居宅系の介護保険サービスには、訪問介護や訪問看護、訪問入浴など、複数のサービスが存在します。
- 訪問リハビリテーションとは?
- 訪問リハビリテーションの仕事内容とは?
- 訪問リハビリテーションの人員基準とは?
- 訪問リハビリテーションで働くメリットとは?
今回は、訪問リハビリテーションの仕事内容、人員基準、働くメリットについて詳しく解説します。
記事でわかること
訪問リハビリテーションとは?
訪問リハビリテーションとは、在宅で生活を送る高齢者に対し、リハビリ専門職が利用者に合わせたリハビリを提供するサービスです。
自宅の環境に合わせて、利用者が安心してその人らしく自立した生活を営むことができるように、実際の生活に適した動きができるよう、必要な機能の維持・向上を図ることを目的としています。
訪問リハビリテーション事業所を運営しているのは、指定を受けた病院や診療所、介護老人保健施設または介護医療院であることとされていますが、厚生労働省の資料「訪問リハビリテーション事業所の特性」を見ると、その内訳は病院や診療所が81%、介護老人保健施設が19%、介護医療院が0.001%と、ほとんどの訪問リハビリテーション事業所の運営は、病院や診療所ということが分かります。
病院・診療所
病院とは病床数(入院時に使用するベッドの数)が20床以上の医療機関で、診療所(クリニック含む)とは、病床数が19床以下の医療機関のことです。
訪問リハビリテーションの運営を行うには医師が必要であるため、医師が常駐する医療機関が最も多く訪問リハビリテーションを運営していることも頷けますね。
介護老人保健施設
介護老人保健施設とは、病院を退院した方が自宅に戻って生活することを目標に利用する介護保険サービス施設です。
施設では自宅で生活を送るために必要なリハビリを行うため、訪問リハビリに移行して自宅に戻ってからも継続的にリハビリを提供することができます。
介護老人保健施設について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
介護老人保健施設とは? 仕事内容や人員基準、必要な資格について詳しく解説!
介護医療院
介護医療院とは、要介護高齢者が長期療養を行う施設です。利用者に対し、介護や身の回りの世話だけでなく、必要な医療や機能訓練(リハビリ)を提供しています。
介護医療院は人員基準に医師が含まれているため、割合は少ないものの訪問リハビリテーションを運営している施設があるようです。
訪問リハビリテーションの仕事内容
訪問リハビリテーションでは、利用者が自宅で安心して生活を続けるためのサポートを行います。
これらの支援は医師が作成する「訪問リハビリ指示書」に基づき、リハビリ専門職が利用者一人ひとりに合わせて作成する「リハビリテーション実施計画書」に基づいて行われます。
具体的な仕事内容として、以下の3つが挙げられますので、1つずつ見ていきましょう。
- 健康チェック
- 日常生活に対する指導と助言
- 相談援助
健康チェック
訪問時の利用者の健康状態をチェックします。血圧・体温・脈拍などのバイタル測定を行うとともに、心身における健康状態の確認を行います。
健康状態で気になることがあれば、利用者の主治医に報告しリハビリの内容を再考する必要などもあるため、目で見て分かることだけでなく、利用者やそのご家族とのコミュニケーションにもアンテナを張らなければなりません。
日常生活に対する指導と助言
リハビリを通して筋力を維持・向上を図ったり、動きの改善や疼痛緩和を目指すことはもちろん、病状に合わせた住宅改修や福祉用具の利用などのアドバイスを行います。
また、地域生活における社会活動への参加や、余暇活動の再開などの支援も訪問リハビリの業務の1つとなっています。
相談援助
相談援助業務も訪問リハビリテーションの仕事の1つです。これは、利用者だけでなくそのご家族も対象に含みます。
自宅における過ごし方や、利用者の身体に関わることだけでなく、介護保険の利用についてなど幅広い相談を受けることがあり、すぐにアドバイスが出来ない場合は、主治医や他の福祉サービスと連携して助言を行うなど、柔軟な対応が必要となります。
訪問リハビリテーションの人員基準
訪問リハビリテーションに必要な職種とその人数について詳しく見ていきましょう。
医師
訪問リハビリテーションには、専任で常勤の医師を1名以上配置する必要があります。
ただし、診療所と併設されている事業所や介護老人保健施設、介護医療院では、当該病院等の常勤医師との兼務で構わないとされています。
理学療法士または作業療法士、言語聴覚士
訪問リハビリテーションには、利用者の数や病状などに応じて適当と判断されるリハビリ専門職を適当数配置する必要があります。
リハビリ専門職とは、歩いたり立ったり座ったりする基本動作能力のリハビリを行う理学療法士、食べたりお風呂に入ったり趣味活動をしたりする日常生活動作のリハビリを行う作業療法士、言葉でコミュニケーションを取ったり飲み込んだりする、言語・口腔のリハビリを行う言語聴覚士のことです。
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訪問リハビリテーションで働くメリット
訪問リハビリテーションで働くメリットはどんなところにあるのでしょうか。例として2つのメリットをご紹介していきます。
生活実態に合わせたリハビリを提供できる
医療機関や介護施設におけるリハビリは、あくまでも基本的な動作や環境に応じた生活動作に対するものです。
訪問リハビリテーションでは、利用者が実際に暮らす自宅で、生活導線や生活実態に応じたリハビリを提供することができます。そのため、利用者に対して目標を提示しやすく、リハビリに対するモチベーションを持たせやすいと言えるかもしれません。
高齢化に伴う在宅シフトで需要が高まっている
日本の高齢化率(人工に対する65歳以上の割合)は2040年頃にピークを迎えます。これに伴う形で要介護者が増え、施設に入ることができないという理由や介護者不足という理由から、自宅で介護を受ける人が増えると予想されています。
そのため、訪問リハビリテーションは在宅シフトの影響を受けて需要が高まり、今後の成長性に期待が持てると言うことができるでしょう。
まとめ
今回は、訪問リハビリテーションの仕事内容、人員基準、働くメリットについて詳しく解説しました。
病気による後遺症や障害により、身体を動かすことが以前と比べて難しくなっても、住み慣れた自宅で、これまで通りの生活を送りたいという利用者をサポートする訪問リハビリテーションの仕事に興味を持った方は、e介護転職でお仕事を探してみてはいかがでしょうか。
参考文献
- 厚生労働省「訪問リハビリテーション」
- 厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム「訪問リハビリテーション」
- 一般社団法人日本訪問リハビリテーション協会「訪問リハビリテーションとは」
- 一般財団法人訪問リハビリテーション振興財団「訪問リハとは?」
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