地域包括支援センターとは?役割と運営体制、どのように利用することができるのかを分かりやすく解説!

地域包括支援センターとは?役割と運営体制、どのように利用することができるのかを分かりやすく解説!

介護に関する悩みや、相談したいことがあっても、一体どこに行って誰に相談したらいいの?と考えている方は少なくないのではないでしょうか。

今回は、地域における相談センターである地域包括支援センターについて、その役割と運営体制、どのように利用することができるのかを解説します。

地域包括支援センターで働きたいと考えている方はこちらの記事をご覧ください。
地域包括支援センターとは? 仕事内容・あると役立つ資格について分かりやすく解説

地域包括支援センターとは?

地域包括支援センターとは、市町村が設置主体となり、住民の健康を保つこと及び安定した生活を送るために必要な援助を行うことにより、地域住民を包括的に支援することを目的とした施設です。

2022年4月時点における地域包括支援センターの設置数は、全国に5,404ヵ所で、本体のセンターと連携のもと、地域住民の身近な所で相談を受付け、センターに繋ぐ窓口である「ブランチ」1,647ヵ所、本体のセンターと一体的に包括的支援事業を実施する支所である「サブセンター」358ヵ所を含めると、7,409ヵ所となっています。

この内、設置されている市町村が直営しているセンターは20%、社会福祉法人等に運営を委託しているセンターは80%です。

地域包括センターの役割とは?

地域包括支援センターは、多面的(制度横断的に)支援を展開し、相談者等を行政機関、保健所、医療機関、児童相談所など必要なサービスに繋ぐという役割があります。

その中で、主に以下の4つを主軸業務として展開しています。

  1. 介護予防ケアマネジメント
  2. 総合相談支援業務
  3. 権利擁護業務
  4. 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

これらの業務について詳しく見ていきましょう。

介護予防ケアマネジメント

介護予防ケアマネジメントとは、要介護状態等となる可能性の高い状態にある65歳以上の特定高齢者が要介護状態になることを予防するために、状況に応じて介護予防事業などが包括的且つ効率的に実施されるよう必要な援助を行う事業です。

具体的には、介護予防ケアプランを作成及びそのケアが適切に提供されているか定期的にモニタリングなどを行います。

総合相談支援業務

総合相談支援とは、地域の高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けていられるように、どのような支援が必要であるかを検討し、適切な機関やサービス、制度の利用に繋げるなどの支援を行う事業です。

具体的には、地域の高齢者やその親族等の相談に応じ、心身の状態を含む状況の把握、関係機関との連絡調整などを行います。

権利擁護業務

権利擁護とは、地域の住民や民生委員、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの支援だけでは解決できない問題などを抱える高齢者が、安心して暮らし続けることができるように、専門的・継続的な視点から支援を行う事業です。

具体的には、成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応などを行います。

包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

包括的・継続的ケアマネジメント支援とは、高齢者が住み慣れた地域で暮らすことができるよう、主治医や介護支援専門員(ケアマネジャー)とだけでなく、他の様々な職種や関係機関と連携し、状況に応じた包括的・継続的なケアマネジメントを実現するために、介護支援専門員に対して支援を行う事業です。

具体的には、包括的・継続的なケア体制の構築、介護支援専門員に対する日常的個別指導や相談対応、支援困難事例等への助言などを行います。

地域包括支援センターの運営体制

地域包括支援センターの運営体制として、包括的な支援事業を適切に実施するために、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の3職種を必要数配置しています。

それぞれの職種の業務内容について、詳しく見ていきましょう。

保健師

保健師は、地域住民の介護予防マネジメント業務を主に担当しています。介護予防ケアマネジメント事業のプランを作成したり、心身の健康状態の維持・向上に関するセミナーの開催などを行っています。

保健師に準ずる者として、地域ケア、地域保健等に関する経験のある正看護師がその業務に就いている場合もあります。

社会福祉士

社会福祉士は、センターを訪れた人や利用者の相談支援業務を主に担当しています。在宅介護における悩みや、地域生活における相談、高齢者に対する虐待防止活動やその他の権利擁護など、業務内容は多岐に渡ります。

社会福祉士に準ずる者として、福祉事務所の現業員等の業務経験が5年以上または介護支援専門員の業務経験が3年以上あり、且つ高齢者の保健福祉に関する相談援助業務に3年以上従事した経験を有する者がその業務に就いている場合もあります。

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)

主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)は、地域のケアマネジメントに関する業務を主に担当しています。ケアマネジャーの指導や相談支援を行ったり、支援困難事例などへのアドバイス、地域ケア会議の開催をしたりと、幅広い業務を行っています。

主任介護支援専門員に準ずる者として、ケアマネジメントリーダー研修を修了し、介護支援専門員への支援等に関する知識及び能力を有している者がその業務に就いている場合もあります。

地域包括支援センターの利用について(一般の方向け)

相談・利用することができる地域包括支援センターは、お住まいの地域にあるセンターに限ります。相談対象となる方(高齢の親など)が遠方にお住まいの場合、対象となるのはその方がお住まいのセンターです。

では、どのようなシチュエーションの場合に地域包括支援センターを利用する方がいるのかを、参考までにいくつかご紹介します。

  • 高齢の親族に認知症の疑いがあるが、介護サービスを受けるにはどうしたら良いか
  • 独居の高齢親と離れて暮らしているが、連絡が取れないこともあり心配だ。見守りサービスなど地域で行っていることはないか
  • 近所に引きこもりの一人息子と暮らしている高齢者がいるが、日々恫喝されたりしていて心配だ

来所して相談することはもちろん、電話で問合せをしてみるのも良いかもしれません。まずはご自身(相談対象者)のお住まいの地域包括支援センターについて相談可能な時間帯などを調べてみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?今回は、地域包括支援センターの役割と運営体制、どのように利用することができるのかということを解説しました。

ご自身や家族の介護のことで悩みや相談したいことがあった場合には、地域包括支援センターを活用してみることも検討してみてくださいね。

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参考

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