介護福祉職の人間関係~よくある悩みと解消法~

介護や福祉・医療の現場では、仕事柄さまざまな職種の方や、利用者、患者と毎日接します。中には、外部サービスとの連携のために、よく顔を合わせる人もいるでしょう。

このような環境から、苦手な人や会いたくない人がいることは、もはや当たり前のことなのかもしれません。そこで今回は、介護・福祉職の現場でよくある悩みと、その解消法についてご紹介します。

介護の職場の雰囲気や人間関係で悩む人の割合

公益財団法人社会福祉振興・試験センターがおこなった「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の就労状況調査(速報版)」)によると、介護福祉士として働いている人が、「職場の雰囲気や人間関係」が不満もしくはやや不満と回答した人の割合は計13.9%と項目別にみると少ないように感じますが、転職経験のある方が以前の職場を辞めた理由として一番多く挙げられているのが、この「職場の雰囲気や人間関係」で16.8%でした。

この他にも、現在は介護福祉医療分野から離れている人が、同分野に再就業する場合に最も重視する事として「職場の雰囲気や人間関係」を挙げた人の割合は21.6%と最も高い割合となりました。

介護・福祉業界での退職には、「人間関係」が深く関係していると言えるでしょう。

人間関係でよくあるケース

人間関係で悩んでいる人は非常に多く、その理由はさまざまです。

悩みの理由 具体的な例
仕事に対する熱量の違い まわりの人と同じレベルを強要される
経験年数が長い・年長者は優遇されるべきという思想 それに連動した言動や行動
新しいアイディアや意見を述べる機会がない 述べられる空気でない、受け止めてもらえない
利用者からの暴言や暴力・セクハラがあった 職場内で「仕方のないこと」とされる・相談できる相手がいない
利用者やその家族から実現不可能な要望を受ける 何度説明しても理解してもらえない
利用者やその家族から、明らかにこちらの非でないクレームを受ける 説明した上で仕方なく謝っても、金銭を要求された
プライベートで答えたくないような質問をされる
答えないとノリが悪いと言われ、仕方なく答えても周囲に拡散される

上記の表は、あくまでも一例です。周囲に相談しても解決されない場合は、ご自身の心身の健康を保つためにも、休職や転職を検討することをオススメします。

問題への対処方法

それでは次に、人間関係で悩んでいる場合の対処法を紹介していきます。特定の人との関係性に悩んでいる人は、以下の対象を試してみてください。

  • 上司や、信頼できる同僚に相談する
  • 無理に良好な関係を保とうとせず、少し距離をとる
  • 我慢しすぎない
それぞれ詳しく紹介していきます。

上司や、信頼できる同僚に相談する

職場内の人間関係で悩んでいるなら、まずは上司や信頼できる同僚に相談してみましょう。

特に、上司であれば、トラブル解決のアドバイスがもらえるだけでなく、原因となっている相手と関わりのない業務内容に変更してくれるかもしれません。

また、根本的な解決を望む場合は、直属の上司や自分と近い関係性の同僚に相談した方がいいでしょう。

無理に良好な関係を保とうとせず、少し距離をとる

どんな関係にも「合う・合わない」があります。

最低限の仕事上の関わりは断つことができませんが、無理に良好な関係を保とうとせず、少し距離を取ってみてはどうでしょうか。

「別に、この人から好かれなくてもいいや」という気持ちを持っているだけで、ストレスは軽減します。

我慢しすぎない

我慢しすぎないことも快適に働く上では、重要なポイントです。

「これ以上は我慢できない」と感じているのであれば、別の施設への異動を申し出てもいいでしょう。

また、心身に不調をきたしているようなら、求職や退職をして少し休養期間を設けることをオススメします。

まとめ

今回は、介護・福祉職の現場でよくある悩みと、その解消法についてお伝えしました。

人間関係に悩んでいる人は多く、まったくストレスを感じていない人は、むしろ少数派でしょう。

良好な人間関係を築くためには自分の行動を改める必要もありますが、パワハラやセクハラなど、こちらにまったく非がない場合もあります。周囲や上司に相談しても解決しない場合は、別施設への異動や転職も検討してみましょう。