放課後等デイサービスには必ず管理者が配置されています。しかし、管理者の役割や具体的な仕事内容について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、放課後等デイサービスの管理者について詳しく解説します。この記事を読むことで、管理者の仕事内容と管理者に求められるスキルなどが把握できます。
記事でわかること
放課後等デイサービスの管理者とは?
放課後等デイサービスの管理者は、施設を利用する子どもたちが安心して過ごせる環境を提供するために重要な役割を持った役職です。
具体的には、利用者1人ひとりに合わせた支援計画の作成や支援員の指導、サービス品質の向上に向けた取り組みなどを行います。
また、施設の内外で活躍する点も管理者が持つ役割の特徴です。
施設の内部では職員のスキルアップや業務効率改善に向けて動き、外部では利用者の家族や関連施設との連絡調整などを行っています。
施設の内外で活躍し、事業所運営の中心となる役割を担っている役職が、放課後等デイサービスの管理者です。
放課後等デイサービスの管理者になるには
放課後等デイサービスの管理者になるためには、特別な資格要件などはありません。そのため、事業所指定を受ける際に名前を書けば、誰でも管理者になれます。
しかし、管理者が実行すべき業務は多岐にわたり、福祉に関する専門知識だけでなく、トラブルが発生した際の判断力なども求められます。
一定の専門知識を有していることはもちろんですが、問題解決能力やコミュニケーション能力などのソフトスキルを持っているかが、管理者としての適正に大きく影響することを理解しておきましょう。
また、児童発達支援管理責任者や機能訓練担当職員などの職種と管理者を兼務することも可能です。
管理者の兼務については自治体ごとに細かいルールが異なる場合もあるため、詳しくは自治体の窓口へ確認しましょう。
放課後デイサービスの管理者の仕事内容とは
厚生労働省が公開している「放課後等デイサービスガイドライン」では、管理者の仕事内容について以下の3つの役割が求められています。
- 運営状況の全体を把握し、事業を円滑に進める役割
- 児童発達支援管理責任者および従業者の意識形成や効率的な配置を行う役割
- 学校や地域の関係機関・団体との連携を図る役割
上記の3つの役割を遂行するための具体的な業務として、以下の内容が挙げられています。
- 子どものニーズに応じた適切な支援の提供と支援の質の向上
- 環境・体制整備
- PDCAサイクルによる適切な事業所の管理
- 従業者等の知識・技術の向上
- 関係機関・団体や保護者との連携
- 子どもと保護者に対する説明責任等
- 運営規程の周知
- 子どもと保護者に対する、支援利用申込時の説明
- 保護者に対する相談支援等
- 苦情解決対応
- 適切な情報伝達手段の確保
- 地域に開かれた事業運営
- 緊急時の対応と法令遵守等
- 緊急時対応
- 非常災害・防犯対策
- 虐待防止の取り組み
- 身体拘束への対応
- 衛生・健康管理
- 安全確保
- 秘密保持等
放課後等デイサービスの管理者には、運営状況の全体を把握し、事業を円滑に進める役割が求められています。
そのためには、職場環境の整備や職員のスキルアップに向けた取り組みなどを実施し、それらの状況を客観的に評価しつつ、PDCAサイクルを進めていくことが重要です。
また、利用者や家族に対する説明責任を持っているのも管理者です。利用申込時の説明はもちろんですが、苦情に対する対応や緊急時の対処方法についても、管理者が主体となって動く必要があります。
上記のように、事業所のサービス品質改善や事業所運営上のコンプライアンス対策など、事業運営における多様な業務を取り仕切るのが管理者の主な仕事内容です。
管理者と児童発達支援管理責任者の違い
放課後等デイサービスの管理者と児童発達支援管理責任者は事業所運営において必要な人員として似ていますが、その役割には大きな違いがあります。
厚生労働省の「放課後等デイサービスガイドライン」では、それぞれの役割について以下のように記載しています。
管理者は、その事業所が提供する放課後等デイサービスの質の評価を行うことはもとより、第三者による外部評価の導入等を通じて、常にその改善を図らなければならない。
放課後等デイサービスを利用する子どもと保護者のニーズを適切に把握し、放課後等デイサービス計画を作成し、全ての従業者が放課後等デイサービス計画に基づいた支援を行っていけるように調整する。
また、提供される支援のプロセスを管理し、客観的な評価等を行う役割がある。
管理者は、主に事業所運営を円滑に進めて、サービス品質を改善していくことが主な役割です。
一方、児童発達支援管理責任者は、適切な放課後等デイサービス計画を作成し、従業者が計画に基づいた支援を行えるように管理していく役割があります。
管理者と児童発達支援管理責任者では、管理する業務の範囲が異なる点を理解しておきましょう。
放課後等デイサービスで働く上であると役立つ資格とは
放課後等デイサービスで働く際に役立つ資格として、以下の7つが挙げられます。
■保育士
放課後等デイサービスの従業者のうち半数以上は保育士または児童指導員である必要があります。
■児童指導員
保育士と同様に従業者のうち半数以上の配置が義務付けられています。
■児童発達支援管理責任者
1事業所につき1名以上の配置が義務付けられています。
■看護師
健康管理の専門職です。重度心身障害児の放課後等デイサービスの場合は配置が義務付けられています。
■理学療法士
身体機能に関するリハビリ専門職です。機能訓練担当職員として活躍できます。
■作業療法士
日常生活動作や社会活動に関するリハビリ専門職です。機能訓練担当職員として活躍できます。
■言語聴覚士
会話や食事に関するリハビリ専門職です。機能訓練担当職員として活躍できます。
資格を持っていなくても放課後等デイサービスで働けます。しかし、仮に上記の7つの資格を持っていた場合、各資格の専門性を活かして活躍できるでしょう。
こんな人におすすめ
放課後等デイサービスの管理者は、発達支援に関する専門知識と組織運営に必要なソフトスキルを持った人が適しています。
放課後等デイサービスの管理者になる場合、外部の専門職と関わる機会も多くなります。
外部の専門職とコミュニケーションを取る際に、専門的な意見交換が求められることも多いため、発達支援に関する専門的な知識を持っている必要があります。
さらに、事業所を運営していくためには、次々に発生する課題を解決するためのタスク処理能力や課題解決能力、コミュニケーション能力などのソフトスキルも求められます。高いソフトスキルを持った管理者が運営を行うことで、円滑な事業所運営を実現できるでしょう。
また、「子どもたちの成長を支えたい」という情熱も必要です。管理者になると、次から次に発生する問題に対処していかなければいけません。
情熱を持って仕事に向きあうことで、それらの課題解決に必要なモチベーションを保ち続けられるでしょう。
まとめ
放課後等デイサービスの管理者は、放課後等デイサービスの運営を円滑に進めるために重要な役割を持った役職です。
管理者は、事業所内でのサービス品質を向上させるための施策や外部の関係機関との連携など、施設の内外で多岐にわたる業務を担当します。
管理者になるために特別な資格は必要ありません。しかし、その業務内容には高度な知識とスキルが求められる点は理解しておきましょう。
発達支援や組織作りに興味がある方におすすめの仕事です。
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