【転職先を決めるポイントにも】企業が取得できる認定マークの種類

転職を検討し求人情報を見ていると、『〇〇マークを取得しています』といった文言を目にすることがありますよね。しかし、認定マークがどのような意味を持つのか、求職者にとってどんなメリットがあるのかを知らない人も多いでしょう。そこで今回は、企業が取得できる認定マークとその概要をざっくり紹介していきます。

※今回の記事で紹介している画像は、全て認定団体の公式サイトより引用しています。

くるみんマーク


画像の引用:厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

くるみんマークは、厚生労働省が「子育てサポート企業」として認定した証です。次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づき一定の基準を満たした企業は、申請を行うことでくるみんマークを取得できます。また、くるみん認定を受けた企業の中でもさらに高い水準で取り組みを行っている企業はプラチナくるみん認定を受けられます。

認定団体

厚生労働省

認定基準

  • 男性育休取得率が10%以上
  • 女性育休取得率が75%以上
  • 3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者の時短勤務 等

参考URL

厚生労働省 くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて

健康経営優良法人認定制度


画像の引用:経済産業省 健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度は、健康経営に取り組む優良な企業を経済産業省が顕彰する制度です。健康経営とは、「企業が従業員の健康に配慮することによって、経営面においても大きな成果が期待できる」というもの。

健康経営優良法人に認定されると、ロゴマークの使用が可能となり従業員や求職者、関係企業や金融機関などからの社会的評価の向上が期待されます。

認定団体

経済産業省

認定基準

  • 従業員の健康診断の実施(受診率100%)
  • ワークライフバランスの推進
  • 病気の治療と仕事の両立支援
  • 喫煙対策
  • 感染症対策 等

参考URL

経済産業省 健康経営優良法人認定制度

ユースエール認定制度


画像の引用:厚生労働省 ユースエール認定制度

ユースエール認定制度は、若者の採用推進・育成に積極的で雇用状況が優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。新卒者の離職率や残業時間、有給取得率といった働き方に関する基準を満たした中小企業(従業員300人以下)は、ユースエール認定マークを表示できます。このマークを持つ企業は、ワークライフバランスをとりやすく長く働ける環境が整っていると判断できます。

認定団体

厚生労働省

認定基準

  • 新卒者の離職率が20%以下
  • 正社員の月平均残業時間が20時間以下
  • 正社員の有給休暇取得日数が年10日以上または年平均取得率70%以上 等

参考URL

厚生労働省 ユースエール認定制度

えるぼし認定制度


画像の引用:女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」

えるぼし認定制度は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、女性の活躍を推進するための制度です。採用や継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの5項目のうち、基準を満たした数に応じて取得できる段階が決まります。また、えるぼし認定の基準をすべて高い水準で満たす企業は「プラチナえるぼし認定」を受けることも可能です。

認定団体

厚生労働省

認定基準

採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースに分かれています。

参考URL

女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」

安全衛生優良企業公表制度


画像の引用:厚生労働省 安全衛生優良企業公表制度について

安全衛生優良企業公表制度は、労働者の安全や健康を確保するための取り組みを積極的に行っている企業を認定する制度で、別名ホワイトマークとも言われます。求職者にとって安全で健康な職場が拡充することを目的に平成27年より開始されました。この認定を受けるためには、労働者の健康保持増進対策やメンタルヘルス対策、過重労働防止対策などにおいて高い水準で取り組んでいることが求められます。

認定団体

厚生労働省

認定基準

  • 安全衛生活動
  • 健康管理
  • メンタルヘルス対策
  • 過重労働防止対策
  • 受動喫煙防止対策 等

参考URL

厚生労働省 安全衛生優良企業公表制度について

新・ダイバーシティ経営企業100選


画像の引用:経済産業省 ダイバーシティ経営の推進について

新・ダイバーシティ経営企業100選はダイバーシティ経営(※)に取り組む企業を表彰する事業です。平成24年から令和2年までの9年間で282社が選定されました。この認定を受けた企業は、性別や年齢、国籍、働き方を問わず多様な人材を活かせる環境が整っています。

※ダイバーシティ経営とは
“多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営”

認定団体

経済産業省

認定基準

  • 復職者への支援
  • リモートワークや多様な休暇制度の導入
  • 外国人やシニアの積極的配置
  • 評価制度や柔軟な勤務体系の整備 等

参考URL

経済産業省 ダイバーシティ経営の推進について

なでしこ銘柄

画像の引用:経済産業省 女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」

なでしこ銘柄とは、女性活躍推進に優れた上場企業を魅力ある銘柄として紹介することで、企業への投資を促進するための取り組みです。経済産業省と東京証券取引所が共同で平成24年度より開始しました。この取り組みにより、企業活動におけるさらなる女性の活躍や管理職・役員登用の強化が期待されます。

認定団体

経済産業省、東京証券取引所

認定基準

  • 女性取締役の人数および比率
  • 全社的な環境・ルールの整備
  • 従業員の行動・意識改革 等

参考URL

経済産業省 女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」

エコ・ファースト制度


画像の引用:環境省 エコ・ファースト制度について

エコ・ファースト制度は、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策などの環境分野での取り組みを推進するための制度です。環境分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている企業として認定されるとエコ・ファースト・マークを使用できます。

認定団体

環境省

認定基準

  • 脱炭素社会や循環経済
  • 環境教育等に関する適切な目標を掲げていること

参考URL

環境省 エコ・ファースト制度について

DX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度


画像の引用:情報処理推進機構

DX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度とは、「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づく認定制度です。国が策定した企業経営における戦略的なシステム利用の指針を踏まえ、デジタル面での経営改革やデータ連携などを高い水準で取り組んでいる企業が認定対象となります。

認定団体

経済産業省

認定基準

IT/デジタル戦略を踏まえた経営ビジョンおよびビジネスモデルの方向性を公表していること

参考URL

情報処理推進機構

職業紹介優良事業者認定制度


画像の引用:厚生労働省委託事業 職業紹介優良事業者認定制度

職業紹介優良事業者認定制度は、一定の基準を満たした事業者を職業紹介優良事業者として認定する事業です。優良な職業紹介者の育成や業界全体の質の向上、求職者との適切なマッチングを狙いとして行われています。

認定団体

厚生労働省

認定基準

  • 経営の安定性
  • 法令の遵守
  • 業務の適正運営
  • 就職困難者への取り組み 等

参考URL

厚生労働省委託事業 職業紹介優良事業者認定制度

優良派遣事業者認定制度


画像の引用:厚生労働省委託事業 優良派遣事業者認定制度

優良派遣事業者認定制度は、派遣事業者を対象とした優良なサービスを提供している企業を認定する制度です。派遣社員のキャリア形成支援や労働環境の確保、トラブル防止など、派遣社員と派遣先の双方が安心してサービスを利用することを目的としています。

認定団体

厚生労働省

認定基準

  • 派遣社員への適性なフォローアップ
  • キャリアコンサルティング
  • 処遇向上等に関して一定の基準を満たしていること

参考URL

厚生労働省委託事業 優良派遣事業者認定制度

福利厚生表彰・認証制度

福利厚生表彰・認証制度は、福利厚生の充実・活用に力を入れている企業や団体を表彰する制度です。働きやすさにつながる福利厚生の充実度を客観的に評価する指針を示すことで、求職者に有益な情報を提供することを目的としています。

認定団体

福利厚生表彰・認証制度実行委員会

認定基準

  • 福利厚生に対する従業員ニーズを把握し満たしているか
  • 福利厚生費を有効に活用しているか 等

参考URL

福利厚生表彰・認証制度実行委員会

働きがい認定企業

福利厚生表彰・認証制度は、福利厚生の充実・活用に力を入れている企業や団体を表彰する制度です。働きやすさにつながる福利厚生の充実度を客観的に評価する指針を示すことで、求職者に有益な情報を提供することを目的としています。

認定団体

GPTWジャパン

認定基準

認定・ランキングにエントリーした企業へのアンケート調査において一定水準を超えること

参考URL

GPTWジャパン 働きがい認定企業

転職時には認定マークにも着目しよう

ここでは、企業が取得できる認定マーク・制度を13種類紹介しました。認定マークを取得していることは、その企業がある分野において高い水準で取り組んでいることを客観的に評価できる指標となります。転職時にはどの企業が優良なのか、自分の希望を満たしているのかわからないことも多いでしょう。そんなときは、ぜひ認定マークにも着目してみてください。