【事業者向け】人材確保等支援助成金とは?介護福祉業界向けコースの詳細を紹介!

みなさんは、「人材確保等支援助成金」という制度をご存じでしょうか?人材確保等支援助成金とは、厚生労働省が人材の確保や定着を目的として行っている取り組みで、介護福祉業界で活用できるものもいくつかあります。そこで今回は、人材確保等支援助成金の概要や介護福祉業界に関連するコースを紹介します。

人材確保等支援助成金とは

2018年4月より厚生労働省が人材確保等支援助成金を開始しました。人材確保等支援助成金とは、魅力ある職場づくりのために労働環境の向上等を図る事業主や事業共同組合等に対して助成する取組みです。魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を促進することを目的としています。

この制度では、労働環境の改善や賃金アップなどの条件を満たした場合に事業者に対して一定の助成額が支給されます。また、生産性を向上させた事業所(生産性要件を満たす場合)については、助成金額や助成率が割増になることもあります。

人材確保等支援助成金は、事業対象者や目的により以下のコースに分けられています。

  • 雇用管理制度助成コース
  • 介護福祉機器助成コース
  • 中小企業団体助成コース
  • 人事評価改善等助成コース
  • 雇用管理制度助成コース(建設分野)
  • 若年者及び助成に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
  • 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
  • 外国人労働者就労環境整備助成コース
  • テレワークコース

※介護・保育雇用管理制度助成コース、設備改善等支援コース、働き方改革支援コースは令和2年度限りで廃止されました。(詳しくはこちら:厚生労働省 人材確保等支援助成金のご案内

介護福祉業界に関連のある人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金には事業内容や目的によって上記のコースがあります。ここでは、介護福祉業界に関連のあるコースについて詳しく解説します。

雇用管理制度助成コース

雇用管理制度助成コースは、雇用管理制度(諸手当制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度)の導入・実施を通じて従業員の離職率の低下に取り組む事業主に対して行う助成です。雇用管理制度の導入や離職率低下などの目標を達成することにより、57万円(生産性要件を満たすと72万円)の助成額が支給されます。

【主な要件】
・雇用管理制度の導入
・離職率目標達成

【離職率改善目標】

雇用保険被保険者数 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
離職率改善目標 15% 10% 7% 5% 3%

【助成金額】
目標達成で57万円(生産性要件を満たすと72万円)

介護福祉機器助成コース

介護福祉機器助成コースは、労働者の身体的負担を軽減することにより従業員の離職率の低下に取り組む介護事業主に対して行われる助成です。新たな介護福祉機器を導入し一定の離職率低下が認められた場合に、導入費用の20%(生産性要件を満たすと35%)が助成されます。

【主な要件】
以下の対象介護福祉機器の導入
・移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む)
・装着型移乗介助機器
・体位変換支援機器
・特殊浴槽

【離職率改善目標】※上限30%

雇用保険被保険者数 1~9人 10~29人 30~99人 100~299人 300人以上
離職率改善目標 15% 10% 7% 5% 3%

【助成金額】
目標達成で導入費用の20%(生産性要件を満たすと35%)※上限150万円

人事評価改善等助成コース

人事評価改善等助成コースは、生産性向上に資する人事評価制度を整備し、生産性の向上や賃金アップ、離職率の低下を図る事業主に対して行われる助成です。人事評価制度の整備・実施により定期昇給等のみによらない賃金制度を設け、離職率を低下させた場合に一定の助成額が支給されます。

【主な要件】
・従業員の賃金アップ(2%以上)を含む人事評価制度を導入

【離職率改善目標】※上限30%

雇用保険被保険者数 1~300人 301人以上
離職率改善目標 維持 1%以上

【助成金額】
目標達成で80万円

外国人労働者就労環境整備助成コース

外国人労働者就労環境整備助成コースは、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備(就業規則等の多言語化など)を通じて、外国人労働者の職場定着に取り組む事業主に対して行われる助成です。就業規則等の社内規程の多言語化や一時帰国のための休暇制度の整備などの就労環境整備措置を導入・実施し、外国人労働者の離職率が10%以下となった場合に一定の助成額が支給されます。

【主な要件】
・就労環境整備措置の導入・実施
(雇用労務責任者の選任、就業規則等の社内規程の多言語化、苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度の整備、社内マニュアル・標識類等の多言語化)
・離職率10%以下

【助成金額】
目標達成で支給対象経費の1/2(上限57万円)、生産性要件を満たした場合は2/3(上限72万円)

まとめ

この記事では、人材確保等支援助成金の概要や介護福祉業界に関わるコースについて紹介してきました。労働環境の改善による人手不足の解消が大きな課題となっている介護福祉業界では、人材確保等支援助成金等を活用した魅力ある職場づくりが事業継続の鍵となるでしょう。助成金の期間や条件については随時更新されていくので、事業者の方は厚生労働省のホームページをこまめにチェックしてくださいね。