訪問介護とは?仕事内容やホームヘルパーに必要な資格、働くメリットについて詳しく解説!

訪問介護とは?仕事内容やホームヘルパーに必要な資格、働くメリットについて詳しく解説!

少子高齢化に伴い、要介護人口が増え続ける中で、訪問介護は介護福祉業界の中でも特に需要が高いお仕事です。

  • 訪問介護とは?
  • 訪問介護事業所の仕事内容とは?
  • 訪問介護事業所でホームヘルパーとして働くために必要な資格とは?
  • 訪問介護事業所で働くメリットとは?

今回は、訪問介護事業所の仕事内容やホームヘルパーに必要な資格、働くメリットについて詳しく解説します!

訪問介護とは?

訪問介護とは、訪問介護事業所のホームヘルパー(訪問介護員)が介護が必要な高齢者の自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの身体介護及び調理や洗濯、掃除などの家事などを提供するサービスのことです。

厚生労働省の「令和3年度 介護給付費等実態統計の概況」によると、訪問介護の利用者数は全国で107万人弱で、資料をもとに計算すると平均介護度は2.4であり、要介護度別にその割合を見てみると、以下のような結果であることが分かりました。

要介護度 割合
要介護1 31.0%
要介護2 27.9%
要介護3 16.9%
要介護4 14.0%
要介護5 10.2%

参考:厚生労働省「令和3年度 介護給付費等実態統計の概況」

訪問介護の仕事内容とは

ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容として高齢者に提供するサービスは以下の3つです。

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 通院等乗降介助

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

身体介護

身体介護とは、利用者の身体に直接触れて行う介護のことで、具体的には以下のような内容のことを指します。

内容 詳細
健康チェック
  • 利用者の安否確認
  • 顔色や発汗、体温等のチェック
排泄介助
  • トイレ利用
  • ポータブルトイレ利用
  • おむつ交換
食事介助
清拭・入浴
  • 全身清拭
  • 部分浴(手浴・足浴・洗髪)
  • 全身浴
  • 洗面
身体整容・更衣介助
体位交換
移動・移乗介助
外出介助
起床及び就寝介助
服薬介助
自立生活支援、重度化防止のための見守り的援助

参考:厚生労働省「訪問介護・訪問入浴介護」

生活援助

生活援助とは、身体介護以外で利用者が日常生活を営むことを支援することで、具体的には以下のような内容のことを指します。

内容 詳細
環境整備
  • 換気
  • 室温や日当たりの調整
  • ベッドまわりの簡単な整頓
相談援助、情報収集・提供
サービス提供後の記録
掃除
  • 居室内やトイレ、卓上の清掃
  • ゴミ出し
洗濯
  • 洗濯機または手洗いによる洗濯
  • 洗濯物の乾燥(物干し)
  • 洗濯物の取り入れと収納
  • アイロンがけ
ベッドメイク
  • ベッドのシーツ交換
  • 布団カバーの交換
衣類の整理・被服の補修
  • 衣替え
  • ボタン付け
  • 破れの補修
調理・配下膳
  • 一般的な調理
  • 配膳
  • 後片付け
買い物・薬の受取り
  • 日常品等の買い物
  • 薬の受取り

参考:厚生労働省「訪問介護・訪問入浴介護」

通院等乗降介助

通院等乗降介助とは、利用者が通院のために車両に乗る際の乗車または降車の介助を行うことです。以下のように乗降時だけでなく、乗車前・降車後の移動介助等の一連のサービス行為を含みます。

  • 乗車の介助
  • 屋内外における移動などの介助
  • 受診等の手続き
  • 薬などの受取り
  • 降車の介助
参考:厚生労働省「訪問介護・訪問入浴介護」

ホームヘルパーがやってはいけない支援とは

訪問介護では、あくまでも利用者が住み慣れた自宅で自立した日常生活を送るための支援を提供するサービスであるため、利用者以外の家族に対するサービスや、日常生活における家事などの提供はできません。

提供することができないサービスを以下に例を挙げて紹介します。

  • 利用者と同居する家族の分の食事の準備
  • 利用者家族が必要とするものの買い出し
  • 利用者家族の居室の清掃
  • 飼い犬の散歩
  • 草むしりや大掃除   など

自費サービスを組み合わせた事業所も存在

ホームヘルパーが提供することができないサービスとして、利用者家族に対する支援や日常生活の範囲を超えた家事などをご紹介しましたが、訪問介護事業所の中には、これらを自費サービスとして提供している事業所もあります。

その場合、利用者と予め契約を結んだうえで利用料金が発生し、この利用料金には介護保険が適用することができないため全額を自己負担分として請求することになります。

訪問介護事業所でのお仕事を探される方は、応募先の事業所が自費サービスの提供を行っているかどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。

訪問介護事業所の人員基準

訪問介護事業所の運営にあたって、必要な職種とその人数が定められています。職種ごとにそれぞれ詳しく見ていきましょう。

管理者

管理者とは、訪問介護事業所の運営や職員を管理する役割を担います。必要な資格や経験は特にありませんが、常勤で専ら管理業務に従事する者を1名配置しなければなりません。

サービス提供責任者

サービス提供責任者とは、利用者の訪問介護計画の作成や、利用申し込みの調整、居宅介護支援事業者との連携、ホームヘルパーに対する指導やサービス提供内容の把握を仕事内容とした、ホームヘルパーのリーダー的存在です。

サービス提供責任者として認められるのは、以下の資格を保有している者に限ります。

  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修
  • 旧介護職員基礎研修
  • 旧ホームヘルパー1級課程

利用者40人に対して常勤で1人以上のサービス提供責任者を配置する必要があります。ただし、以下の要件を満たす場合は、利用者50人に対して常勤で1人以上の配置で構わないとされています。

  1. 常勤のサービス提供責任者を3人以上配置している
  2. サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置している
  3. サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている

サービス提供責任者について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
サービス提供責任者とは?必要な資格や仕事内容、給料について詳しく解説 サービス提供責任者とは?必要な資格や仕事内容、給料について詳しく解説!

ホームヘルパー(訪問介護員)

ホームヘルパーは、1事業所につき常勤換算方法で2.5名以上を配置する必要があります。

無資格の介護職員はホームヘルパーとして働くことができず、介護職員初任者研修以上の資格を持っている必要があります。

ホームヘルパーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
ホームヘルパー(訪問介護員)とは? 仕事内容や必要な資格、給料について詳しく解説! ホームヘルパー(訪問介護員)とは? 仕事内容や必要な資格、給料について詳しく解説!

ホームヘルパー(訪問介護員)に必要な資格

訪問介護事業所でホームヘルパーとして介護職員初任者研修以上の資格が必要とご説明しましたが、具体的にどの資格が必要なのか、またその資格を取得するにはどうしたら良いのかをご紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護の基礎的な知識や技術を修得することができる研修で、全130時間の講義などを受けることで修了することが可能です。

ホームヘルパーとして訪問介護事業所で働くためには、最低でも取得が必要な研修となります。

介護職員初任者研修について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
介護職員初任者研修とは?取得方法や費用、研修内容を徹底比較

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、実務経験ルートで介護福祉士を受験するために受講が必要な研修で、介護職員初任者研修の内容に加えてより実践的な介護知識や技術を修得することが出来ます。

全450時間のカリキュラムを受講する必要がありますが、既に介護職員初任者研修を修了している方は、その内130時間分が受講免除となります。

介護福祉士実務者研修について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
介護福祉士実務者研修 介護福祉士実務者研修とは? 取得のメリットや取得方法を詳しく解説

介護福祉士

介護福祉士とは、介護系唯一の国家資格で、取得することで介護のプロフェッショナルとして活躍されたい方は、ぜひ取得したい資格の一つです。

社会人の方が介護福祉士の取得を目指す場合、一般的には介護の実務経験3年に加え、前述した介護福祉士実務者研修を修了する必要があります。(実務経験ルート)

介護福祉士について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
介護福祉士 介護福祉士とは? 資格の取り方・仕事内容について分かりやすく解説

ホームヘルパーの働き方

訪問介護事業所では、自分に合った働き方を選択してお仕事をすることが可能です。今回はホームヘルパーに注目して、常勤ヘルパー及び登録ヘルパーの働き方をご紹介します。

常勤ヘルパー

常勤ヘルパーとは、毎週決まった日数において決められた時間働くヘルパーのことを指します。例えば、週5日・1日8時間働く職員のことを正社員、パート問わずに表す呼び方です。

訪問する地域やお宅については日々ことなるかもしれませんが、基本的な勤務時間は一定で、比較的安定した給料を得ることができるのが特徴です。

登録ヘルパー

登録ヘルパーとは、訪問介護事業所に予め登録をしておき、自分の好きな時間や相田次官にスポットで業務に入ることができる職種です。

事業所によっては1週間に業務にあたる最低時間を定めている所もありますが、子どもを幼稚園に迎えに行くまでの間、掛け持ちのお仕事の一つとして、定年退職後の体力に余裕があるときに、など多くの方がご自身で働き方を選んでお仕事をしています。

訪問介護事業所でホームヘルパー(訪問介護員)として働くメリット

訪問介護事業所において、ホームヘルパーとして働くメリットを3つご紹介します。

好きな時間、隙間時間に働くことができる

登録ヘルパーとして働けば、ご自身の好きな時間や隙間時間に働くことが可能です。

事業所に立ち寄らずに自宅から利用者のご自宅まで直行直帰でサービスを提供すればOKという働き方も一般化しており、介護業界でのご経験がある方にとっては働きやすい環境ということができるのではないでしょうか。

家事スキルを活かして働くことができる

訪問介護のお仕事の内、身体介護については介護の知識や技術が必要ですが、生活援助については家事スキルのある方にとっては取り掛かりやすい業務なのではないでしょうか。

ご自宅で一通りの家事が出来る方は問題なく取り組むことができるでしょう。

利用者と1対1になることが多い

入居施設や通所事業所で介護職員として働いていると、一度に複数の利用者と向き合わなければならず、一人ひとりにご自身の理想の介護を提供することは難しい場面があるかもしれません。

訪問介護でホームヘルパーとして働く場合、基本的には利用者のご自宅で利用者と1対1でお話をしながら生活援助を行うなど、しっかりと向きあうことができるのも訪問介護で働くことの魅力の一つと言えます。

まとめ

今回は、訪問介護事業所の仕事内容やホームヘルパーに必要な資格、働くメリットについて詳しく解説しました。

介護職員初任者研修以上の資格をお持ちの方、または研修修了を見込んでいる方は、ぜひ訪問介護のお仕事を探してみてはいかがでしょうか。

e介護転職で求人を探す

参考