ケアマネ協会、今年の事業計画発表で大きい変化を求められる介護支援専門員

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

連載16回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

日本介護支援専門員協会は6月29日に社員総会を開き、今年度の事業計画や予算などを報告した。【Joint編集部】

事業計画の重点課題の1つにケアマネジャーの処遇改善を掲げた。介護保険の次の制度改正・報酬改定を見据え、国への働きかけを一段と強めていく構えだ。

この日の総会では、必要な人材の確保や離職の防止、ケアマネジャーの社会的な評価の向上などにつながるよう、協会一丸で取り組んでいく方針を確認した。

「賃金、労働環境、仕事のやりがい。この3つが整い“三方良し”となることで、介護支援専門員の魅力が一段と高まる。しっかりと発信していきたい」

協会の柴口里則会長は総会でこう強調。今年度の報酬改定で居宅介護支援などの基本報酬が引き上げられたことを評価しつつ、この流れを更に加速させるべく尽力する姿勢をみせた。

2027年度の次の制度改正では、居宅介護支援のケアマネジメントで利用者負担を新たに徴収し始めることの是非も大きな焦点となる。反対の立場をとってきた協会は、「データ戦略が重要」と説明。現場の意見や課題を集約し、明確なエビデンスに基づく議論を展開していく意向を示している。

(引用介護joint)

ケアマネ協会が今年の事業計画を発表

ケアマネ協会が毎年発表している今年はこれを行っていきますっていう書類ですね。

年間の目標とかではなく、今年これやる予定ですっていうある程度具体的な計画書になっています。

これからのケアマネ協会がどんな方針で動くか?

これによってケアマネ業界全体がどう動くかが変わってきます。

詳しい内容としてはケアマネ協会のホームページに載っていますので、興味がある人は隅々まで読んでみてもいいかもしれません。

今年一年間、ケアマネ協会がどんなことをするか?

どんなことに注力していくかがはっきりと記載されています。

ケアマネ協会に会費を払っている人は特に気になる所ではないでしょうか?

【公式】ケアマネ介護福祉士は非会員ではあるんですけど…。

一般社団法人 日本介護支援専門員協会 » 情報公開(事業計画・収支予算書、事業報告・計算書類)

今回の計画はケアマネの処遇を改善するために全力を尽くすっていう前置きの元、今年の事業計画を打ち出していますね。

全部を解説するのはちょっと大変なので、今回はいくつかポイントになっている所を説明していきましょう。

調査研究事業

(1)介護保険法改正・介護報酬改定に向けた調査研究を行う(情報収集システムを活用したモニター調査を含む)
(2)令和6年度の介護保険制度改正及び介護報酬改定を受けて、現状を調査・分析し、課題の対応について検討する。(居宅介護支援事業所部会)
(3)介護保険施設における介護支援専門員の業務と位置づけについて現状調査と分析を行う。(介護保険施設等部会)
(4)主任介護支援専門員・介護支援専門員の実態及び確保についての調査結果の詳細な分析と分析結果の活用を行う。(シンクタンク創設のための特別委員会)
(5)ICTの活用の実態及び課題に関する調査・分析を行う。(シンクタンク創設準備のための特別委員会)
(引用 : 一般社団法人日本介護支援専門員協会 令和6(2024)年度事業計画

数年前からシンクタンクの創設をしますっていうことで打ち出していましたが、今年に完成させるって目標ではなく、その準備期間が主って感じですね。

シンクタンクっていうのはいわゆる調査機関的な意味合いでデータを集めて解析、問題解決の方法を探る頭脳集団を差します。

以前から介護業界はICTを活用してデータ収集、それによって介護度の改善だったり、職員不足の解決をしてこの超高齢社会を乗り切ろうという舵を取っています。

ケアマネ協会も独自にシンクタンクを作って、ケアマネの働き方を分析、職員不足の解結だったり処遇改善に役立てようっていう話ですね。

このブログを読んでいる方々には関係ないかもしれませんが、社会福祉学やケアマネジメント学を教えている教授さんたちにとっては新しい肩書やポジションが増えるので眉唾物。

もしかしたらすでに研究しているものがあればそれを加速度的に飛躍させられる可能性もありますね。

一般のケアマネにとっても多くのデータが集まることによって、みんなが抱えている不満や苦労が浮き彫りになる。

それを解決する方法が導き出されることに期待できるかもしれません。

認定資格事業

(1)災害支援ケアマネジャーの養成研修及びフォローアップ研修の実施
(2)生涯学習体系研修の実施
(3)ワークサポートケアマネジャー養成研修の実施
(4)メディカルケアマネジャー養成研修の実施
5.広報・出版事業
(1)広報機能全般の体系化を進め、更なるソーシャルネットワーキングサービス(Facebook ページ等)を活用した研修会等の広報・PRを行う。
(2)「居宅介護支援事業所管理者の手引き」及び「新人介護支援専門員のためのスタートアップブック」の販売促進及び各都道府県支部の後援を行う。
(3)ワークサポートケアマネジャーガイドブックの販売促進を行う。
(4)4訂/介護支援専門員研修テキストおよび試験を活用した研修修了評価システムの販売促進、および既刊発行物の販売促進を行う。
(5)その他
(引用 : 一般社団法人日本介護支援専門員協会 令和6(2024)年度事業計画

ケアマネ協会が作ったワークサポートケアマネという資格、ケアマネジャーを紡ぐ会が作った産業ケアマネとだいぶ酷似している感じもあるので負けないように普及活動しなくちゃいけないのはすごくわかります…。

しかも産業ケアマネは資格がいらないのに、ワークサポートケアマネはケアマネ協会の会員にならないと受けられないのでハードルが高い…。

ケアマネ協会が作った正式な資格だといわんばかりに頑張って普及しないとあっという間に負けてしまいそうな状況ですね…。
そして注目すべきは「災害支援ケアマネジャー」という新たな資格の創設…。

と思ったら令和元年からあったみたいですね…。

ネットを結構深くまでサーフィンしても、北海道で一度その講習を行った実績を確認しただけで、こちらはすでに概形化しているようですね…。

ただ、令和元年からのここ数年を見るだけでも、地震、津波、豪雨等により国が激甚災害地域に認定した都道府県はほぼ全国に渡る…。

最早災害のない地域は日本にないといっても過言ではない状況…。

その中でケアマネも震災時の対応を学んでおく必要がある。

有事の際に活躍できるケアマネを作ることによって国、国民から認められる職業にしていこうっていうことみたいですね。

ICT 関連事業
(1)研修オンライン化システム(研修受講管理システム、試験を活用した研修修了評価システムWeb版等)の普及促進を図る。
(2)希望する都道府県支部に対するZoomアカウントの有償貸与を行う。
(引用 : 一般社団法人日本介護支援専門員協会 令和6(2024)年度事業計画

今、介護業界のSNSをにぎわしているケアマネの取得や更新にかかる研修問題…。

一部の介護業界界隈では研修を廃止しろという運動が盛んにおこなわれているようですね。

【公式】ケアマネ介護福祉士個人の意見としては自身のブログで何度か触れているように研修が無くなればケアマネはAI以下になり下がり消滅するのは間違いないと思っています。

研修自体をなくせばケアマネ協会に入ってくるお金も無くなり、ケアマネの地位を向上させるための政治的ロビー活動もできなくなるので本末転倒ですね。

ケアマネ協会にも講習廃止の活動は耳には入っているでしょうけど、今回の事業計画にはもちろん研修の廃止に向けた見直しみたいな項目は入っていませんでした。

代わりに、研修をオンラインで行えるようなお手伝いをしますって事みたいですね。

具体的にはzoomの有料アカウント貸し出し…。

確かにzoomは無料アカウントだと40分しか開けないので研修には不向き…。

さらに、受講者が100人を超えると更に高い優良プレミアムアカウントを持たなければならない…。

確かに年数十回のために有料アカウントを契約するのは都道府県のケアマネ協会にとっては負担感がある…。

公的団体以外が企画するオンラインセミナーなんかは回数が数回となればさらに負担感は大きい…。

それを有償とはいえ貸してくれるとのこと…。

値段によってはありがたいし、研修のオンライン化に対して有効な取り組みになるかもしれませんね。

まあケアマネ協会以外にもzoomのアカウントを貸してくれる所はあるし、何なれば配信を一手に引き受けてくれる業者さんは大小星の数ほどあるんですけど…。

災害対策・支援事業
(1)災害支援ケアマネジャーの養成 ・都道府県支部において「災害支援ケアマネジャー」の養成及び新たな災害支援のあり方を地域の特徴を活かした災害対策訓練を支援する。また、当協会においても研修を実施する(状況によりオンラインとなりうる)。 ・各サービスにおけるBCP計画や訓練、都道府県支部のBCP計画と行政との連携の4 進捗状況を確認するとともに、個別避難訓練計画の分析を行う。
(2)BCP(事業継続計画)に関する対応 ・各サービスにおけるBCP計画や訓練、都道府県支部のBCP計画と行政との連携の進捗状況を確認する。
(3)各都道府県における個別避難計画の動向について調査を行う。
(4)小規模の居宅介護支援事業所のための災害時協定書のひな形の作成を検討する。
(5)有事に備えた対応 ・災害支援活動に関する基本的スキームの構築と対応ツールを作成する。 ・日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)との連携や研修を進めるとともに、全国災害福祉支援連絡協議会準備会と連携して福祉相談職の災害対策研修に協力する。
(引用 : 一般社団法人日本介護支援専門員協会 令和6(2024)年度事業計画

今年から社会福祉法人だけでなく介護業界に関わる多くの事業所がBCP計画の策定を義務付けられました。

BCP計画とは、災害時における事業の継続性を図るための計画。

つまり、地震や水害等があってもここで言うケアマネジメント業務を行えるように、事前に計画しておくことが義務付けられたということです。

多くのケアマネジメント事業者は、停電等により、電気が止まった時にはこんな動き方をして利用者さんのマネジメントをしますよ?

みたいな計画を立てていることでしょう。

今年は正直なところ、作ってあれば合格ですみたいな書類になりますが、震災はいつ襲ってくるかもわかりません。

しっかりとした計画を作る後方支援を行うとのことですね。

震災経験者の【公式】ケアマネ介護福祉士としてはとても心強い取り組みに感じています。

会員サポート事業
(1)会員管理システムの運用並びに会員専用サイトの効果的運用
(2)介護支援専門員賠償責任保険制度
(3)介護支援専門員総合補償制度
(4)その他
(引用 : 一般社団法人日本介護支援専門員協会 令和6(2024)年度事業計画

【公式】ケアマネ介護福祉士は残念ながら協会非会員ではあるんですけど、その理由はメリットがほとんどないから…。

主任ケアマネの更新に必要な研修を優先的に受けられる以外のメリットが見当たらないからですね。

今年から主任ケアマネになったといえど、更新のために研修を受けまくらなければならないのはまだ先の話…。

その辺を考えるととてもじゃないけど、毎年お金を払うのはちょっと気が引ける…。

更新研修に、主任ケアマネ研修とここ2年間で結構な金額を払っているわけですし…。

会員の特典が充実してくれば会費を払っても会員になりたいなと思うわけですけど、今回の事業計画ではその辺は明確になっていませんね。

会員管理システムの運用だったり、会員専用サイトの効果的運用って言われても、お金払って会員にならないとみることすらできないですから…。

【公式】ケアマネ介護福祉士的に業界はそれほど変わらない…

あくまで【公式】ケアマネ介護福祉士の個人的な考えではありますし、事業計画はあくまでも計画ですし具体的な内容がまだ示されているわけではないので何とも言えませんが、事業計画を見る限り、オンライン化が進み、国が掲げるDX化のためのデータ収集及びそのデータを基にした研究や取り組みがなされる。

ケアマネ業界もそれに寄り添う形で動きますっていうことが分かった程度。

ケアマネの処遇改善のために全力を尽くすっていうことですけど、国の指針に寄り添った方針を打ち出しただけで、どれもすでに行われていることをちょっとお手伝いするだけ…。

取り組みとして真新しいものではないです。

話題になっているケアマネの研修廃止についても、そんなことを言わせない内容の研修にしますとか言及してくれればいいものを絶対に耳まで届いているはずなのになにも言及はなし…。

仮にケアマネ協会にこの運動が届いていないのであれば何やってる団体なんですか?

何のために存在するんですか?

っていう話になりかねない…。

ケアマネの処遇を良くするために全力を尽くすという今年一年の計画で大きく変わりそうなのは、研修がオンライン化に大きく傾くところくらい…。

【公式】ケアマネ介護福祉士個人的には現地に行く手間がなくなるのですごく助かりますがまずはその流れに乗れないであろうケアマネへのサポートが必要。

それこそそういった研修が必要になるのかもしれませんね。

細かいところでBCP対策としてオンライン化を目指すとかが項目として記載されていますが、自らzoomやGooglemeetのホストをすることができるケアマネがいったい何人いるでしょう…。

草の根的に全国各地でオンラインに対応できるケアマネづくりのための研修をオフラインで開催…。

平均年齢52歳のケアマネ業界が国の指針に沿ってDX化するためにオフラインで勉強会を開く…。

ケアマネのためのケアマネ協会なのですから世間からの見方を考える前に実情に合ったことを行う。

まずはそこからなのかもしれません。

他にも具体的に何を話し合うかも記載されており、主任ケアマネの人材不足緩和のために受講要項を見直すとかが議題には上がっているようですが、主任ケアマネになるための要件を緩和して、いったい誰が自ら主任ケアマネになりたいと思うのでしょう…。

主任ケアマネになって得られるメリットは管理者を行えること、特定事業所加算の要件クリアに必要な人間になれること以外に何かメリットがあるのでしょうか?

ケアマネの平均年齢を考えれば、主任ケアマネになるための資格要件を満たす人が少ないのではなく、単純に主任ケアマネになりたい人が圧倒的に少ないのではないでしょうか?

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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