利用者家族からハラスメントの標的にならないためには…

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

連載21回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

介護職の労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が8月30日に公表した最新の「就業意識実態調査」の結果で、利用者・家族による介護職へのハラスメントの深刻な状況が明らかになった。

ケアマネジャーなど一部の職種は、利用者より家族から被害を受けるケースが多いと報告されている。【Joint編集部】

「直近2年以内に利用者・家族から何らかのハラスメントを受けたか」との質問に対し、「受けた」と答えた介護職は26.8%。全体の4分の1を超えていた。

これを職種別にみると、ケアマネジャーは29.0%が「受けた」と回答。内訳は「利用者から」が8.7%だったのに対し、「家族から」は12.7%、「利用者と家族の両方から」は7.6%にのぼっており、利用者が加害者のケースの方が少ないことが分かった。

家族と接する機会の多さが影響しているとみられる。NCCUの村上久美子副会長は、「何かあったらケアマネジャーに相談するという家族がおり、それだけハラスメントを受けやすいのではないか」と指摘した。

この調査は、NCCUが組合員を対象として今年3月、4月に実施したもの。月給制で働く3691人の介護職から有効な回答を得ている。

ケアマネジャーのほか、入所施設の管理者もハラスメントは「利用者から」より「家族から」の方が多かった。

ハラスメントの内容はいずれも、理不尽な要求や苦情、暴言などの「精神的暴力」が圧倒的に多い。ただ「身体的暴力」も少なくない。ケアマネジャーの13.0%、入所施設の管理者の22.7%が受けていた。

また、ケアマネジャーの11.6%がセクハラを受けたと答えている。

(引用介護joint)

ハラスメントの的になるケアマネは家族のサンドバック?

何とも言い難い今回の話題はハラスメントに関して。

ハラスメントといっても、精神的、身体的ハラスメントと大きく分かれ、
更に細かく今の時代はハラスメントと一言で言ってもめちゃめちゃいろんなハラスメントがあります。

正直なところ、【公式】ケアマネ介護福祉士的にどれがハラスメントになるかなんて弁護士でもないのでもはやわかりません。

ただ、【公式】ケアマネ介護福祉士も、これは明確に家族からハラスメントを受けたなっていう事案は確かにいくつかあります。

特にケアマネは利用者さんの直接介護をするわけではない…。

何か強く文句を言っても利用者さんに危害が及ぶわけじゃないし、実際にケアマネが何をしているかは家族から見えない。

ただ、月一回顔を見に来るだけの人と思っているご家族さんとかはそりゃあモンクのはけ口になったりもすることでしょう。

特に介護負担が多く、ストレスのはけ口がなかったりもともと器質的に喜怒哀楽が激しいご家族さんに関してはハラスメントに及びやすい印象です。

【公式】ケアマネ介護福祉士が受け例たハラスメントの例

怪しいボーダー的なものは数え切れませんが、【公式】ケアマネ介護福祉士が明らかなハラスメントだと認識して、ケアマネジメントの中止や交代を相談した事例としては、急きょ、ショートステイの利用を打診され、お目当てのいつも使っているショートステイが満床。

他のショートステイを勧めた際にテーブルを強く。

住宅改修の補助が認められないことを伝えると市役所に駆け込んでお前を仕事できないようにしてやる!お前の人生を潰すことなんて簡単なんだぞ!と恫喝。

利用者さんがサービス拒否あり。

お前が紹介した責任を取って説得するまで帰るな!と玄関を施錠される。

利用者家族から大声を出し人格否定されたため、ハラスメントであることを告げ退室すると車まで追いかけ、車の窓ガラスを叩く。
覚えいてるだけでこのくらい…。

おそらくハラスメントに該当するけど、あまり気にしていない事柄に関してはもっとあるのかもしれません。

もちろん、ハラスメントを気にしていたら仕事にならないから我慢しろって事でもありませんし、昨今ではハラスメントによるサービス利用の中止というのは決して珍しいことではありません。

むしろ利用者さんやそのご家族さんに関して、契約に基づいたサービス利用でありその契約要件にハラスメント=サービス利用の即時中止がほとんどの事業所において盛り込まれていることを認識するべきだと思われます。

施設の相談員や管理者もハラスメントの的

【公式】ケアマネ介護福祉士も、特別養護老人ホームにおいて相談員を兼務していた時代があります。

その時も、今すぐ施設に入れないと市役所に駆け込むぞ!

夜ぐっすり寝れると思うなよ?

みたいな言葉をかけられたことは一度や二度じゃありません。

よく、現場の介護職員さんとかから相談員は現場に出てくるわけじゃないから楽だとか言われたりもするでしょうが、現場で働く方々のために利用者さん家族からのハラスメントだったり苦情だったりの矢面に立っているわけで違う意味ですごく疲弊しているんですが、立ち位
置が違うと見える景色も違う…。

やっぱり分かり合えないところになるんでしょうね。

どうやってハラスメントを防いでいくのか?

【公式】ケアマネ介護福祉士的見解なので、本音と建前の二つを説明してきましょう。

建前としては、ケアマネがハラスメントを受ける原因として一番大きな部分は何をしに来ているかが明確に見えないからでしょう。
ヘルパーなら家事やおむつ交換、入浴介助、更衣等の明確な仕事が見えやすい。

訪問看護はバイタルを取ったり、デイサービスやショートステイは介護全般を見てくれる。

じゃあケアマネは?

利用者さんの状態を把握し、介護保険が適切に行われているか?

介護保険の利用継続が望ましいか?

利用者さんが不利益を被っていないか?

もっと望ましい介護保険利用があるのではないか?

文章にするとそんな感じでしょうが利用者さん家族からすると月一回ふらっと来て、何気ない話をして帰っていく。

何も変わらない来月の予定表を置いてハンコをもらっているだけに見えるでしょう。

建前を話すのであれば、基本的にはケアマネの職務をしっかりとお伝えしたうえで信頼関係を構築するべき。

いらぬハラスメントを受ける理由として、関係構築が上手く形成できていない証拠。

しっかりと利用者さん家族と関係を構築して、目には見えづらい形であるものの、職務を全うしていること。

些細なことでも一番に相談してもらえるように日々、マネジメントを行っていくべきでありそれが出来ていないから…。

という感じのことをきっとお堅い人たちはおっしゃるのかなと勝手に予測してしまいますが、【公式】ケアマネ介護福祉士は現任で主任介護支援専門員としてしっかりと働いているので建前だけじゃ何ともならないご家族がいるのもしっかりとわかっています。

むしろもとからそういう人なんだろうなとか相性がわるかったんだろうなっていう感じで、関係構築云々を考える機会のほうが少ないです。

器質的にパワハラ気味な人とかがいるのは事実。

いくら適切なケアマネジメントが行えたとしてもハラスメントをゼロにできるなんて思っていません。

【公式】ケアマネ介護福祉士的ハラスメントを回避する方法?

正直なところ、回避する方法は職務上なかなか難しいと思っていますので、回避方法はありませんが正解かも…。

代わりにハラスメントにあったらすぐ逃げられる方法をお伝えしましょう。

基本的にどの法人も最近はハラスメントに対する契約解除を契約書や重要説明書に記載している所がほとんどかと思います。

なので、契約書を巻く際には、しっかりとハラスメント被害だと認定した場合には契約解除を申し出る旨をしっかりと伝えておきましょう。

特になんか高圧的だなと感じた場合はしっかりと時間をかけ説明しておくことが重要だと思われます。

また、ハラスメントを受けたと思った際には契約書を取り出し、ハラスメントによる契約解除に該当することを伝えられるように訪問時や支援時は準備しておきましょう。

また、そこで言い争いになると余計にハラスメント被害を被る可能性があるため、

「管理者や上司に相談の上後日に結果をお伝えするので、本日は支援の途中ですが退席させていただきます。異議申し立て等は契約書に記載されている事業所、または市町村へお願いいたします。」

といって早々に引き上げましょう。

モタモタシテいると追いかけられますので、一度頭の中でシュミレーションしてから一気に事を運びましょう。

第三者を介入するというのは利用者さん家族も一度頭の中をクールダウンするいい機会にもなりますし、事業所交代、担当交代となった後も後任の方に同様のハラスメントを行ってしまわないようにと心に十字架を立てる機会にもなるでしょう。

【公式】ケアマネ介護福祉士的にハラスメントは増えていく

年々介護保険料は高くなっていき、負担割合が2割の方、3割の方もどんどん増えていきます。

今回の介護報酬改定で見送られたといえど、ケアマネジメント費も利用者負担が発生する日はそう遠くないでしょう。

その中で、サービス費用を払っている意識が高くなり、介護保険という公的制度を使っているという意識がドンドン薄まっていくでしょう。

ハラスメントの特徴としても

「こっちは長年介護保険料を払っているんだ」

「金払ってデイサービスに行ってるんだ」

「高い金払ってるんだからいうことを聞け」

みたいなハラスメントを受けたことがあるケアマネや事業所っていうのは少なくないと思われます。

今まで3割負担の方っていうのはごく一部の富裕層だけであって、むしろ3割負担の人からこういったハラスメントを受けることは少ない印象…。

母数が多いからかもしれませんがむしろ1割負担の方からこういった公的保険制度を使っている認識がないんだろうな、薄いんだろうなというハラスメントを受けることの方が多い印象…。

これが、あと数年して原則自己負担が2割、3割となればハラスメントが急増する可能性も大いにあります。

今はごく一部の方がハラスメントに至るという構図ですが、これが利用料金が2倍、3倍になるのに所得は変わらず。

むしろ年金はどんどん減る一方…。

ハラスメントが増加するのは自然現象のような構図が待っています。

その中で、ハラスメントに対するしっかりとしたマニュアルや姿勢というものが必要になってくるのではないでしょうか。

また、管理者や経営者も、目先の利用者減という収益の減収に目を向けず、それによる職員へのストレス増大で離職の危険性、我慢させる、無理を強いることによる精神的不調を考慮し早々に支援を打ち切る等の対応をするマインドが必要不可欠になるでしょう。

この記事をご覧になっているアナタが務める事業所はアナタを守ってくれそうな事業所ですか?

それとも目先の利益を最優先にしそうな事業所ですか?

この記事を読んでいる管理者さん、アナタは他の職員を守る決断をできますか?

それとも目先の利益にとらわれ、無理強いを押し通そうとしますか?

働くスタッフはそれほどバカではありません。

自分を守ってくれない企業や上司の下で長く働こうと思えない職員がほとんどです。

このハラスメント対応という問題は職員の離職という大きな問題も側面にあることをしっかりと心に刻みましょう。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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