認知症ケア上級専門士とは、認知症ケアの専門知識を身につけた方が取得できる資格です。認知症高齢者が増加する中、この資格を取得したいと考えている方も多いでしょう。
しかし、認知症ケア上級専門士資格の取得方法や仕事内容に関する情報は非常に少ないため、詳細な情報を知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、認知症ケア上級専門士の資格を取得する方法や取得するメリットについて解説します。
記事でわかること
認知症ケア上級専門士とは?
認知症ケア上級専門士とは、一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格です。
認知症ケア学会の公式ホームページでは、認知症ケア上級専門士の役割や目的について以下のように説明しています。
認知症ケア上級専門士(以下、上級専門士)とは、ケアチームにおけるリーダーや、地域のアドバイザーとして活躍することが期待できる専門士の養成を目的に創設された認定資格です。
上級専門士には、専門職としての倫理観をよく理解し、認知症ケアの方法を自己の経験や科学的エビデンスに基づき説明することができることが求められます。
また、ケアマネジメントやチームアプローチについても、同様のことに基づいた実践が求められます。
さらに,蓄積した知識や経験を生かし、リーダーや指導者として適切なケアを実施していくとともに、適切なケアやケアマネジメントを新人のケアワーカーや専門士などに指導し、ケアに関する悩みなどを解決するための臨床的支援を行っていくことも求められます。
日本認知症ケア学会が認定する資格は、認知症ケア上級専門士の他に、認知症ケア専門士と認知症ケア准専門士があります。認知症ケア上級専門士は、認知症ケア専門士の上位にあたる資格です。
認知症ケア上級専門士の取得者には、認知症ケアに関する指導やケアマネジメント的な立ち位置を求められます。そのため、認知症に関する深い知識と実践的なスキルの両方が要求される職種です。
認知症ケア上級専門士の資格で学べる内容
認知症ケア上級専門士の資格を取得するには、日本認知症ケア学会が出版しているテキストを購入して勉強する必要があります。認知症ケア上級専門士の試験勉強で使用するテキストは、以下の3冊です。
- 認知症ケア上級専門士テキスト第1巻「改訂 認知症ケアにおける倫理」
- 認知症ケア上級専門士テキスト第2巻「改訂 認知症ケアのためのケアマネジメント」
- 認知症ケア上級専門士テキスト第3巻「改訂 介護関係者のためのチームアプローチ」
認知症ケア上級専門士テキストの第1巻では、認知症ケアにおける倫理面の専門知識や倫理的ジレンマを解決する方法などについて学べます。
第2巻では、認知症の方に対するアセスメントの方法やケアプランを作成する方法など、実際の現場で役立つ実践的な内容を学べます。第3巻では、チームアプローチを円滑に進める方法やケアマネジメントのための要件なども解説しています。
認知症ケア上級専門士の試験勉強では、認知症ケアに関する実践的な知識や技術だけでなく、ケアマネジメントやチームアプローチについて学べる点が大きな特徴です。
認知症ケア上級専門士を取得するためには
認知症ケア上級専門士の試験は、テキスト全3巻の中から50問の問題が五者択一式で出題されます。それらの問題に対する正答率が70%以上であれば合格です。
認知症ケア上級専門士は、認知症ケア専門士よりも試験内容が難しいだけでなく、受験要件も厳しく設定されています。
そのため、認知症ケア専門士の合格者数は毎年1,000名〜2,000名以上の合格者が出ているのに対し、2023年の認知症ケア上級専門士合格者数は18名でした。
認知症ケア上級専門士の試験は、1年に1回しか開催されません。また、一回の受験ごとに10,000円の受験料が必要な点にも注意しましょう。
4. 取得方法について
認知症ケア上級専門士試験を受験するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 認知症ケア専門士としての経験が3年以上あること
- 専門士資格更新の有無に関わらず、2018年4月1日〜2023年3月31日までに認知症ケア専門士の単位を30単位以上取得していること
- 認知症ケア上級専門士研修を修了していること
- 次のいずれか1つ以上の条件を満たしていること
⚪︎認知症ケア上級専門士制度規則にある学術集会,地域部会研修会等での演題発表ならびに事例報告(筆頭者のみ)
⚪︎認知症ケア上級専門士制度規則にある,査読制度のある機関誌等での論文・事例発表(筆頭者のみ)
現在、2024年の試験に関する情報が公開されていないため、今年度の試験日や申し込み期日は不明です。
2023年の場合、試験日は12月3日で、申し込み期間は9月1日〜9月29日となっています。例年通りのスケジュールで2024年も開催するのであれば、9月ごろに申し込みが開始されるため、期日が近づいたら日本認知症ケア学会の公式サイトを確認するとよいでしょう。
こんな方におすすめ
認知症ケア上級専門士を取得するためには、認知症ケア専門士として実務経験を積むだけでなく、学術集会での発表や事例報告などを行う必要があります。
そのため、ただ認知症ケアに関する専門知識を身に付けるだけでなく、自ら探求して知識とスキルを身につけていく姿勢が求められるでしょう。
また、認知症ケア上級専門士となると、認知症ケアチームのケアマネジメントやケアプランの作成など、チームをまとめる役割を担えるようになります。
認知症ケア上級専門士は、認知症ケアに関して高い関心を持っており、チームマネジメントにも興味がある方におすすめの資格です。
認知症ケア上級専門士を取得するメリットとは
認知症ケア上級専門士は、認知症高齢者へのケアにおいて重宝される資格です。そのため、認知症ケアのニーズが高い病院や施設などへ転職する際や、介護職としてのキャリアアップのために役立つでしょう。
特に、介護業界では、今後予測されている認知症高齢者の増加と介護人材不足が問題視されています。
認知症ケアにおけるチームアプローチの重要性も高まっているため、それらの専門知識を持つ認知症ケア上級専門士は、さらに活躍の場が拡大していくでしょう。
まとめ
認知症ケア上級専門士とは、日本認知症ケア学会が主催する資格のひとつです。認知症ケア専門士や認知症ケア准専門士の上位にあたる資格で、それらの資格と比較すると取得難易度が高い資格です。
認知症ケア上級専門士は、主に認知症ケアにおけるケアマネジメントやチームアプローチに関する専門知識を学びます。将来的に認知症高齢者が増加していくことから、認知症ケア上級専門士のニーズはさらに高まっていくでしょう。
認知症ケアに高い関心を持っている方や、チームマネジメントに興味がある方は、認知症ケア上級専門士の取得をおすすめします。
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