介護職からのキャリアアップを考えたときに、ケアマネジャー(介護支援専門員)や計画作成担当者が思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
- 計画作成担当者とケアマネジャーの違いは?
- 計画作成担当者の仕事内容は?
- 計画作成担当者が働く場所は?
- 計画作成担当者になるには?
今回は、計画作成担当者とケアマネジャーの違いや、計画作成担当者の仕事内容、働く場所、必要な資格について詳しく解説します。
記事でわかること
計画作成担当者(施設ケアマネジャー)とは
計画作成担当者とは、施設に入所する介護が必要な高齢者のケアプランを作成する職種のことで、『施設ケアマネジャー』や『施設ケアマネ』と呼ばれることもあります。
計画作成担当者(施設ケアマネジャー)の仕事内容
計画作成担当者の仕事内容は、入居者やそのご家族に対するヒアリングやアセスメントを行い、ケアプランを作成することです。ケアプランは1度作成したら終わりではなく、モニタリングを行いながら定期的に目標の見直しなどを行います。
また、同一施設内で他の職種を兼務する例もあり、その場合は入居者の身体介助をしたり、これから入居される高齢者の受入れ対応などを行ったりすることもあります。
計画作成担当者(施設ケアマネジャー)とケアマネジャーの違い
計画作成担当者とケアマネジャーの仕事内容は似ているものの、いくつかの違いが存在します。
計画作成担当者 | ケアマネジャー | |
資格の有無 | 無資格OK | 介護支援専門員必須 |
プラン作成の対象者 | 施設入居者 | 介護サービス利用者 |
まず、ケアマネジャーは介護支援専門員資格が必須であるのに対し、計画作成担当者は資格のない方でもなることができる職種です。しかしながら、業務内容がケアプランの作成であることで、雇用者は介護支援専門員資格を保有している方を募集するケースが多いです。
また、計画作成担当者が施設に入所する高齢者のケアプランを作成するのに対し、ケアマネジャーは介護サービスの利用全体にかかるケアプランを作成します。
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計画作成担当者(施設ケアマネジャー)が働く場所
計画作成担当者の配置が義務付けられているサービスについてそれぞれ詳しく見てみましょう。
グループホーム
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは、認知症を患う高齢者が共同生活を送る施設で、少人数で家庭的な雰囲気であることが特徴的です。
認知症介護実践者研修を修了した計画作成担当者を1ユニット(5~9名)ごとに1名配置する必要があります。小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護とは、利用者が「訪問」介護を受けながら、「通い」と「泊まり」のサービスを利用する施設です。
介護支援専門員資格を持ち、認知症介護実践者研修及び小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修を修了した介護支援専門員を事業所(29名以下)ごとに1名以上配置することが義務づけられています。
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地域密着型介護老人保健施設
地域密着型介護老人保健施設とは、病院を退院した高齢者が、自宅での生活に戻るためのリハビリや心身の機能維持を行う施設です。
計画作成担当者として、介護支援専門員資格保有者を施設(29名以下)ごとに1人以上配置することが義務づけられています。
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地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護とは、指定を受けた入居定員30名未満の有料老人ホームや軽費老人ホームなどのことを指します。
計画作成担当者として、介護支援専門員資格保有者を施設(29名以下)ごとに1人以上配置することが義務づけられています。
計画作成担当者(施設ケアマネジャー)になるには
介護サービスによっては受講が必要な研修や資格はあるものの、計画作成担当者として必要な資格はありません。
しかしながら、ケアプランの作成など知識や経験が必要な業務がメインとなることから、実際にはケアマネジャーの資格を持っていることを前提とした人員募集が多いことも事実です。
そこで今回は、ケアマネジャーになるための方法をご紹介します。
介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)に合格する必要があります。今回は東京都の例を参考に、試験について詳しく見てみましょう。
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格として、国家資格に基づく業務従事経験及び特定の施設における相談援助業務従事経験が通算して5年以上あり、且つ当該業務に従事した日数が900日以上ある必要があります。
また、これらの業務内容は、要援護者に対する直接的な対人援助業務として明確に位置付けられている必要もあります。
- 特定施設入居者生活介護における生活相談員業務
- 地域密着型特定施設入居者生活介護における生活相談員業務
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護における生活相談員業務
- 介護老人福祉施設における生活相談員業務
- 介護老人保健施設における支援相談員業務
- 介護予防特定施設入居者生活介護にいける生活相談員業務
- 計画相談支援における相談支援専門員業務
- 障害児相談支援における相談支援専門員業務
- 生活困窮者自立相談支援事業における主任相談支援専門員業務
試験概要
介護支援専門員実務研修受講試験は、年に1度実施されます。
試験の出題形式は五肢複択方式(マークシート)で行われ、問題数は60問(介護支援分野25問、保険医療福祉サービス分野35問)、試験時間は120分です。
厚生労働省「第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」によると、全国における受験者数は54,406名、合格者は10,328名と、合格率は19.0%であったことが分かります。
介護支援専門員実務研修を修了する
介護支援専門員実務研修受講試験に合格しただけでは、ケアマネジャーとして働くことはできません。介護支援専門員実務研修(87時間)を修了し、資格登録と資格証の交付申請を行う必要があります。
5年ごとに介護支援専門員更新研修を受講する
ケアマネジャーであり続けるためには、5年毎に更新研修または専門研修を受講する必要があります。
更新研修と専門研修のどちらを受講するかは、実務に従事しているかいないか、要件を満たしているかなど細かく定められていますので、より詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。
パート・アルバイトでも計画作成担当者(施設ケアマネジャー)になれる?
計画作成担当者は、サービスによって常勤でなければならない、非常勤でも良いという基準が分かれています。
サービス | 勤務形態 |
グループホーム | 非常勤でも良い |
小規模多機能型居宅介護 | 非常勤でも良い |
地域密着型介護老人保健施設 | 常勤でなければならない |
地域密着型特定施設入居者生活介護 | 非常勤でも良い |
計画作成担当者(施設ケアマネジャー)は他の職種と兼務可能?
計画作成担当者は、業務に支障がない範囲で同一施設・事業所内の他の職種と兼務することが可能です。
計画作成担当者のお仕事をこれから探そうと考えている方は、その施設がどのような運営体制を取っているかを確認する必要があるでしょう。
まとめ
今回は、計画作成担当者とケアマネジャーの違いや、計画作成担当者の仕事内容、働く場所、必要な資格について詳しく解説しました。
施設における利用者のケアプラン作成には、知識や経験が必要となるためまずはケアマネジャーの資格を取得し、経験を積み重ねてみてはいかがでしょうか。
参考
- 厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の報酬・基準について(検討の方向性)」
- 公益財団法人東京都福祉保健財団「令和4年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験 受験資格について「別表1に定める国家資格等に基づく業務に従事する者」別表1」
- 厚生労働省「第25回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」
- 東京都福祉保健局「介護支援専門員の資格及び研修の体系」
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