介護現場でのお仕事は、人と人との関わり合いです。職員間における連携も重要ですが、何より、サービスを提供する利用者は人生の大先輩であるため、相応の接遇・マナーが求められます。
この記事では、介護の現場で接遇・マナーが求められる理由を説明するとともに、今すぐ実践できる接遇・マナーを紹介します。
記事でわかること
介護現場における接遇・マナーとは
介護現場における接遇・マナーとは、利用者及びそのご家族を思いやる気持ちで、何を求めているのかを考えながら、提供する介護サービスを指します。
介護現場で接遇・マナーが必要な場面はたくさんあります。
- 利用者との挨拶、コミュニケーション
- 様々な介助場面での配慮、声掛け
- ご家族との挨拶、面談等
利用者に合わせたコミュニケーションを取り、介助の場面では利用者の心身状態に配慮したり、聞き取りやすい声量や認識しやすい言葉を選んで声掛けをする
ことが大切です。
また、利用者のご家族とは面会に来られた場合や送迎時に顔を合わせることがあります。目を見て元気な挨拶をするように心掛けることで、信頼感が生まれ、大切なご家族を安心して任せることができると感じてもらえるでしょう。
面談等でお話する機会があれば、適切な言葉遣いで利用者の状況を説明したり、ご家族の不安に思っていることや相談内容に耳を傾けるなど、接遇・マナーを実践する場面が多々あります。
なぜ介護現場に接遇・マナーが必要なのか
そもそも、なぜ介護現場において接遇・マナーが必要なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
利用者の生活が快適になる
介護現場は利用者にとって生活の場であるため、利用者が求めていることは、非日常の特別な体験ではなく、快適な日常生活を送ることです。
利用者に気を配りながら介護サービスを提供することで、利用者の日々の生活が快適なものになるように心掛けましょう。
利用者からの信頼を得られる
接遇・マナーの実践は、利用者の信頼を得ることに繋がります。
利用者の信頼がなければ、良い介護は提供できず、介助の際に抵抗が見られたり、転倒やケガに繋がる恐れがあります。
事故を未然に防ぎ、安全な介護の提供に繋げるためにも、接遇・マナーを心掛けることにより利用者からの信頼を得ることが重要です。
今すぐできる!接遇マナー実践編
ここでは、特別な事前準備が不要で今すぐできる接遇・マナーの基本を紹介します。
挨拶・表情
にこやかな挨拶は、良好な人間関係をスタート・定着させる力があります。
逆に挨拶ができない、不十分な場合は、印象が悪くなってしまうばかりか、その後の人間関係に影を落としかねません。
相手の目を見て、口角を上げ、お辞儀をしながら挨拶をしましょう。
その際に重要なのはその場に合った、声の大きさ・お辞儀の角度です。すれ違いざまの挨拶ならば、相手に聞こえるほどの声の大きさと、会釈が適切でしょう。
思いやりの気持ち・態度
利用者のなかには、自立した生活を送ることができないことや、一人でトイレができないことを、恥ずかしいと思っている人がいます。
そういった方に対して、羞恥心を持たずに済むようなスムーズな介助を提供するとともに、適切な声掛けを行いながら精神的負担を取り除くのも、介護に携わる者に求められる接遇・マナーの一つです。
姿勢・立ち居振る舞い
利用者及びそのご家族は、職員の立ち居振る舞いをよく見ています。
すべての行動を細かく見られている訳ではありませんが、話を聞くときは相手の目を見て(相手が座っている場合は腰を落とす)必要があればメモを取る、廊下を歩くときはドタバタ音を立てずに周囲に配慮する、物の受け渡すときも相手に目線を合わせ、声掛けをしながら手渡すなど、相手が受ける自分の印象を意識してみましょう。
目線を合わせる
利用者とコミュニケーションを取る場面では、目線を合わせることがマナーです。
姿勢を正しくして、目線を合わせて話を聞くだけでも、相手に好印象を与えることができます。
これは、利用者だけでなくご家族とのコミュニケーションでも同様です。できる限り目線を合わせて寄り添う姿勢を取り、話しやすくなるような雰囲気を作ると良いでしょう。
身だしなみにも注意
介護現場ではユニフォームが貸与されることもあれば、自前でTシャツ等を用意することもあります。どちらにせよ、インナーシャツを出したり腰パンをするなどのだらしない着こなしや、衣類についた汚れを放置したままにするのは避けましょう。
身だしなみが整っていないことで、第一印象が悪くなり、せっかく丁寧な言葉遣いや介助をしたとしても、その第一印象で説得力を失ってしまうことがあるからです。
また、利用者のなかには職員の染髪に対して否定的な考えを持っている人がいるため、華美な毛髪は控えましょう。加えて、ピアスやネックレスなどの装飾品は、身体介助の邪魔になり・ケガの元となる恐れがあるため、外しておきましょう。
節度をわきまえたコミュニケーションを
介護の現場では、利用者がフレンドリーに接してくれることが多くあります。それに応じて、職員の言葉遣いが馴れ馴れしくなっている場面が多くありますが、節度をわきまえる必要があります。
利用者からフランクに接してほしいという要望があったとしても、利用者の容姿やご家族のことを悪く言ったり、根掘り葉掘り個人的な質問をしたり、大切にしている物や思い出を傷つける発言がないように、節度をもったコミュニケーションを取るようにしましょう。
まとめ
利用者との心地よいコミュニケーションの基本は、介護職が聞き役に徹することです。自分の話を一方的に押しつけるのではなく、利用者がストレスを感じないよう、話を聞いたり適度に相づちを打ったりするようなコミュニケーションを心掛けましょう。
この記事を参考にきちんとした接遇・マナーを身につけて、満足してもらえるサービスが提供できるように意識してみてくださいね。
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