障害者グループホームとは?【働きたい方向け】サービス内容や人員基準、働くメリットについて詳しく解説!

障害者グループホームとは?【働きたい方向け】サービス内容や人員基準、働くメリットについて詳しく解説!

障害者の住まいとして年々利用者が増加し、需要が高まっている障害者グループホーム(共同生活援助)ですが、提供しているサービスの内容や人員基準などについてご存じない方も多いのではないでしょうか。

  • 障害者グループホーム(共同生活援助)とは?
  • 障害者グループホーム(共同生活援助)の役割は?
  • 障害者グループホーム(共同生活援助)の人員基準は?
  • 障害者グループホーム(共同生活援助)で働くメリットは?

今回は、障害者グループホームのサービス内容や人員基準、働くメリットについて詳しく解説します。

認知症高齢者向けのグループホームについての記事はこちらです。
【高齢者向け】グループホームとは?サービス内容や人員基準、利用する場合の流れについて詳しく解説! 【高齢者向け】グループホームとは?サービス内容や人員基準、利用する場合の流れについて詳しく解説!

障害者グループホーム(共同生活援助)とは

障害者グループホーム(共同生活援助)とは、障害者が地域住民との交流が確保される家庭的な雰囲気の中で共同生活を営むことを目的とした障害者総合支援法におけるサービスです。

障害者グループホームには種類があり、介護サービス包括型、日中サービス支援型、外部サービス利用型に分類することができます。どの種類においても、以下のようなサービスを提供しています。

  1. 夜間における食事・入浴・排泄等の身体介護
  2. 相談援助などの日常生活支援
  3. 利用者の就労先や日中活動サービスとの連絡調整などの社会生活上の援助

では、それぞれにどのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

介護サービス包括型

介護サービス包括型の障害者グループホーム(共同生活援助)とは、障害者グループホームの中で最も利用者が多く、主に夜間における食事や入浴等の支援や相談などの日常生活における支援を事業所の職員が提供するサービスです。

利用者は、就労継続支援(A型・B型)事業所で就労したり、生活介護を利用したりして日中を過ごしています。

日中サービス支援型

日中サービス支援型の障害者グループホーム(共同生活援助)とは、夜間だけでなく日中における支援も事業所の職員が提供するサービスです。

常時介護が必要な方が利用者に多いのが特徴的で、他の種類の障害者グループホームと比較すると、事業所数、利用者数ともに少ないことが分かっています。

外部サービス利用型

外部サービス利用型の障害者グループホーム(共同生活援助)は、介護サービス包括型と似ていますが、介護が必要な方に対する支援は事業所の職員ではなく外部の居宅介護事業所に委託されていることが特徴です。

対象者

障害者グループホームは、障害支援区分に関わらず以下のような障害者の方が利用することができます。

  1. 一人暮らしに不安があるものの、住み慣れた地域で生活をしたい方
  2. 一定の介護が必要なものの、施設に入所するのではなく住み慣れた地域で暮らしたい方
  3. 施設を対処したものの、いきなり一人暮らしをするのが不安な方
  4. 親族と同居しているものの、親族に万が一のことがあった場合に安心して生活することができる場所を求める方

令和3年(2021年)4月時点で、全国で141,570人が障害者グループホームを利用しており、入所施設の利用者数を上回っています。
(出典:厚生労働省社会・援護局障害保険福祉部障害福祉課 「障害者の居住支援について(共同生活援助について)」

障害者グループホーム(共同生活援助)の役割

先に紹介した通り、障害者グループホームでは以下のサービスを利用者に対して提供しています。

  • 身体介護
  • 日常生活支援
  • 社会生活上の援助

それぞれの内容について、もう少し詳しく見ていきましょう。

身体介護

身体介護とは、食事・入浴・排泄の介助など、利用者に直接触れるような支援のことを指します。

障害者グループホームを利用する方の中には、常時これらの身体介護を必要とする方もいれば、基本的には一人でできるものの、声掛けや補助が必要な場合もあるという程度の方もいます。

そのため、障害者グループホームでの就業を検討されている方は、面接などの際に利用者にどの程度の介護が必要なのか確認しておくと良いかもしれませんね。

日常生活支援

日常生活支援とは、食事の準備や洗濯、掃除、買い物など、生活を送る上で必要な家事などをサポートすることを指します。

また、利用者からの相談に応じることも支援内容に含まれます。

社会生活上の援助

社会生活上の援助とは、利用者の就労先や日中のサービス提供事業所との連絡調整や、行政や医療機関などとの連携のことを指します。

社会生活を営む上で、利用者だけでは物事を進めることが難しいケースもあるため、利用者の意思を尊重することは前提ですが、適格なアドバイスを行うよう心掛けましょう。

障害者グループホーム(共同生活援助)の人員基準

障害者グループホームの人員基準(事業所運営に必要な職種や資格及び人数)についてご紹介します。

管理者

障害者グループホームには、常勤の管理者を1名配置する必要があります。

管理者に必要な資格や経験は決まっていないため、誰でもなることが出来ますが、一般的には障害者支援に携わった経験をお持ちの方やマネジメント業務経験がある方が就くことの多い職種です。

管理者業務に支障がない場合は、サービス管理責任者が管理者を兼務することが可能です。

サービス管理責任者

障害者グループホームには、サービス管理責任者を配置する必要があります。

サービス管理責任者は、利用者一人ひとりに合わせた個別支援計画を作成したり、日々のモニタリング、外部のサービスや機関との連絡調整などの業務を担います。

利用者数が30名までは1名以上、以降30名またはその端数を増すごとに1名を加えた数が必要です。

人員配置の例

利用者数 必要数
30名 1名以上
45名 2名以上
60名 2名以上

ただし、多くの障害者グループホームは定員を10名以下の人数としているため、1事業所にサービス管理責任者が1名いるという状態の事業所が一般的です。

サービス管理責任者として働くためには、障害者(児)に対する一定の相談支援または直接支援経験と、サービス管理責任者実践研修を修了している必要があります。

サービス管理責任者について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
【2023年6月最新】サービス管理責任者(サビ管)とは? 資格の取り方・仕事内容・給料について分かりやすく解説

世話人

障害者グループホームには、世話人と呼ばれる主に家事や利用者の見守りを行う職種を配置する必要があります。事業所の種類に応じて必要数が以下の表のように異なります。

種類 必要数
介護サービス包括型 利用者6名に対し1名以上
日中サービス支援型 利用者5名に対し1名以上
外部サービス利用型 利用者6名に対し1名以上

なお、世話人に必要な資格や経験は特にありません。

生活支援員

障害者グループホームには、生活支援員と呼ばれる利用者の身体介助や日常生活における相談支援などを行う職種を配置する必要があります。事業所の種類に応じて必要数が以下の表のようにことなります。

障害支援区分 必要数
障害支援区分3 利用者9名に対し1名以上
障害支援区分4 利用者6名に対し1名以上
障害支援区分5 利用者4名に対し1名以上
障害支援区分6 利用者2.5名に対し1名以上

利用者の障害支援区分が高くなるほど生活支援員を多く配置する必要があることが分かります。

なお、生活支援員に必要な資格や経験は特にありません。

障害者グループホーム(共同生活援助)で働くメリット

最後に、今回紹介している障害者グループホームで働く場合のメリットをご紹介します。

無資格・未経験でも働くことができる

障害者グループホームで世話人や生活支援員として働く場合、障害者支援や介護に関する資格や経験は必要ありません。

事業所によっては利用者の身体介護がほとんど必要ないケースなどもあり、無資格・未経験者の方でも挑戦しやすいサービスと言うことができるでしょう。

家事や育児のスキルを活かすことができる

障害者グループホームで世話人として働く場合、食事の準備や洗濯、掃除、入浴の声掛けなど、普段自宅でされるような家事を行うことが「仕事」となります。

また、利用者とコミュニケーションを取る場面では、利用者にとって分かりやすい表現を心掛けるなど、ご自身の子どもとコミュニケーションを取る際に工夫した経験などを活かすことも可能です。

サービス提供時間帯が主に夜間であることから、子どもが巣立ち、夜間に家を空けても支障がない中高齢者層の主婦の方が多く活躍している職種でもあります。

サービス管理責任者へのキャリアアップを狙える

障害者グループホームで生活支援員として身体介護などを行っている場合、8年間務めることでサービス管理責任者基礎研修を受けることができます。

サービス管理責任者基礎研修とは、サービス管理責任者になるための第一の研修で、研修修了後2年間のOJTの後、サービス管理責任者実践研修を修了することでサービス管理責任者として実際に働くことができるようになります。

サービス管理責任者にキャリアアップすると、障害福祉分野のその他サービスでも活躍することができるようになることはもちろん、大幅な給与アップも見込めます。

厚生労働省の「令和3年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、福祉・介護職員(世話人と生活支援員含む)の平均給与額が311,050円であるのに対し、サービス管理責任者の平均給与額が388,340円であることが分かります。

まとめ

今回は、障害者グループホームのサービス内容や人員基準、働くメリットについて詳しく解説しました。

障害福祉サービスを利用する方が年々増加していることに伴い、障害者グループホームの需要も高まっています。

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参考