介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただくことになりましたブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動をしており、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士と申します。
連載12回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
財務省は16日、国の財政を議論する審議会(財政制度等審議会)を開催し、医療や介護など社会保障制度の改革を議論した。【Joint編集部】
介護分野では、サービスのニーズの拡大や現役世代の減少が一段と進む今後を見据え、中長期的に持続可能な体制を構築していくべきと指摘。テクノロジーの導入・活用の推進とあわせて、特養や通所介護などで「人員配置基準の更なる柔軟化を実施すべき」と求めた。厚生労働省はこれまでの介護報酬改定で、特養・老健の夜間や介護付きホームなどの人員配置基準について、テクノロジーの活用や安全管理の徹底などを要件に一定の柔軟化を認めてきた。
財務省はこうした規制緩和を、特養の夜間以外や通所介護などにも広げるべきと主張。「日本全体で労働力の確保が課題となるなか、生産性の向上は喫緊の課題。増大し続ける介護ニーズに対応していくためには、ICT機器を活用した人員配置の効率化を強力に進めていくことが不可欠」と提言した。
介護業界は人材不足
もともと介護業界はかなりの人材不足。
理由は結構いろいろあって、
- キツイ
- 汚い
- 給料安い
の3K 業種だというイメージが世間に定着しているところが大きな理由かなって個人的には思っています。
実際、不規則勤務は正直なところ心身に負担が大きい。
不規則勤務をこなしている人は寿命が10年縮まるとか20年縮まるとか言われていて、論文も発表されているくらいですからね。
汚いに関しても、汚物と介護は切り離せないし、感染症っていう意味でも汚い汚染されたものを扱うので間違いはないかな…。
給料安いに関しても、介護業界の平均年収って、他の産業に比べて100万円くらい低いみたいなので平均で言えばそうなんだろうなって感じです。
介護業界のイメージはイメージ先行の部分も大きい
まあ確かにイメージはそうでしょうし、間違ってはいませんがイメージだけでそんなことないっていう部分も大きいですね。
実際、不規則な勤務は心身にダメージを負う部分も大きいですけど、そもそも施設系に努めなければ一定勤務だし、排せつという意味合いの汚物に関しても軽度の方々が生活するグループホーム(看取り介護を行う施設を除く)やデイサービスはそん奚大変じゃない。
給料に関しては介護福祉士を取るまでは確かに安月給の人が多いだろうなっていう感じはしますけど、資格を取ってしまえば年収はぐっと上がる。
実際、【公式】ケアマネ介護福祉士は30歳の時の年収が地方公務員の平均よりもらっていて、全産業と同等水準でした。
給料が安いっていうのは多くのスタッフさんが介護福祉士の資格を取る前の安月給でやめてしまうから。
介護業界において石の上にも3年っていうのはあながち間違いじゃないっていう感じの印象ですね。
そんな人手不足解消のために人員配置基準を引き下げる?
一応そんな人員不足に悩まされまくりの介護業界。
職員の給料を上げてくれって世間は言うけど、スタッフが見つからないから派遣社員を使ってしのぐ…。
だから人件費が上がって給料が上がらない。
そんな感じの話になってる施設さんも多い。
そんな中で、今回国が打ち出したのはICT活用による人員配置基準の引き下げ。
平たく言うと、機械化の条件を満たしたら、最低限必要なスタッフの人数を引き下げますっていう話ですね。
機械化した分、スタッフを減らせる。
そんな話だけど、実際はどうなるんでしょうか…。
人員配置基準の引き下げは本当に意味がない…
この議論をしているお偉いさんたちは本当に現場のことを知らないんだなと思ってしまうんですけど、基本的に人員配置基準の引き下げは本当に意味がありません。
なぜなら、人員配置基準ギリギリとかで運営している施設はほとんどないから。
現場でいくら人が足りていないって大騒ぎしても運営側が涼しい顔しているのも原因はこれ。
人員配置基準通りに配置すると日中は常に一人でいいし、夜勤も25人に対して1人いればいい話。
100人だと3.2人ってことなので、ほぼ30対1人でいい計算ですね。
実際に施設で日中勤務が常に一人でたまに職員が出勤していない時間がある。
もしくは夜勤は30人対1人以上ってところはないと思います。
だって、あったら運営停止やとんでもない減算になるから…。
減算の額も結構大きいので、会社が傾きかねないものです。
その辺を考えると減算になるくらいなら派遣社員雇うとか、施設長や理事長とかセラピストが介護職員として働く形になります。
もちろん働いている実績があるか勤務表上働いているだけで実際働いていないっていうのも考えられますが…。
話は大きくそれましたが、そんなもともと本当に本当の最低基準なので、それを緩和したところで人材不足っていう意味合いでは何の解決にもならないっていう話ですね。
法律ができたことによって人員削減は考えられる
人材不足という意味合いに関しては改善しないだろうなと思いますし、むしろICTを利用すれば人員を削減していいという風潮になってきているので積極的に人材を獲得するよりも機械化に費用を割くほうが今後のことを考えるといいんじゃないかと考える施設さんも増えるんじゃないかなと思います。
現時点での人員基準緩和の条件もベッドセンサー等を入れるとか徘徊探知機を設置するとかなので、ある程度規模の大きい施設であればすでに取り組んでいることが多い。
新たに条件を加えるといってもいきなりファミレスで見るような配膳マシンとかペッパー君の上位グレード版を用意しなさいってことにはならないと思います。
実際問題、ICTの導入によって作業効率が上がり職員の人数を大幅に削ることはできないにしてもそれを盾に人員の補充を行わないっていうのは十分に考えられますね。
派遣社員も費用的に高いし、人員配置基準はクリアしてるんだから人員補充しなくてもいいかな?
そんな考えになってもおかしくないなって感じ。
まあその考えだと、大事な職員さんが次々消えていっていつしか本当に人員配置基準ギリギリになるなんて言うのはちょっと目に見えた展開かなって気がしますけど…。
通所介護にもICT化で人員配置基準の緩和
今までのICT活用による人員の緩和に関しては特養など夜勤業務がある施設に適応されてきていたものでしたが、今回はそれをデイサービスにも適応するっていう話みたいですね。
では、実際にどんなICTの活用が条件になるのか考えていきましょう。
席表だけでなく配車もICT化?
今の所実用している事業所さんがあるのか近隣の通所では確認できませんが、今はデイサービスの配車を自動で考えてくれるシステムとかがあるみたいですね。
そのほかにもデイサービスの利用時間に座ってもらう席を自動で組んでくれたり…。
掃除はルンバみたいなのにお願いする…。
出入り口に徘徊センサー。
導入によって多少業務が改善する可能性があるものだとそのくらいですかね。
もちろん、使い方によっては導入したことによってさらなる手間が出てきたりはするでしょう。
特にありがちそうなタブレットの導入とかはデイサービスの特性上タブレットを使ってどこでも記録できますっていう体制を取ったにしても運転中に記録するのかっていう話なのかって感じです。
実際記録する時間をまず作らないといけないのにもかかわらずタブレット導入で人員配置を緩和しようっていう考えだけにはなってほしくないなと思います。
可能性は大きそうですけど…。
何を隠そう、【公式】ケアマネ介護福祉士もルンバ的なお掃除ロボットを自宅に導入しましたが、水拭き機能を使っていたらカーテンが思いっきりカビました。
水拭き機能は水を吹き出しながら床を回るのでカーテンをいちいち持ち上げないといけないし、途中でどこかに引っかかるたびに救助しに行かなくちゃいけない…。
デイサービスの送迎配車に関しても、運転スキルまで加味してくれるし、利用者さんの運行ルートや相性、状態に合わせてルートを汲んでくれるみたいですけど、それでもいろいろ不具合はおきそう…。
この辺のICT機器に関してはまだ業務改善の可能性があるにしても、他にとんでもないどうやって業務改善するの?とかいうICT機器が指定されたらどうなるのかなとは思っています。
ICT以外の緩和はありうるのか?
ICT以外の何かが人員配置の基準緩和になるんじゃないかなと【公式】ケアマネ介護福祉士個人は思っています。
基本的にはICTでの基準緩和ですが、それ以外にも通所介護は可能性があるんじゃないかとにらんでいます。
それは集団送迎…。
厚労省が掲げては見たもののやっているところを聞かないシステムですね。
送迎に関しては、地域のデイサービスが手と手をつないでみんなで送迎システムを作りましょう。
ってやつですね。
具体的には、ABC3カ所がそれぞれの利用者さんを迎えに行くのではなく、A地区、B地区、C地区の利用者さんをそれぞれ迎えに行って、デイサービス3カ所へそれぞれ送り届けようっていう話ですね。
これに関しては事故が起きた時の責任とか、普段接していない利用者さんを送迎するっていう負担とかいろいろ問題がありますがどこも踏み出せないから地域のデイサービスがグループを作れないっていう問題も大きいのかもしれませんね。
また、利用者さんが違うデイサービスへ興味を持ち利用者さんの流出も若干不安視しているのかもしれませんしね…。
データ連携システムの活用も項目に?
デイサービスの月末、月初といえば実績の提出…。
ケアマネに各利用者の利用実績を送り、国保連へ請求。
【公式】ケアマネ介護福祉士の体感だと、使っているデータが別々で様式が異なるために、ケアマネの書式に合わせて手書きで実績を送ってくる事業所が半分。
ケアマネの書式を無視して、時事業所のシステムで実績を提出してくるのが半分くらいっていう印象です。
いずれにしろめちゃくちゃ手間だろうなこの作業って感じですが、カイポケさんを筆頭にデータ連携を自社ソフト同士は気軽にできるサービスを展開していたり、ケアぽすさんは簡単な会員登録だけでソフトウエアが違ってもデータ連携ができるようになっていました。
その中で、去年くらいから厚労省がデータ連携システムを開発し、推奨していますね。
河野太郎大臣もSNSでそのシステムを使ってくださいと普及活動をしているシステム…。
民間の会社さんが無料で行っているデータ連携のシステムを国は月額費用を払って利用してくださいっていうことでしたが、普及率は一桁以下ということで無用の長物になっているものですね。
せっかくとんでもない費用で作ったのに誰も使っていないという現状を打破するためにICTの活用の必須項目という大義名分で普及を加速させるかもしれません。
批判はあるでしょうが、デイサービスだけでなくICT化による基準緩和や加算の要件に据えればシステム普及は加速するのが目に見えています。
いろんなところからの不平不満を気にしなければ絶対に緩和要件へ組み込むでしょう。
利用するしないや、上手く活用できずに作業効率が上がらなかったとしても、要件に入れられてしまえば多くの事業所が導入。
来年には厚労省が作ったシステムが河野大臣のSNS活動によって広く普及しましたっていう話で落ち着きそうですね。
デイサービスの請求業務担当は大体が相談員さんか、事務職さん。
ヘルパー事業所のように高齢のスタッフさんが四苦八苦システムになれるまでっていうよりかは業務効率向上につながりそうな部分も大きい。
その辺を考えるとあながち一番初めにこれを条件に入れ込む事業としては間違ってはいないかもしれませんね。
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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