放課後等デイサービスとは?対象者やサービス内容、利用までの流れを徹底解説!

放課後等デイサービスは、障害や特性のある就学児が放課後や夏休みに利用できる通所型サービスです。個別の発達支援や集団活動を通して、お友達と関わったり日常生活で必要なスキルを習得するための訓練を行ったりします。
そんな放課後等デイサービスですが、具体的にどんなことをする施設なのか知らない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、放課後等デイサービスの対象者やサービス内容、利用方法について紹介します。

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、2012年に児童福祉法に位置づけられた福祉サービスのひとつです。障害や特性を持つ就学児に対し、放課後や夏休みの期間を利用して生活能力の向上のために必要な訓練や社会との交流の促進などのサポートを提供します。
学校や家庭以外の居場所やお友達を作ることで家庭のサポートにも寄与することから、障害児の学童と呼ばれることもあります。厚生労働省によると放課後等デイサービスの利用者児童数は年々増加しており、令和元年度では約22.7万人が利用しています。

参考:厚生労働省放課後等デイサービスの現状と課題について
参考:厚生労働省障害児通所支援の現状等について

放課後等デイサービスの対象者

放課後等デイサービスの対象者は、「学校教育に規定する学校(幼稚園、大学を除く)に就学している障害児」と定められています。年齢でいうと6~18歳が対象となります。ただし、高校卒業後も放課後等デイサービスでの支援が必要であると判断された場合には、満20歳まで利用することができます。障害手帳や療育手帳などは必須ではなく、発達の特性について医師の診断書があれば利用できます。

参考:厚生労働省援護局 傷害保険福祉部 障害福祉課児童福祉法の一部改正の概要について

放課後等デイサービスの役割

厚生労働省のガイドラインによると、放課後等デイサービスの主な役割は以下の3つです。

  • 子どもの最善の利益の保障
  • 共生社会の実現に向けた後方支援
  • 保護者支援
放課後等デイサービスは、ひとりひとりのケースに合わせた支援を行うことにより、子どもたちにとって最善の利益を保証する役割を担っています。社会とのつながりを持つための訓練や生活能力を向上するための訓練を通し、それぞれが健やかに成長できることを目指します。また、障害を持つ子どもの親がゆとりと自信を持って過ごせるよう、子育ての悩み相談や一時的な代行ケアを提供する側面も持っています。

参考:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン

放課後等デイサービスのサービス内容

放課後等デイサービスでは、障害や特性のある子どもが将来自立して生活できるよう、能力を高めるための訓練や社会との交流を通してサポートを行います。厚生労働省のガイドラインでは、主なサービス内容として以下の4つが定められています。

自立支援と日常生活の充実のための活動

子どもの発達に応じて必要となる、基本的日常生活動作を支援するための活動です。たとえば、学習のサポートや時間・持ち物の管理、基本的なコミュニケーションなどを習得するためのサポートを行います。成功体験を積み重ねることで自分でできるようになったり、サポートが必要なときは自分で頼むことができるようになったりすることを目指します。この際、本人が混乱しないよう学校と放課後等デイサービスとの一貫性に配慮しながら支援を行います。

創作活動

工作や集団での制作、ゲ―ムなどのプログラムを通じ、学習面とは異なるアプローチで表現する喜びを体験できるようにします。自然に触れる機会を設けることで、季節の変化や他者との交流など豊かな感性を培うことが期待されます。

地域交流の機会の提供

障害や特性によって子どもの社会生活や経験が制限されてしまわないように、事業所以外の地域交流にも参加します。地域のイベントに参加したり他の施設と合同でイベントを行ったりすることにより、多くの人と交流しながら社会経験の幅を広げていくのが主な狙いです。

余暇の提供

休日や長期休暇を利用して外出をしたりイベントを行ったりすることもあります。遊びや余暇の楽しみ方を子ども自身が選択し取り組む経験を積んでいくために、ゆったりとした雰囲気の中で行われます。

なお、放課後等デイサービスには療育型や生活型、預かり型などさまざまなタイプがあり、具体的なサービス内容も施設によって異なります。より詳細を知りたい方は各施設に確認してみましょう。

参考:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン

放課後等デイサービスの提供者

放課後等デイサービスでサービスを提供するのは児童指導員や保育士、児童発達支援管理責任者、技能訓練担当職員などです。以前は国や自治体による基準がありませんでしたが、現在は児童発達支援管理責任者の配置や指導員・保育士の必要人数が定められています。加えて、常時見守りが必要な子どもへの支援等のために、必要に応じて人員配置基準を上回って配置する施設もあります。重症心身障害児に対してサービスを行う場合は、医療的ケア等の体制を整えるために嘱託医や看護師、リハビリ専門職なども配置します。

参考:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン

放課後等デイサービスの利用料金

放課後等デイサービスは、自治体が発行する受給者証を取得していれば原則1割負担で利用できます。具体的な金額は自治体によって異なりますが、目安としては1回あたり1,000円前後で利用できることが多いです。

なお、自己負担は世帯所得に応じて4区分の上限額が決められており、ひと月に利用したサービス量にかかわらずそれ以上の負担は生じません。ただし施設によっては学習代やおやつ代など別途料金がかかることもあります。

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1

市町村民税課税世帯(所得割28万円(注)未満) 通所施設、ホームヘルプ利用の場合 4,600円
入所施設利用の場合 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

※収入が概ね890万円以下の世帯が対象となります。
引用:厚生労働省障害児の利用者負担

この他、自治体によって独自の助成金を受けられる場合もあります。詳しくはお住まいの市町村窓口にお問い合わせください。

放課後等デイサービスを利用するには

放課後等デイサービスは、自治体から受給者証の交付を受けたあと施設と利用契約を結ぶことにより利用できるようになります。必要な手続きの流れは以下の通りです。

     

  1. 利用の相談(市町村窓口や障害児相談支援事業所など)
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  3. 施設の見学
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  5. 障害児支援利用計画案の作成
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  7. 申請書の提出
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  9. 審査結果を待つ
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  11. 受給者証の交付
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  13. 施設との利用契約を結ぶ
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  15. 利用開始
手続きの詳細や必要な書類などは自治体によって異なります。まずは市町村の福祉相談窓口や放課後等デイサービス、障害児相談支援事業所などに利用したい旨を相談してみましょう。

まとめ

放課後等デイサービスは、障害や特性のある就学児が日常生活に必要なスキルを習得したり地域交流をしたりするための支援です。学校や家庭以外に居場所を作ることは、子どもだけでなく家族への社会的支援にもつながります。お子さまの成長を安心して見届けるために、育児や学校生活での不安や困りごとを抱えている方は、ぜひ放課後等デイサービスの利用を検討してみましょう。