医療事務とは?具体的な仕事内容や民間資格の違い、働くメリットなどを詳しく解説!

医療事務とは?具体的な仕事内容や民間資格の違い、働くメリットなどを詳しく解説

事務職としてのお仕事を探す中で、医療事務の仕事に興味を持つ方もいるのではないでしょうか?

  • 医療事務とは?
  • 医療事務の仕事内容は?
  • 医療事務の資格の違いは?
  • 医療事務として働くメリットとは?

今回は、医療事務の仕事内容や複数ある民間資格の違い、働くメリットについて詳しく解説します。

医療事務とは

医療事務とは、病院や診療所・クリニックの受付で患者の窓口対応や診療報酬請求事務を行う職種です。

医療事務について女性が多いイメージを持つ方が多いかと思いますが、病院などの規模が大きい医療機関やクリニックにおいては男性の医療事務も多く活躍しており、男女問わず人気の職種ということが出来るでしょう。

医療事務の仕事内容

医療事務の仕事内容は、大きく以下の4つに分けられます。

  • 受付・会計業務
  • レセプト作成(診療報酬請求)業務
  • 入院手続き
  • クラーク業務

それぞれ詳しく見ていきましょう。

レセプト作成(診療報酬請求)業務

医療事務の仕事の中で最も重要であるのが、レセプト作成(診療報酬請求)業務です。

レセプトとは「診療報酬請求明細書」のことで、患者が診察や治療を受けて発生した料金の患者自己負担分を除いた分を、毎月初めに国民健康保険団体連合会(国保連)や社会保険診療報酬支払基金に提出します。提出したレセプトの内容に誤りがあるとこれらの機関から返戻され、内容を修正して再度提出する必要があります。

診療報酬の請求は病院やクリニックを運営を行うにあたって重要な業務となるため、間違いがないかしっかりと確認する必要があります。

受付・会計業務

外来の場合、患者が来院したときに診察券を預かったり、主訴を尋ねる受付業務を行うこと、診察や治療が終わった後の会計業務を行うことも医療事務の仕事です。多くの方がイメージする医療事務の仕事内容ではないでしょうか。

受付業務では来院患者のカルテ出し、会計業務では医師が診察・治療時に入力したカルテの内容を確認してこれらを点数化し患者の自己負担額を計算します。

昔は紙で計算していたこともあったこれらの業務ですが、最近では電子カルテの導入が進んでおり、機械が自動で計算してくれることが一般的になってきました。しかしながらその内容に誤りがないかきちんとチェックすること、同時算定できないものが紛れていないか確認することなどが大切です。

入院手続き

患者が入院する場合、入院についての説明を行うことも医療事務の仕事の一つです。

医療事務にとっては毎日の業務でも、患者本人および付添い人は入院することに対して仕事や学校はいつまで休まなければならないのか、料金はいくらぐらいかかるのかなど、不安を感じているケースが多いので、これらについて丁寧な説明をするように心掛けましょう。

クラーク業務

医師の中には、自分で電子カルテへの入力をせず医療事務に入力を任せている先生もいます。患者と向き合う時間を増やしたい、一人ひとりの患者を見る時間をしっかり保ちたい、電子カルテの入力が苦手など理由は様々ですが、この場合、医師の発言をしっかり聞き取り、カルテ入力を代行します。

診療・治療内容や処方する薬を誤ってしまわない様、普段から医師との信頼関係を構築し、ミスのないよう気をつける必要があります。

医療事務はアルバイト・パートでもOK?

医療事務は、正社員だけでなくアルバイトやパート職員も多く活躍している職種です。

午前診療だけを担当してくれるスタッフを募集していたり、診察時間の長いクリニックでは夕方以降の時間を任せることができるスタッフを求めてたりなど、アルバイト・パートを積極的に募集している医療機関も多くあります。

介護施設や事業所で働く介護事務のお仕事も

医療事務は病院や診療所・クリニックでの受付や診療報酬請求事務を行うお仕事ですが、この他にも医療福祉部門における事務のお仕事が存在します。

調剤薬局での受付や調剤報酬請求事務を行う「調剤事務」、介護施設や事業所で来客対応や介護報酬請求事務を行う「介護事務」です。

どこで働きたいか、どんな人達と一緒に働きたいかということをイメージしてあなたに合った事務のお仕事を探してみても良いかもしれませんね。

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医療事務資格について

医療事務になるために必要な資格は特にありませんが、レセプト作成(診療報酬請求)業務についてはある程度の知識を必要とします。

未経験OKとされている職場でも、知識がある方が優遇される場合もありますので、せっかく勉強をするのであれば、民間資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

医療事務資格は全てが民間資格で複数の運営機関が試験を実施しています。代表的な資格を紹介しますので詳しく見ていきましょう。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))とは、一般財団法人日本医療教育財団が昭和49年度から認定する歴史の長い民間資格です。

公益社団法人全日本病院協会と事業連携を行っており、医療事務関連試験のスタンダード試験として評価され、ユーキャンなどの通信講座でも取り入れられています。なお、通信講座または通学講座を受講して試験に合格した場合は、雇用保険の教育訓練給付金制度の利用が可能です。

試験は毎月実施され、在宅で受けることが可能です。試験内容は以下の通りで受験料は7,700円です。

試験内容

  1. 実技Ⅰ:患者接遇についての記述問題(2問)
  2. 学科 :医療事務知識について択一式問題(25問)
  3. 実技Ⅱ:診療報酬請求事務、診療報酬明細書点検(4問)

全ての科目において得点率が70%を超えた時点で合格となります。

また、合格できなかった場合でも3科目全てを受験した上で得点率70%を超えた科目については6ヶ月に限り受験が免除される、試験科目免除制度も設けられています。

参考:一般財団法人日本医療教育財団「技能審査認定 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))」

医療事務技能認定試験

医療事務技能認定試験とは、株式会社技能認定振興協会が認定する民間資格で、医療事務を目指すにあたって理解しておくべき基本的事項や算定ルール及び要件の理解度を評価・認定する試験です。

現在はインターネットで受験者の好きなタイミングで受験することが可能です。試験内容は学科40問、実技試験10問の計50問で、回答方法は全て択一式です。受験料は5,000円で、70%以上の得点を取ることでその場で合否が分かるようになっています。

参考:株式会社技能認定振興協会医療事務技能認定試験

医療事務管理士

医療事務管理士とは、株式会社技能認定振興協会が認定する日本で最初の医療事務として生まれた民間資格で、同協会の医療事務技能認定試験が医療保険制度や診療報酬算定の基礎的知識を有していることを証明するのに対し、この試験ではこれらの知識をもってカルテから正しくレセプトを作成することができるエキスパートであることを認める試験となっています。

試験は会場試験と在宅試験を選択することができ、毎月行われます。試験内容は学科10問、実技3問の計13問で、いずれもマークシート形式で実施されます。受験料は7,500円で、合格率は50%程度とされています。

参考:株式会社技能認定振興協会医療事務管理士(R)技能認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務能力認定試験とは、公益財団法人日本医療保険事務協会が認定する民間資格で、医療保険制度から診療報酬などの基礎知識、医学・薬学の基礎知識、介護保険制度の知識など、診療報酬以外にも体系的に様々な範囲を網羅的に勉強して試験に挑む必要があります。

試験は年に2回(7月・12月)に実施され、受験料は9,000円です。学科試験は100点満点中75点以上、実技試験は98点満点中85点以上取ることで合格となります。2022年12月11日に行われた第57回の試験での合格率は36.1%であったことから、他の試験と比較すると合格率が低いことが分かります。

参考:公益財団法人日本医療保険事務協会診療報酬請求事務能力試験の概要

医療事務認定実務者(R)試験

医療事務認定実務者(R)試験とは、全国医療福祉教育協会が認定する民間資格で、医療事務に関する基礎知識と外来症例を想定したレセプト作成など、医療事務の実務における基本習熟度を客観的に判断する試験となっています。

試験は毎月実施され、在宅で受験することが可能です。受験料は5,000円で、学科と実技それぞれの正答率が6割以上で合格となります。なお、合格率は60~80%を推移しているようです。

参考:全国医療福祉教育協会医療事務認定実務者(R)試験とは?

医療事務として働くメリット

医療事務の仕事内容や、資格は必須ではないものの診療報酬の知識が必要であり、複数の民間資格があることが分かりましたが、どうして医療事務の仕事が人気なのでしょうか?

医療事務として働くメリットについて詳しく見ていきましょう。

日本全国どこでも働くことができる

冒頭でも触れましたが、医療機関は日本全国に存在しているので、生活環境が変わっても知識や経験を活かしてどこでも働くことができます。

子どもの成長に合わせて自宅から近い職場を探したり、引っ越し先でも職場を探しやすいなどのメリットがあります。

医師や看護師でなくても患者と接することができる

医師や看護師といった国家資格を持っていなくても、医療機関において患者と接することができるというのも医療事務の仕事の魅力の一つです。

体調不良やケガを負って不安に感じている患者さんがまず接するのは医師でも看護師でもなく医療事務であることが多く、患者の気持ちに寄り添い不安を少しでも和らげることが医療事務の仕事の醍醐味とも言えるでしょう。

医療についての知識が身に付く

医療事務として働くことで、診療報酬の仕組みはもちろん。診療行為や処置の内容など、医師や看護師レベルと言わないまでもある程度の知識を身につけることが出来ます。

また、診療報酬は2年に1回改正されるため働きながら知識をアップデートする必要もあり、常に新しい情報を吸収することが重要となります。

ルーティンワークだけでなく、勉強しながら働きたいという方にはぴったりのお仕事と言えるでしょう。

>まとめ

今回は、医療事務の仕事内容や複数ある民間資格の違い、働くメリットについて詳しく解説しました。

医療事務の仕事を行う上で、特に診療報酬についての知識は必ず必要であると言えます。医療事務に興味を持った方は、勉強してみてはいかがでしょうか。

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