介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただくことになりましたブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動をしており、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士(@BWm7LDaUhfW1TPC)と申します。
早速ですが連載二回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
厚生労働省は19日、来年4月の障害福祉サービス報酬改定に向けた協議を重ねている有識者会議で、居宅介護を俎上に載せた。【Joint編集部】
サービス提供責任者の資格要件の厳格化を提案。現行の運営基準では、初任者研修を修了して3年以上の実務経験がある職員が担うことも認めているが、この取り扱いを廃止してはどうかとした。サービスの質の向上につなげる狙いがある。初任者研修の修了者でもサ責を担えるというルールは、介護保険の訪問介護では既に同じ理由で廃止されている。
一方、障害福祉の居宅介護の現行ルールでは、将来的に廃止すべき暫定措置という位置付け。実際に初任者研修の修了者がサ責として居宅介護計画を作成すると、報酬が30%減算される仕組みも導入されている。
厚労省は今回、初任者研修の修了者がサ責を担っている居宅介護の事業所は全体の0.9%(今年4月)に留まると説明。来年度からこれを廃止したい考えを示した。
会合では委員から反対意見や慎重論などが出なかった。このため厚労省は、この方向性で詰めの調整を進めていくとした。
(引用:joint介護ニュース)
そもそも訪問介護のサ責って?
そもそもサ責って何って話ですけど、ざっくり分かりやすく説明するとヘルパーさんをまとめるリーダー的ポジション。
正式名称をサービス提供責任者といいます。
施設職員に例えるとユニットリーダーから介護課の主任的なポジションよりちょっと上くらいの位置づけです。
基本的にどんな訪問介護を提供しますっていう計画書を作ったり、担当者会議に出たり、大きなトラブルを解決するために先陣を切ったりします。
また、そんな大事なポジションなので利用者さんの初回利用の時にサ責が訪問介護を提供する場合に限り、初回加算というものが算定できます。
リーダー自らがサービスに入ることにより次から入るヘルパーさんへ注意事項や、支援のコツ的なものを伝授できるでしょ?っていう事でもらえる加算。
それだけサ責っていうのは重要な役割となっています。
介護保険では先に廃止。
そんな重要ポジションのサービス提供責任者ではあるんですけど、そのサービス提供責任者になる条件が今までは介護初任者研修(昔のヘルパー2級)を取得して3年以上の実務経験者以上の人ってことになってました。
正直なところ、ヘルパー2級って、失業した人が職安で失業保険をもらうために真っ先に紹介する資格…。
やる気のある人もない人もとりあえず取得してお香みたいな資格でした。
実際、ヘルパー2級の講師をしていた時期がある【公式】ケアマネ介護福祉士でしたが、多くの受講者が先に介護の仕事についていて会社から言われたので仕方なく取りに来ている人が半分。
失業保険をもらうために取りに来た人が半分。
たまに老後の在宅介護のため勉強する人、定年後の資格取得マニア的な感覚でとりに来る人、福祉業界に就職しようと本気の人っていうのがチラッといる程度…。
そんな基礎中の基礎の資格なので、実際はある程度働くとすぐにサービス提供責任者としての条件を満たしてしまいます。
それでは介護の質を保てないよねってことで、介護保険を利用してサービスを提供する場合はサービス提供責任者が介護福祉士以上っていう条件になっています。
今回はそれに合わせて、障害福祉サービスを提供する場合も同じく介護福祉士以上の資格を持った人を条件にしましょうって事が話し合われているっていうニュースになります。
間違いなくサービス提供責任者は介護福祉士以上になる
まだ話し合いの段階ではありますが、ほぼ100%介護福祉士以上の資格が必要になるでしょう。
すでに介護保険サービスがその要件になっているので障害もそろえるでしょうし、今現状サービス提供責任者がヘルパー2級っていう事業所が1%に満たない…。
ということは法整備を進めても影響がある所はほとんどありません。
土台、訪問介護において、ヘルパー2級のサービス提供責任者で今現在運営している事業所さんは介護保険サービスの仕事をせずに(厳密に言えばできない)障害サービスのみで生計を立てている…。
完全な赤字分野ってことになりますからね…。
遅かれ早かれ閉鎖してしまうでしょう。
ただ、一つだけ【公式】ケアマネ介護福祉士が不安に思っているのは田舎の障害を持ちながら在宅で暮らしている人…。
中にはとんでもない煽りを受けるのではないかと個人的に考えます。
多くの人は関係ないけどもしかしたらとんでもなく影響を受ける人が出るかも…
今現時点で障害サービスしか提供していない。
それでも運営している訪問介護…。
統計等はないんですけど、そんな赤字覚悟の訪問介護をそのまま運営しているとすれば、障害を持っている人自身が立ち上げた自分専用の訪問介護事業所かもしれませんね…。
実際、農村部ではヘルパー事業所さんがなく、サービスを提供できない…。
これじゃあ暮らせないよってことで障害を持っている人自身が自分のケアに当たってもらうためだけにヘルパー事業所を立ち上げるっていうのが一時期流行しました。
多分流行したきっかけは大泉洋さんが主演した「こんな夜更けにバナナかよ」のモデルとなった方が自らヘルパー事業所を立ち上げたのがきっかけなのかなとも思いますが…。
つまり、訪問介護の質を上げるという国の施策により、サービスを受けること自体が困難になる人たちが出てくるかもしれません。
そもそも質を上げるための施策というけれど…
そもそも国としては訪問介護の質を担保するためにサービス提供責任者の要件を厳しくしているわけですが、順番が違うような気がしますね…。
ケアマネジャーもそうだったんですけど、ケアマネジャーという仕事が創設された第一回のケアマネ試験は合格率70%…。
今は15~20%程度…。
ケアマネが足りないからと量産して、段々需要と供給のバランスが取れてきたのでケアマネの人材を精査しています。
まあそれでも時代が変わって今はケアマネの有効求人倍率4倍越えという絶賛人材不足にはなっていますが…。
昨今のヘルパーさんも同じで有効求人倍率は4倍越え…。
そんな中で、質の担保を目指すよりも人材確保のために何か施策をするべきなんじゃないかと思うのは【公式】ケアマネ介護福祉士ではあります。
今回のサービス提供責任者は介護福祉士以上じゃないとだめにしますっていう法改正によって影響を受けるのは1%だとしてもわざわざ訪問介護事業者が廃業するかもしれないような施策を打つタイミングじゃないでしょって思ってしまいますね。
サービス提供責任者が介護福祉士以上になって訪問介護の質は向上する?
めちゃめちゃそもそもの話なんですけど、サービス提供責任者がヘルパー2級から介護福祉士以上に条件を変えたところで何か大きな変化があると思っているんでしょうか?
正直なところ、介護福祉士に関してもヘルパー2級を取得してから基本的に課題を提出して、長い研修を受ければ認定がもらえる介護実務者研修を終了し、年度によっては7割以上の合格率である介護福祉士の試験に合格するだけ…。
国家資格があるという部分は大きく違うのかなとは思いますが、それで質の向上につながるのかっていうのはちょっと【公式】ケアマネ介護福祉士的には疑問です。
そもそも今現時点で99%以上が介護福祉士以上の資格を持ってサービス提供責任者を行っている現状でこの改正による質の向上は期待できないんじゃないかと思います。
【公式】ケアマネ介護福祉士的にフェーズ間違えてない??
ココからは完全な個人の意見にはなりますが、今現在の状況で訪問介護の質を上げるタイミングなのかなって思います。
これだけ人材不足の中で、開業しやすいというメリットも影響しているかもしれませんが次々倒産や廃業している訪問介護の事務所…。
むしろ報酬改定で訪問介護の報酬を向上させ、人材確保をするフェーズなんじゃないかなって思います。
地域包括ケアシステムが打ち出され、基本的に高齢者は施設や病院ではなく地域で暮らすっていう流れを作る中で、その中核となるべき訪問介護がこれだけ人材難という状況…。
今後は一人暮らしや高齢者のみの世帯がさらに増え、生活援助がもっと増えるというのに…。
通所介護が賄うとなれば…
その中で、まさに国の偉い人達が話し合われている通所介護(デイサービス)が訪問を行う新しい報酬が設定されそうな雰囲気…。
そうなれば訪問介護事業所はなくす方向で動くのかな…。
もしかしてその第一歩がこの改定?
そうなれば訪問介護特化型のデイとかも出てくるのでしょうか?
あれ?
そうなれば小規模多機能も役割が少し薄くなる…。
デイサービスがホームヘルパーまで行うとなれば夜間の支援が必要っていう人以外は小規模多機能を利用する必要がなくなる…。
今現在、小規模多機能に関しては創設時からは考えられないくらい低い介護報酬で、結構赤字のところが多く、次々小規模看護多機能へ配置転換されている状況…。
小規模看護多機能は残ったとしても、小規模多機能は無くなってしまうかもしれませんね…。
この流れだけをみるとこれだけ細分化した介護保険サービスですが、もしかして統合に向かっているのかな?
人材不足を事業の統一で賄おう的な雰囲気が見え隠れ…。
都会ならそれでもいいのかなって思いますが、田舎はちょっと統合されると過疎地域までサービスが行き届かない可能性が出てきますね…。
このまま地方切り捨ての可能性も見えていてちょっと怖いなあ…。
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