【企業インタビュー vol.2】SOMPOケア株式会社

介護業界で転職を検討されている、介護業界に挑戦してみたいという方に向けてe介護転職に求人掲載中の企業へインタビューを実施しました。

第2弾となる今回インタビューを行ったのは、SOMPOケア株式会社!
SOMPOホールディングスの介護事業として、国内各地に複数の介護サービスを展開しています。

インタビューに答えてくださったのは・・・

SOMPOケア株式会社
人財採用部 キャリア採用課
安田 幸弘 様

SOMPOケアの経営理念は、『人間尊重=人を大切にすること』ですね。

『人を大切にする』の『人』とは、ご利用者様とそのご家族だけでなく、SOMPOケアで働く従業員やそのご家族、SOMPOケアに関わる全ての方々のことを表しています。

ご利用者様が充実感や生きがいを持って日々の生活を送る為には、介護スタッフの支えが重要です。その介護スタッフが笑顔でやりがいを持ち、心穏やかな態度でご利用者様に接するために、会社としては従業員が活き活きと働ける環境整備を行うことが大切だと考えているのです。

従業員が笑顔で働けることによって、ご利用者様も充実感を持って生活出来る、こういった好循環の中で、弊社が掲げる『介護プライド』を持ったプロフェッショナルな介護人材の育成にも力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

『介護プライド』を持ったプロフェッショナル人材を育てるということですが、人材育成のための研修制度や、キャリアアップ制度について教えてください。

介護業界初の企業内大学、『SOMPOケアユニバーシティ』を東京(2017年)、大阪(2018年)に設立しました。SOMPOケアユニバーシティは、実際に運営している介護施設と同じサイズのお部屋、トイレなどを用意したり、訪問するご利用者様のご自宅を想定した段差のある部屋や畳の部屋を用意して、実際に働く環境と同じ要領で研修できる設備が整っており、スタッフの方の介護に関する知識や技術を修得・育成する目的で、入社してから10日間(座学3日、実務7日)の研修を受講いただきます。

SOMPOケアでは『カスタムメイドケア』といって、ご利用者様に対して「〇〇の時間だから〇〇をしましょう」といったような集団でのケアは行っておらず、ご利用者様一人ひとりに合ったケアを提供しています。それぞれの生活リズム、生活スタイルに合わせてケアすることの重要性を、このSOMPOケアユニバーシティでの研修でしっかりとお伝えする様に心掛けているんです。

もちろん入社後の研修だけでなく、フォローアップ研修やe-ラーニング研修など、働きながら段階的に研修を行って、『介護プライド』を持ったプロフェッショナル人材の育成を進めています。

入社後の10日間研修は、未経験の方だけのものなのでしょうか?

介護職未経験の方や経験の浅い方はもちろん、経験のある方にも基本的に研修は実施します。ケアの基本的な技術や知識については変わらないかもしれませんが、これまでのノウハウはあくまでもその会社、法人での経験です。SOMPOケアに入られたタイミングで今一度基礎的な部分を振り返っていただいて、今後のケアに取り組んでいただきたいと考えています。

キャリアアップ制度についてはいかがでしょうか?

介護スタッフとして働くみなさんには、『介護福祉士の取得』を目指していただくように促しています。待遇面で言えば、初任者研修修了者、実務者研修修了者、介護福祉士の方では基本給が異なるということも一つの理由なのですが、今後のキャリアを描いた時に、介護士としての専門性を高めて介護の前線で働き続けるのか、介護支援専門員を目指すのか、管理者を目指すのか、本社で働く事を目指すのか、職員一人ひとり思い描く未来は異なると思うんです。入社したてでは、将来のキャリアを今挙げたように思い描くことが難しくても、介護福祉士の受験要件である実務経験3年が経った頃には、業界のことも会社のことも分かってきて、様々なプランを考えることも出来るようになると思うんです。介護福祉士を取得していることは損にはなりませんので、まずは介護福祉士取得に向けて、実務3年と介護福祉士実務者研修を受講しようねと、お伝えしています。

「数字で見るSOMPOケア」というページで、介護福祉士保有率が42.2%であることを拝見しました。この率は介護業界的には高い水準なのでしょうか?

42.2%は決して低い数字でもないと思いますが、高い数字とも言えませんね。今後は60%の方が介護福祉士を保有している状態を目指したいと考えています。

介護福祉士を取得することを推奨されているということですが、資格取得支援制度はあるのでしょうか。

介護福祉士実務者研修の費用は全額会社負担しています。

2019年に実施した処遇改善と合わせて、34億円を投資して処遇改善を実施されたそうですが、定期的に処遇改善を行える理由はどこにあるのでしょうか。

経営理念を『人間尊重=人を大切にすること』としているように、成長を続ける介護業界のリーディングカンパニーとして歩んでいきたいという想いがあります。

介護士は「給料が安い」「誰でも出来る仕事」というイメージが一般的にはあると思っています。介護のお仕事をしたことがある方には分かると思うんですが、介護は誰でも出来る仕事ではなく、専門性が高い仕事です。こうしたイメージを取り払うためにも、まずは弊社がスタッフの処遇を改善し、プロフェッショナル人材を育てていくことが大事だと考えているんです。

ICT化を進めていくということですが、SOMPOケアさんは ”Future Care Lab in Japan” を展開していたり、テクノロジーを活用して、貴社のみに留まらず介護業界全体の発展を目指しているように感じます。

”Future Care Lab in Japan”は、介護施設における従業員の業務負担軽減及びご利用者様の介護の質の向上を目標として、製品やシステムの開発に取り組んでいます。先程も言ったように、介護士は誰でも出来る仕事ではなく、専門性の高い仕事です。その専門的な仕事に専念できるように、何が出来るのかということを常に考えています。

現在弊社全施設に導入されたものの一つに睡眠センサーがあります。ベッドのマットレスの下に入れて、バイタルを測ったり、睡眠状態などの情報がひとつのモニターで確認することが出来るようになっているのですが、これによって夜勤スタッフの業務負担が改善したんです。
夜勤スタッフはこれまで、ご利用者様の体調に変化はないか、離床して転倒したりしていないか定期的に巡回していました。睡眠センサーの導入後は、巡回しなくてもそういった情報を収集することが出来るので、巡回や訪室の頻度が少なくなったという結果が出ています。

現在検証中の製品ですと、排泄センサーでニオイで排泄を感知したり、尿量を測ったりすることが出来るものがあります。これまではスタッフの目視で記録を行っていたものが、データとして収集できるようになるので、ご利用者様の体調管理であったり排泄介助のプラン設定に役立てると考えています。

介護で得た莫大なデータを自社内でご利用者様への介助に役立てたり、スタッフの負担軽減に役立てるのはもちろんのこと、世界の中でも高齢化がいち早く進む日本の代表として、諸外国が高齢化を迎えたときに役立つような、そんなものにしていきたいとも考えています。

ICT化を進める中では、中高齢のスタッフさんに対する教育が難しいと伺ったことがありますが、貴社ではどのように進めていったのでしょうか?

弊社では、介護記録を紙で取っていたものを、現在はipadやスマートフォンで入力するように切り替えました。やっぱり最初はアレルギーのように、「やり方が分からない」と毛嫌いされるスタッフさんもいらっしゃいました。ですが、使っていくうちに慣れるんですよね。現場単位での指導にはなりますが、導入の時点で丁寧にレクチャーすれば、後は慣れなのでそこまで大変ではありません。もちろん、現在も入力は苦手という方はいらっしゃると思いますが、音声入力などにも対応するようにしていますので、運用の部分で工夫できることを考えて取り組みましたね。

介護業界における『働き方改革』は難しい部分もあると思いますが、SOMPOケアでの取組みを教えてください。

『働き方改革』は新しいことを導入するだけではなく、『働きにくい環境を改善する』ことが必要だと考えています。その為、弊社では相談窓口をいくつか用意するようにしています。介護(ケア)に関する相談を受ける窓口、ハラスメントに関する窓口、社内の者には相談しづらい内容を受ける社外窓口など、相談内容に応じて窓口を複数用意しているので、スタッフの方が「改善してほしい」と思っていることは直に吸い上げる環境を整えています。

また、社員一人ひとりに『Myパーパス』を考えて頂いています。『Myパーパス』とは自分自身の自己実現のために、社会的責任やご利用者さまの生きがいを原動力に日々やりがいを持って働くことを目指します。日本人の多くは、仕事が7割、生活が2割、残りの1割でやりたいことや趣味に取り組んでいたりと、仕事の割合が大きい方だと思います。ですが、マイパーパスを考えることで、自分の中身を整理する、「自分の目標ややりたいことって今のままで叶えることが出来るのかな?」と考えることが出来るようになります。もっと趣味の時間を増やそう、目標に向かって勉強しようと仕事の部分何割かをそこに当て込んでも、不思議と仕事のクオリティーが下がらないことが多いんです。理由は、自分を再認識してメリハリが付くからなんですよね。こうやって、処遇改善や勤務における部分だけでなく、『自己実現』に向けた支援をしていることも、弊社の働き方改革の一つなのではないかと考えています。

では最後に、介護業界に転職を検討されている方にメッセージをお願いします。

月並みではありますが、介護ってすごくいい仕事なんです。一日に何十回も『ありがとう』って言ってもらえる仕事はそうないと思います。もちろん良い事や楽しい事ばかりではなく大変なこともありますが、テクノロジーの活用も進みますし、より専門性の高い仕事になっていくことは間違いありません。介護に興味を持ったなら、ぜひ飛び込んでみてほしいと思います。

オープン情報

  • 2022年4月に神奈川県で新規施設『ラヴィーレレジデンス横浜本郷台』がオープン
  • 2025年までに新棟を33棟開設予定
  • 訪問看護事業所が年度内に20~30開設予定