介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。
連載19回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
福祉医療機構(WAM)は9日、介護保険の訪問介護の経営状況を明らかにする調査レポートを新たに公表した。【Joint編集部】
それによると、2022年度の赤字事業所の割合は42.8%。前年度の40.1%から更に2.7ポイント悪化した。訪問介護の事業運営の厳しさが改めて浮き彫りになった格好だ。訪問介護をめぐっては、今年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた経緯がある。WAMはレポートで改定に触れ、「経営への打撃が懸念される」と指摘した。
国は処遇改善加算の拡充、特定事業所加算や認知症専門ケア加算の見直し、口腔連携強化加算の新設といった施策も併せて講じたが、どこまで活かされるかはまだ不透明。訪問介護は足元で事業者の倒産件数も増えており、このままでは地域のサービス提供体制の綻びが一段と深刻化する、と心配する声が出ている。
この調査はWAMの貸付先が対象。事業者の2022年度決算などをもとに、訪問介護の経営状況を分析した結果が報告されている。
そのレポートによると、2022年度は物価高騰などで経費率が前年度から1.3ポイント上昇。赤字事業所が増えた要因の1つとなった。
赤字のヘルパー事業所が増えた?
今回、介護事業所の全てを網羅するといっても過言ではない福祉医療機構(WAM)いわゆるワムさんの取ったアンケート結果により訪問介護事業所で赤字になってるよと回答した事業所が去年よりも増えたっていうところですね。
ワムさんって、事業所の加算だったり事業所番号だったり所在地や職員の人数や保有う資格がのっていたり…。
通所系なら通っている利用者さんの人数、訪問系だったら担当している利用者さんの人数だったりと丸裸にされそうなくらいの情報が載っているワムネットを運営している所…。
また、事業所を開くときに国庫さんのほか、介護事業所だとワムさんがお金を貸してくれたりするのでここから来るアンケートだったり調査っていうのはすごく信ぴょう性があるし、アンケート自体の母数も多くなるんですよね。
そんな毎年やってるアンケートで去年よりも赤字だと答えたヘルパー事業所が増えた理由を解説していきましょう。
新型コロナウイルス感染症は爪痕を残したまま…
おととしまで黒字だったのに去年から赤字になった事業所が3%近く増えたっていうのがアンケートから見て取れますね。
一昨年といえば新型コロナウイルス感染症が全盛期でデイサービスが閉鎖になったから急きょヘルパーさんを依頼するなんて言うことがまだ多少あったかもしれない時代ですね。
一昨年は新型コロナウイルス感染症によって良くも悪くも利用者さんのサービス供給依頼の量がヘルパー事業所は増えた感じでしたね。
もちろん感染症リスクを抱えて仕事を受ける可能性が高まっているのでそのストレスに耐えきれない職員さんたちが辞めていった時期でもありますが…。
ヘルパーさんの多くは高齢でご自身に疾患があったり疾患のある家族や受験等で人生をかけた勝負を前にしていて罹患するわけにはいかないなんて事情の方が多かった印象なので辞めることに関しては仕方ない部分も大きかったかなとは思いますが…。
ただ、去年からはそういったサービスの突発的な流動も収まり、デイサービスで新型コロナウイルス感染症が出たからといってサービス事業者が閉鎖したり利用者さんの中に罹患者が出たから怖いのでデイサービスを休みますなんて言うところが極端に減ったので、突発依頼は無くなった…。
でも、残ったものがある…。
それは感染症対策の新たなスタンダードプリコーション…。
今まではなあなあだった検温だったり感染予防を行うために必要な物品や手間が増えましたね。
体温計も利用者さんのとヘルパーさんのを用意。
使ったらすぐにアルコール消毒。
体温計ってそれなりの頻度で壊れるし、電池も交換しなくちゃいけない…。
今まで任意って感じだったマスクも、つけてないとすっごい嫌な顔されるような世の中になったので新型コロナウイルス感染症が流行しているとか最早関係なくずっとつけてなくちゃいけない雰囲気になりましたね。
田舎だとヘルパーさんが移動する車の消毒だったりも残ってる…。
本当に水以上かと思う勢いで消毒液を使いまくるし、使い捨てマスクは当たり前だけど使い捨て…。
いままでなかった必要経費が増えたっていうのが大きなところですね。
赤字になる理由としては新型コロナウイルス感染症によるバブル的な収入が入っていた事業所もあったでしょうがそれが収まった。
ランニングコストとしてマスク代や消毒費が新たに大きくふえた。
収入が減った事業所、支出が増えた事業所、その両方が起こったためと考えられますね。
戦争の影響と不景気は日本全体を包んでいる…
消毒費やマスク代が新たに大きくかかるようになった。
じゃあ何か節約しないとねっていう話なんですけど、そうもいかないのはウクライナとイラクの戦争がきっかけだったのかも最早わからないですし、【公式】ケアマネ介護福祉士は経済アナリスト的ポジションではないのでわかりませんが日本が不景気で経済が低迷しているのは間違いない状況…。
それにより、経費を削減しようにも基本的な単価は上がるばかり…。
具体的に言えばヘルパー事業所は事務所を持たなければいけないし、都心部だと地方と違って自宅兼事務所が許されないところも多い…。
電気代、水道代などの光熱費が高くなり続けている…。
田舎は自転車で訪問なんてことあり得ないので車を使いますが、もちろんガソリン代の高騰により大ダメージを受けていますし最近【公式】ケアマネ介護福祉士のラインヘも幾度となくガソリンスタンドさんからタイヤ代が上がるから早く買いましょうの通知が届いています。
また、都心で活躍している電動自転車はバッテリー交換が必要で、盗難が横行しているくらい値段が高騰している。
互換品も発火してテレビやニュースで事件になって以来高い純正のバッテリーを使うところも増えてきた印象ですね。
ガソリン代だけじゃなく、全てにおいて費用が高くなっているんでしょう…。
もともとサ高住ヘルパー事業所が黒字を押し上げている…
もともとヘルパー事業所は大きく分けてサービス付き高齢者向け住宅等の施設専門ヘルパー事業所と、一般の在宅を回るヘルパー事業所に分かれます。
こういったアンケートや国が発表するデータにはこの二つを明確に分ける手立てがあまりないのでデータとしてはっきりとはわかりませんが、【公式】ケアマネ介護福祉士の漠然とした感覚だと、サービス付き高齢者向け住宅等を専門としない一般の在宅介護を担っているヘルパー事業所で黒字を維持しているのはもう3割以下なんじゃないかと思ってしまうくらいです…。
今年は間違いなく更に赤字のヘルパー事業所が増える
そんなヘルパー事業所が黒字から赤字へ転落したところが3%近く増えたという結果だったところですが来年はもっと増えるか、あくまでもアンケート結果なのでつぶれたり閉鎖したりしたところはアンケートを記入できないでしょうから数字に表れなかったとしても実際には赤字だったなんて言うところがさらに増えると断言します。
赤字の事業所が今年はもっと増える理由…
なんでかというのはすごく簡単…。
今年の介護報酬改定でヘルパーの介護報酬が減額されたから…。
もともとヘルパー事業所の支出はほとんどが人件費。
しかも正社員が多ければ、ボーナスの減額等で一時的に支出を抑えるっていうことが安易ではありますが可能…。
ただ、ヘルパー事業所の多くは正社員はほとんど居なくて登録ヘルパーがほとんど…。
人件費を削減という究極の方法は取れません。
削減しようにも感染症対策に使う費用や固定費は上がる一方…。
削減どころではありません。
また、幸か不幸かですが今まで車を所有していなかったヘルパー事業所でも、数年前に新型コロナウイルス感染症に職員が罹患してまん延しないようにするため、感染リスクの高い電車やバスでの移動をしなくて済むようにという名目で車を補助金活用して所有している所もチラホラ…。
対策が落ち着いたところで経営的には裏目に出ているなんてところもごく少数ながらあるんでしょう…。
もともと小規模な訪問介護事業所の多くは介護現場からの独立が多く経営に関しては明るくない事業所がほとんど…。
しっかりと大きな事があっても経営を続けられるように収益化できている事業所はそれほど多くなく、おそらくはちょっとしたことで赤字転落しそうな事業所がほとんど…。
そんな状況の中で今回の介護報酬減というのはもともとの経営能力があって、会社を作った時点で作れている事業所でなければ赤字転落でもおかしくないんじゃないかというほどの削減…。
今年度はさらに赤字転落する事業所、閉鎖、倒産する事業所が増えるのは間違いない所でしょう。
【公式】ケアマネ介護福祉士的に地方の訪問介護事業所は閉鎖ラッシュか?
ここからは【公式】ケアマネ介護福祉士の予測範囲であり、そうならないでほしいという願望も含んでいますが、地方都市のヘルパー事業所はかなりの窮地に立たされることでしょう。
【公式】ケアマネ介護福祉士も訪問は車が必須の地域でケアマネをしていますが訪問にかかるランニングコストが上がっている実感はあります。
週一回はガソリン入れるけど、めちゃめちゃ高い…。
ケアマネもヘルパーさんも地方は移動距離が長くなりがち…。
むしろ、ヘルパーさんのほうが遠くまで行ったりすることが多く分ガソリン代は高そうな印象…。
まあガソリン代は自分持ちっていう登録ヘルパーさんも多い印象ではありますけど…。
また、地域加算といって、地方はよほどの過疎地域でない限りもともと介護報酬も低く設定されているため、企業の利益率も低くなりがちな印象ではあります。
大手企業であれば他のサービスや他の事業所での収益もあるのでなんとか存続できそうな所もあるかもしれませんが、小規模の事業所はなくなく閉鎖っていう可能性も考えられるかなと個人的には思うところです…。
小規模事業所で残る所はもはや家族経営の所だけなんじゃないかと戦々恐々です…。
サービスの大規模化が加速する印象…
これも【公式】ケアマネ介護福祉士が個人的に思うところですが、今回は見送られた通所介護、いわゆるデイサービスの職員が自宅を訪問するサービスを本格導入するための布石なのかと思ってしまいます。
次々とヘルパー事業所を倒産させ、自宅での介護サービスを不足状態にする。
地域のため、需要にこたえるため、ある程度の採算が見込める状態であればある程度報酬が低くてもデイサービスがホームヘルパー的な動きをする新しい加算を取りに行くでしょう。
そうすれば全体的な需要を満たしたうえでホームヘルパー事業所に払っていた報酬よりも少ない単位数でデイサービスにその役割を担わせることができれば国としても大幅な介護報酬の削減という目的を達成できるでしょう。
もちろん、普通の考えならばホームヘルパー事業所を潰してからデイサービスにその仕事を移行させるっていうのは今まさにヘルパーさんの力を借りて生活している多くの高齢者にとって不利益以外の何物でもない…。
もちろん、ホームヘルパー的な業務を担うデイサービス側だって、ホームヘルパー事業所がある以上それほど多くの需要は取り込めない。
でも、職員確保や車両の確保はしなくちゃいけない…。
赤字確定のまま事業を始めるところはそうそう多くないでしょう…。
そんなせめぎあいもあって、デイサービス側に大幅な忖度をした結果がこの結果なのかなと勘ぐってしまうところですね…。
ケアマネ側の個人的な想いとすれば…
【公式】ケアマネ介護福祉士の個人的な見解ではありますが、ケアマネの業務という観点から見れば、デイサービス側がホームヘルパーとして介入するということは連携
しなければならない事業所が一カ所減る…。
契約も一回で終わるので時間が短縮される可能性がある…。
利用者さんの身体状況や家族状況をある程度分かっている可能性があるため新規の事業所さんへ情報共有する必要がなくなるのでやりやすくなる…。
新しいサービスがどんな形で提供されるのかっていうのも決まっていないのではっきりとしたことは言えませんし、4年後の報酬改定でも見送られたり、情勢が変わってそんな構想自体がなかったかのように扱われる可能性もありますが…。
それでも、これだけ一歩でも道を外せばヘルパー事業がオワコン化させ
られそうな状況ですね…。
ヘルパーさんにも大転職時代の突入か?
ヘルパー事業所は多くのスタッフさんが登録ヘルパーであり年齢も驚異の2023年時点で54.4歳…。
いつ仕事を辞めていもいいと思っている年齢の方も多い印象かもしれませんが、多くのスタッフさんはいつ辞めてもいい、老後を楽しく過ごすためにちょっと働くとかではなく今の生活のために働いている人たちが多い印象…。
一般的に介護業界の離職率は下がってきているし、ヘルパー事業所は働いている人の平均年齢が高い。
多くの人間は年齢を重ねると安定志向や、新たな環境へ飛び込むストレスとかを考え、離職する人が極端に低くなる…。
それでも働いている事業所自体が閉鎖や倒産に追い込まれれば強制的に転職活動を行うこととなる日が迫っているかもしれませんね。
もしこの記事を読んでいるヘルパーさんがいるとすればアナタの働いている事業所は倒産や閉鎖のない事業所なのでしょうか?
介護業界以外にも手を伸ばしていて、安心できる会社か?
介護業界一本だとしても入居施設や他のサービスにまで手を伸ばしている大企業なのか?
これからまた訪れるであろう大きな介護報酬改定の波や未曾有の災害、それでもなおしっかりと収益を出し続け、存続できそうな企業なのか?
改めて自身が働いている会社を見る必要があるのかもしれませんね。
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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