【企業インタビュー vol.3】社会福祉法人若竹大寿会

介護業界で転職を検討されている、介護業界に挑戦してみたいという方に向けてe介護転職に求人掲載中の企業へインタビューを実施しました。

第3弾となる今回インタビューを行ったのは、社会福祉法人若竹大寿会

1989年に特別養護老人ホームを50人に満たない組織でスタートさせました。2022年現在は横浜エリアを中心に、主に神奈川県内で29施設、約1,500名のスタッフで法人を運営しています。2023年4月にはもう1施設がオープン予定で30施設となる見込みです。

インタビューに答えてくださったのは・・・

社会福祉法人若竹大寿会
法人本部 採用センター 法人広報
センター長 前田 洋美 様

貴社のホームページを拝見すると、『職員一丸』や『職員みんなで』というワードが何度も出てきます。職員全員が同じ方向を見て支援を行えるよう、法人として心掛けていることを教えてください。

法人理念「若竹大寿会は、職員一丸となって人を幸せにします。人が大切にされる世の中を創ります。」に込められた想いをスタッフ一人ひとりが理解して、腑に落とすことが出来るようになるまで繰り返し伝えるということを心掛けています。
入社時研修の際は、理事長自らが自分の言葉で若竹大寿会が何を目的に設立されたのか、その目的を達成するために何を大切にしているのかということを伝えています。話を聞くスタッフの反応を見て、きちんと理解してくれているか確認しながら話を進めていくので、時間にすると少し長くなってしまうのですが、トップの想いが職員に伝わるとても重要な機会となっています。
入社時だけでなく、毎年一回は理念研修という機会を設け、自分たちが行う支援や業務は、法人理念と同じ方向を向いているかを確認するようになっています。

また、法人理念だけでなく職員の誓いというものも存在します。「私たちの目指すもの、それは自分自身が親にしてあげたいお世話、自分自身の子どもにひらきたい未来、自分自身が利用したいサービス」です。このように考えながら行動する癖付けをスタッフ一人ひとりが行えるようにも取り組んでいます。
何かうまくいかなかったときに、スタッフの口から自然と、「これって自分たちが受けたいサービスなのかな?」と出てくるくらい、明確な指標になっているんですよ。

若竹大寿会では『スタッフファースト』として、職員を大切にされている印象を受けました。具体的な取り組みを教えてください。

介護福祉の事業では、『利用者様ファースト』としている企業や法人が多いと思います。若竹大寿会も元々は『利用者様ファースト』を掲げていたのですが、利用者様を幸せにするためには、支援を行うスタッフが幸せでないといけないよね、ということで、法人としてはスタッフを一番大切にするべく、『スタッフファースト』を掲げるようになりました。

具体的な取り組みとしては5つあります。

1つ目は研修
入社時研修からスタートして、フォローアップ研修やOJTを通して仕事が一人でできるようになるまでじっくりと先輩社員がフォローする文化が根付いています。
また、国家資格である介護福祉士の取得を目指すためのプランが用意されており、法人が運営するケアカレッジ横浜で介護福祉士実務者研修を受講することが出来たり、介護福祉士の受験対策講座や模擬試験を無料で受けられるようになっていたりするので、未経験で入社した方でも、3年で介護福祉士が取得できるようになっているんです。
こうした支援が功を奏し、法人の介護福祉士保有率は70.2%と、全国平均55%と比較すると高水準なんです。もちろん、介護支援専門員や認知症に関する資格の取得も支援しています。

2つ目はアプリの導入
アプリとは、職員間の情報共有を促すためのツールで、自身が勤める施設の情報だけでなく、他所の情報を得ることも出来るようになっています。例えば、「今日は利用者様にネイルを施しました」や、「コロナ禍ではありますが感染対策をしっかりとした上で、職員同士の食事会を実施しました」などの情報を共有することが出来ます。もちろんコメントを付けることも可能で、「うちの事業所でも参考にします」であったり「どこのお店のテイクアウトを利用したの?」なんてフランクな会話が出来ようにもなっているので、職員からの評判もいいんです。

3つ目はスタッフ懇親会
2つ目のアプリの紹介でも出てきた通り、コロナ禍でも窓を開けたり、食事をする時と会話をする時とで、マスクを着脱するなど、感染対策をばっちりとした上で、施設の中でスタッフ同士が食事会を行う機会を設けています。飲食代は法人負担で、職員負担はありません。そのため、食べてみたかったお店のテイクアウトを頼んだり、UberEatsを利用したりと、職員からも好評です。
また、法人として契約している有料版のZoomを職員に開放して、オンライン飲み会なども自由に出来るようにしています。「同期と久しぶりにオンライン飲み会したよ」なんて声も多く、コロナ禍でもスタッフ同士のコミュニケーションが育まれています。

4つ目はストレスチェック
定期的にスタッフ一人ひとりに実施していて、外部のアドバイザー監修のもと、働きやすい職場づくりを行うためにどんなことが必要なのかを考える機会を設けています。
施設によって課題が見えてくることもあるので、管理者が別の施設の管理者に改善案を求めて実際に改善に向けた取り組みを行うなど、常にスタッフのことを考えています。

5つ目はハラスメント研修
もちろん、運営していく中で全く問題が起きたことがないとは言いません。良かれと思って伝えたことが、受け取る側からすると威圧的な印象を受けて不快だったとか、そういった小さなズレはどうしても生じてしまいます。そうなってしまった原因をしっかり調査するために、内部及び外部の専門家にアドバイスを受けて、今後はそういった問題が起きないように、改善策を考えています。

この他としては、ICTを導入したことにより業務改善に繋がって、特別休暇が1日多くなったことなどがありますね。

今お話しが出たように、ICT化を推進していたり、「わかたけケアラボ」という取り組みも行っていますよね。

介護業界は人材確保が本当に難しいのと、スタッフが活き活きと働く環境をつくりたいという想いから「わかたけケアラボ」が始まりました。
品質向上に関する様々な企業の取り組みを見ていく中で、トヨタの生産方式が若竹大寿会には一番合っているのではと考え、2016年5月から、7ヶ月間、コンサルの方に入っていただき備品の整理やスタッフ導線の確保、支援一つひとつの無駄を省くことなど細かなことまで業務改善を実施しました。その結果、例えば食事介助に係る業務時間を36%も削減した事業所が出たりなど、大きな効果が得られたんです。
こうして、法人全体にこのメソッドを拡げていく事で、全体的な業務時間を削減することにも成功しました。そのため、この改善できた分の時間をスタッフに還元しようということで「記念日休暇」という特別休暇が新たに導入されたんです。

ICT化という点では、厚生労働省のパイロット事業である実証実験に参加して、スマホで介護記録などを一元管理するツールを、実際に介護で利用する立場から使いづらい部分などを意見して、より良いものを製作しました。
これにより、記録にかかる時間を削減出来たのはもちろんのこと、申し送りに係る時間も削減できたこともあり、スタッフの業務負担は大きく軽減されました。
また、夜勤時の業務負担を軽減するための見守りセンサーであったり、職員の腰痛防止のための機械などを導入するなど、ICT化をどんどん推し進め、現在では法人全体で57種類781台の機器を導入しています。

働き方改革や多様な働き方を受け入れる取組みとして、法人が独自に行っていることはありますか?

少しずれてしまうかも知れませんが、若竹大寿会では『グレード制』を導入していて、給与が上がる条件や役職が上がる条件を明確化しています。これまでは、どうしてあの人が昇級したのか、自分は何をすれば給与が上がるのかが分からないスタッフもいたのですが、今自分はどのグレードにいて、何をすればグレードが一つ上がるのかの条件が誰でも理解できるようになりました。
また、2~3年後のキャリアを考えるキャリアデザイン面談の機会を半年に1度設け、社員個人の描くキャリアを実現するための支援も行っています。

女性管理職の比率も高いことも特徴です。若い内から管理者になる女性もいたり、お子さんを出産して戻ってきて現在は管理者として働いている方もいらっしゃいます。
私の経験談ですが、子どもが出来たときも周りのスタッフが一緒に喜んでくれたり、保育園から連絡があって、「お迎えに来てください」と言われたので、一つ仕事を終えてから帰ろうかなと考えていると、「保育園からでしょ?仕事の代わりは誰でも出来るけど、お母さんの代わりはいないんだから、早くお迎えに行きな!」と言ってくれたり、周りが自然とサポートしてくれる環境があるなと感じましたね。

テーマからはそれてしまいますが、若竹大寿会は、「食」にとても力を入れています。スタッフはご利用者様と同じ食事が一食350円で食べることが出来るのですが、管理栄養士さんが栄養バランスを考えて作っている食事が休憩時などに食べられるので、職員からも好評です。

通常のスタッフ食の一例

行事食の一例

理事長は常々、スタッフは身体が資本だからとスタッフの体調を気遣っています。その為、食事だけでなく職員休憩室の内装にもこだわっていたり、マッサージチェアを置いたりと、そういった部分では働きやすい環境整備に力を入れていると言えると思っています。

研修制度が整っていると感じますが、若竹大寿会の特徴はありますか?

ケアカレッジ横浜での介護福祉士実務者研修や、介護福祉士受験対策講座、模擬試験の実施、フォローアップ研修など前述した研修以外にも様々な研修制度を用意しています。
例えば、役職別研修では、初めてリーダーになるスタッフ向けの研修の講師を、現職のリーダーが行ったりしています。実際の経験談から課題になりそうなこと、どのように改善したのかなどの話を聞くことが出来るのでより実践的です。
また、与えられる研修だけでなく、受けてみたいと思った研修は、申請すれば基本受けることが出来るのも特徴です。私は何度か申請しましたが、全て受講することが出来ました。

介護業界で転職を検討されている方や、介護の世界に飛び込んでみようという方に向けてメッセージをお願いします!

まずは若竹大寿会に見学にいらしてください!介護業界に対して抱いているイメージが変わるんじゃないかな、と思います。
もちろん楽な仕事ではないですが、介護は究極のサービス業だと思っていて、目の前の利用者様が直接「ありがとう」と言ってくれたり、感謝の気持ちを感じることが出来る、働きがいのある仕事ですよ。
また、国家資格である介護福祉士を働きながら取得することも出来るので、何かのプロを目指したい方にもおすすめです。
皆さんと会えるのを楽しみにしています。

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