最も新しい経歴から逆上って経験やキャリアについて記載する職務経歴書の形式です。直近の経歴やスキルについて採用担当者にアピールしやすいため、介護職の経験が長く、多くの経歴を持つ方におすすめです。
キャリア式
キャリア式は、時系列順ではなく業務内容や職種単位などでまとめる職務経歴書の形式です。そのため、自分が伝えたいキャリアやスキルをアピールしやすい形式と言えるでしょう。
数値や数字を盛り込んでできるだけ具体的に記載する
職務経歴書に業務内容を記載する際は、数値や数字を明記してできるだけ具体的に記載しましょう。「多くの方々と接する機会があった」「長年」といったあいまいな表現は避けてください。「従業員数20名」「勤続年数3年」といった明確な数字を盛り込んだ書き方をすると、より具体性が増します。
保有資格は取得した順に残さず記載する
保有している資格については、これまで取得したものを全て、取得した年月を忘れずに記載します。介護や福祉の資格以外にも、運転免許や教員免許といったプラスの印象を与える資格を取得している場合には記載するとよいでしょう。
自己PR・志望動機
自己PRでは、介護職として転職する上で、自信の強みとしてアピールできる経験や実績について記載します。「経験・実績・スキルの要約」「業務に対して取り組む姿勢」「今後描きたいキャリアプランやこれから実現したいこと」など、採用担当者からの共感が得られ、一緒に働くイメージを持ってもらえる内容を記載するとよいでしょう。
職務経歴書の書き方の見本
上述の内容を踏まえた職務経歴書の書き方の見本を編年式を用いて紹介します。初めて職務経歴書を作成する方や書き方に迷った方はぜひご活用ください。
経験職種① | 介護職 |
経験期間 | 2014年2月~2017年4月 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務先名 | 社会福祉法人 ○○福祉会
【事業内容】 |
職務内容 | ◆2014年2月~2015年7月 特別養護老人ホーム△△ Bユニット(入居者9名)の介護職員 日常の生活支援、食事・入浴・排泄等身体介護などの介護業務に従事、感染対策委員会所属。 【学んだ知識、習得スキル】 ◆2015年8月~2017年4月 【学んだ知識、習得スキル】 【取得した資格】 |
経験職種② | 介護職 兼 生活相談員 |
経験期間 | 2017年5月~現在 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務先名 | 株式会社◆◆
【事業内容】 |
職務内容 | ◆2017年5月~現在 デイサービスセンター◆◆ 世田谷店の介護職員 兼 生活相談員 介護業務、機能訓練指導補助、計画書作成、アセスメント業務、モニタリング業務、新規契約補助、送迎業務、施設長業務補助、介護技術指導に従事 【学んだ知識、習得スキル】 |
自己PR | 介護業務と生活相談員業務に7年10か月従事しました。個々の利用者様のニーズをどのように実現するとQOLを向上させられるのかのビジョンを描き、チームメンバーを巻き込んでそれを実践していく事の難しさと楽しさを学びました。今後は、社会資源である介護という仕事に対してたくさんの方が、今以上に魅力を感じていただけるようにしていきたいと考えています。地域やご家族を巻き込み、持続可能な目標を掲げ福祉業界の発展の一役を担えるように、より高みを目指して成長していきたいと思います。 |
職務経歴書の書き方でよくある質問
職務経歴書を作成する際によくある質問と回答について以下に記載します。職務経歴書の書き方で悩んだ際、ぜひ参考にしてください。
転職回数が多いときはどうすればポジティブな印象を与えられますか?
転職回数が多い場合には、キャリア式や逆編年式で自分が伝えたいスキルや経験をピンポイントでアピールするとポジティブな印象を与えやすいです。もしも経歴が多く長くなってしまう場合には、介護職以外の経験については勤務先名・在籍期間・職種などにまとめても問題ありません。そして、介護職に関する経験を職務経歴書の上部に記載して、経験について具体的に書いてアピールしましょう。
介護職の経験はパートのみでも職務経歴書に書くべき?
介護職の経験がパートやアルバイトのみの場合でも、しっかりと経歴として職務経歴書に書きましょう。なぜなら、介護職のパートやアルバイトの経験がある場合には、まったくの未経験の方よりもベースとなる経験を持っていると判断されます。それにより、採用担当者に「介護職や介護業界に理解がある」という好印象が与えられるでしょう。
働いていない期間があるが、そのことについて書く必要はある?
何らかの事情により働いていない期間がある場合、職務経歴書に特に記載する必要はありません。職務経歴書には、働いていた期間の経歴のみを記載すればOKです。介護職で働く方の中には、出産や子育てによってブランクがある場合も少なくありません。ブランクについて面接で質問された際に、受け答えできる準備ができていれば問題ないでしょう。
まとめ
職務経歴書は自分のスキルや経験をアピールできる重要な応募書類です。まずは書類選考に通ることが、理想の介護職の転職を実現するための第一歩です。今回紹介した書き方のポイントを押さえて、採用担当者にしっかりと自身の能力や魅力が伝わる職務経歴書をぜひ作成してくださいね。
株式会社spunto 代表取締役
事業内容:採用コンサルティング/介護事業者向けコンサルティング/福祉人材向け人材紹介 他
経歴:
大学時代からアルバイトしていた居酒屋に就職し5年間店長職として勤務。その後、営業職、介護タクシーと配食サービス事業者の企画室主任を経て、31歳から介護業界へ転身。介護士、介護主任、施設長、統括とキャリアを積み、経営企画室と採用責任者と施設長育成を担当。経営企画の一環で人材紹介部門を立ち上げ、キャリアアドバイザー兼事業責任者に従事したのち、「求職者」と「事業者」を結ぶ懸け橋になる『きっかけ』をつくる事に特化するために独立して現在に至る。介護士目線でのキャリアアドバイスと施設長や採用担当者目線での採用支援を信条に、自分が大好きな「福祉」の魅力をたくさんの人に感じていただきたいと日々精進中。
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