認知症アクティビティケア専門士とは、認知症に関する知識と理解に加えて、アクティビティプログラムの企画・運営・実践のスキルを身につけていることを証明する資格です。
具体的には、通常のレクリエーションだけでなく、音楽療法や園芸療法、化粧療法などのスキル習得を目指します。認知症に関する知識を身につけ、レクリエーションの幅を広げて企画運営、実践したいと感じる方にはおすすめの資格です。
この記事では認知症アクティビティケア専門士について、資格取得のメリットや必要な費用、活躍できる職場について詳しく紹介していきます。
記事でわかること
認知症アクティビティケア専門士とは
認知症アクティビティケア専門士とは、認知症の人に対するアクティビティ・プログラムの企画運営・マネジメントに携われることを認定する資格です。1〜3級まであり、一般社団法人・日本認知症コミュニケーション協議会が認定しています。
アクティビティケアとは、認知症の進行予防や高齢者のQOL(生活の質)向上を目的として、楽しみながら活動することを促すケアのことです。アクティビティは、身体機能の維持・向上、心身の健康の保持・増進、社会参加の促進など様々な効果をもたらします。
具体的にはレクリエーションだけでなく、運動・調理・園芸・音楽などを活用して、認知症の方へケアを提供します。このような活動を通じて日常生活の維持・改善につなげるためのノウハウを習得するのが、認知症アクティビティケア専門士です。
なお認知症アクティビティケア専門士を取得するためには、同協議会が認定する「認知症ライフパートナー検定試験」で得られる知識を習得していることが前提となります。受験資格については、後ほど詳しく解説いたします。
認知症アクティビティケア専門士の資格取得のメリットについて
認知症アクティビティケア専門士の資格取得で得られるメリットは、以下の通りです。
- プログラムの企画・運営・実践のスキルを身につけられる
- 認知症に関する知識と理解を深められる
- レクリエーションの幅を広げられる
- スタッフや利用者から信頼される場面が増える
- キャリアアップにつなげられる
認知症アクティビティケア専門士の認定研修では、認知症の基本的な知識からアクティビティ・プログラムの企画・運営・実践に必要な知識・スキルなど幅広い内容を学びます。レクリエーションの知識や幅を広げることが可能です。
またレクリエーションを通じてリーダーシップを発揮する場面も増えてくるため、自然にスタッフや利用者からの信頼が集まります。その結果、現場リーダーや管理職などキャリアアップの足掛かりとすることも可能です。
認知症アクティビティケア専門士の資格取得方法について
ここでは、認知症アクティビティケア専門士の資格取得方法や取得までの流れ、費用などについて詳しく紹介していきます。
資格取得方法とは
認知症アクティビティケア専門士の資格取得には、認知症ライフパートナー検定試験に合格していることが前提となっています。認知症ライフパートナー検定試験とは、認知症に対する知識と対応方法について学ぶものです。
認知症ライフパートナー検定試験に合格し、一般社団法人・日本認知症コミュニケーション協議会が定めた研修を受講し単位を取得すれば、晴れて認知症アクティビティケア専門士を名乗れるようになります。
詳細についてはこちらの協議会ホームページにてご確認ください。
資格取得までの流れ
認知症アクティビティケア専門士の資格取得には、協会に定められた研修を受講する必要があります。研修内容は、認知症・アクティビティに関連する専門知識と技術を身につけるための実技演習が中心です。
研修修了後には、アクティビティ・ケアに関する企画運営・環境・マネジメントなどに携われる専門士として認定されます。また専門士としての能力の維持・向上をはかるため、3年ごとの更新が必要です。
具体的な研修内容は、以下の通りです。
- 認知症の人の理解とその対応
- 音楽療法・園芸療法によるアクティビティケアの実践
- 回想法・化粧療法の活用
- 現場実習
- 課題の事例発表など
- アセスメント・記録・経過継続・評価について
- 地域ケアシステムと在宅支援
- 認知症ケアにおけるマネジメント
- グループ・スーパービジョン
- 認知症予防と運動
- 生活習慣病と認知症
資格取得の費用について
資格取得に必要な費用は、以下の通りです。
「認知症アクティビティ・ケア専門士」に認定された方は、認定登録料(3級:15,000円/2級:20,000円)の納入と3年ごとの資格更新審査を受けることが必要になります。合格者には認定証(カード)が交付されます。※1級については、近日公開される予定です。
教材費:10,800円
認定審査料:10,800円
合計:135,000円(税込)
教材費:12,960円
認定審査料:16,200円
合計:164,160円(税込)
勉強方法について
前述のとおり認知症アクティビティケア専門士の資格取得には、認知症ライフパートナー検定試験に合格していることが前提です。
認知症アクティビティケア専門士については、研修を受講し単位を取得すれば合格となります。
認知症ライフパートナー資格試験では、認知症に関する知識や認知症の人とのコミュニケーション手法、アクティビティ・ケアについて出題されます。
勉強方法については、専用のテキストが販売されているので、そちらを中心に進めていくとよいでしょう。
認知症アクティビティケア専門士の資格が生かせる職場
認知症ケアは、介護において欠かすことのできない重要なものです。認知症アクティビティケア専門士の資格は、施設や在宅など認知症の人々が生活する様々な場面で活用できます。
認知症アクティビティケア専門士は、認知症の基本からプログラムの企画・運営・実践に必要な知識・スキルを身につけているので、介護現場で思う存分能力を発揮できるでしょう。
また音楽や園芸、回想法などのアクティビティケアに関する知識と技術を有していることも、認知症アクティビティケア専門士の強みです。
単に「歌うだけ」「植物を育てるだけ」でなく、認知症対応の視点から利用者にアプローチできます。他のスタッフや、利用者からも貴重な存在として認められるでしょう。
まとめ
今回は、認知症アクティビティケア専門士について解説しました。
介護現場において、認知症の方への対応は欠かすことのできない重要なスキルです。認知症アクティビティケア専門士は、認知症に関する知識と理解に加えて、プログラムの企画・運営・実践のスキルを身につけていることを証明する資格です。
通常の運動やレクリエーションに加えて、音楽療法や園芸療法、化粧療法などの多様なアクティビティケアのスキルを身につけられます。
認知症アクティビティケア専門士の資格は、施設や自宅など認知症の人々が生活する様々な場面で活用することが可能です。
アクティビティケアを通じて、認知症の方と関わりたいと感じる方は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事をお読みになり、認知症アクティビティケア専門士について理解を深めていただければ幸いです。
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