障害者福祉の仕事とは~サービスの種類や支援に役立つ資格をご紹介!~

介護福祉の仕事と大きく言っても、高齢者の生活を支援する介護の仕事の他に、障害者の生活を支援する福祉の仕事が存在します。

今回は、障害者を支援する障害福祉の仕事について、以下の項目に分けて紹介します。

  • 障害福祉の仕事内容とは
  • 障害者を支援するサービスとは
  • 障害者支援に役立つ資格とは
一つ一つ詳しく解説していきますので、サービスの違いがよく分からない方や資格取得について悩んでいる方はぜひチェックしてみてくださいね。

障害福祉の仕事内容について

障害福祉の仕事は、障害を持つ方々が自らの望む生活を送ることができるように支援することです。
ただし、抱える障害の特性やその程度は人によって違うため、一人ひとりに合った支援・サービスの提供が求められています。

勤めるサービスによって具体的な仕事内容は異なるため、一つずつ見てきましょう。

施設入所支援

施設入所支援とは、障害者の暮らしの場の提供と生活上の支援を一体的に提供するサービスです。
主に夜間において、障害者支援施設に入所する障害者に対し、入浴・排泄・食事の介助などのサービスを提供します。また、生活に関する相談に応じたり日常生活上の支援を行う場合もあります。

こうした夜間におけるサービスと合わせて、日中では生活介護(後述)を提供するのが一般的です。日中・夜間でそれぞれにサービスを提供することで障害者の日常生活を一体的に支援するのが狙いです。

生活介護(障害者デイサービス)

生活介護(障害者デイサービス)とは、障害者に対する入浴・リハビリテーション・相談・助言まで、日常生活上の支援を幅広く提供するサービスです。
障害者支援施設などにおいて、常時介護が必要な障害者に対し、主に昼間において、入浴・排泄・食事の介助・家事(調理・洗濯・掃除など)のサービスを提供します。
また、日常生活に関する相談に応じ適切な助言をするとともに、日中の創作的活動(折り紙、書道、絵画等)や生産活動(パン作り、和紙作り、農作業等)の機会を提供します。

居宅介護

居宅介護とは、自宅に住む障害者の生活を支えるために行われるホームヘルプサービスです。高齢者介護では「訪問介護」という名称が広く使われていますが、障害者支援の場合は「居宅介護」というのが一般的です。
訪問介護員が障害者の自宅を訪問し、入浴、排泄、食事の介助、家事(調理、洗濯、掃除等)のサービスを提供するだけでなく、日常生活に関する相談に応じ、生活全般にわたる援助を行います。

居宅介護とについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
居宅介護って何?訪問系の障害者福祉サービスの種類や特徴を解説!

重度訪問介護

重度訪問介護とは、自宅で生活する重度の肢体不自由または行動上著しい困難のある知的・精神障害者で、常時介護を要する人のもとへ訪問介護員が訪問し、身体介護、家事援助(育児支援を含む)、移動介護などを総合的に行うサービスです。

行動援護

行動援護とは、行動に著しい困難がある知的・精神障害者が行動する際に生じる危険を回避するための必要な支援や、外出の支援を行うサービスです。

対象者によってはコミュニケーションを取ることが難しかったり、その場に適した行動を取ることが難しい場合などがあります。そのため、対象者の特性に応じたコミュニケーションを取りながら、ご本人だけでなく周囲の安全に配慮して支援することが重要です。

なお、対象者のなかには知的障害・発達障害を重複して持つ人がおり、ごく一部ですが行動障害または強度行動障害を抱える人もいます。具体的な症状や特徴は次のとおりです。

行動障害 脳機能の損傷のために、自分で自分の行動を十分に制御できなくなり、注意障害、記憶障害、遂行機能障害などのために、状況をうまく判断できず結果的に不適切な言動が出る状態。
強度行動障害 知的・発達の障害により、自分の身体を叩いたり、食べられないものを口に入れる、人を傷つけたり物を壊したりするなど、周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が高い頻度で起きるため、特別な支援を必要とする状態。

行動援護を行う上で、障害の特徴を十分に理解して支援することが重要です。

同行援護

同行援護とは、移動に著しい困難がある視覚障害者が外出する際、ご本人に同行し移動に必要な情報の伝達や、移動の援護、排泄、食事の介助などのサービスを提供するサービスです。

外出先では必要に応じて次のようなサポートを行います。

  • 代読や代筆
  • 言葉で周囲の状況、注意点を伝える
  • ドアの開閉、エレベーターのボタンを押す
  • 階段の昇降における介助 など

共同生活援助(障害者グループホーム)

共同生活援助(障害者グループホーム)とは、障害者が住み慣れた地域において少人数の共同生活ができるように支援するサービスです。
主に夜間において、障害者が共同生活を行う住居で、入浴、排泄、食事の介助を提供したり、日常生活上の相談に応じます。
このサービスは、障害者の孤立や生活への不安を解消する目的もあり、共同生活による障害者自身の身体・精神状態を安定させることが期待できます。

就労支援

就労支援とは、障害者の一般就労に向けたサポート、または就労に向けた訓練を行うサービスです。
このサービスは以下の4つに分けられるため、それぞれ整理して説明します。

就労移行支援

就労移行支援とは、就労を希望する障害者(65歳未満)に対し、生産活動や職場体験などの機会を提供し、就労に必要な知識や能力向上のために必要な訓練を行います。
対象となる障害者は一般企業等に雇用されることが可能と見込まれる人で、就労移行支援事業所へ通いながら、就職に向けた準備・訓練を受けることができます。

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就労継続支援A型

就労継続支援A型事業所とは、一般企業での就労が難しい障害者に対して、働く機会を提供するサービスです。
65歳未満の障害者が対象。事業所と雇用契約を結び、賃金を貰いながら様々な業務(パソコンデータの入力代行、軽作業等)に従事します。

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就労継続支援B型

就労継続支援B型事業所とは、一般企業での就労が難しい障害者に対して、働く機会を提供するサービスです。
体調や年齢が理由で、事業所と雇用契約を結ぶことが難しい人が対象で、生産活動を通じて、知識および能力の向上のために必要な訓練を行うサービスで、生産物に対する成果報酬として工賃が支払われます。

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就労定着支援

就労定着支援とは、就労移行支援などを通して一般就労に移行した障害者に対し、就労に伴う生活面の課題に対応するためのサポートを行うサービスです。
体調や生活リズム、家計の管理など、就労に伴い発生している生活面の課題を把握し、就業先企業の担当者や障害福祉サービス事業者、医療機関などと連絡を取りながら必要な支援を提供します。

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障害児を支援する仕事

障害者だけでなく、発達障害(グレーゾーン含む)を持つ子どもを支援する仕事も存在します。
未就学児の療育を行う「児童発達支援」や、小学生~高校生までの児童・生徒の療育、生活・学習サポート等を行う「放課後等デイサービス」などがありますが、詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてくださいね!

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障害者支援の仕事で役立つ資格

障害福祉の仕事は、ほとんどの場合が無資格でも就業することが可能ですが、支援対象者の障害特性を詳しく知り、適切なサポートを行うためにも資格取得は有効と言えます。
ここでは、障害者支援で役立つ資格をご紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基本知識や技術を取得する研修です。受講時間は130時間と長いですが、受講要件はなく誰でも受講することが可能です。

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介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、国家試験である介護福祉士の受験を検討されている方は受講が必要な研修です。受講時間は450時間と長いですが、介護職員初任者研修を受講済みの方はその内130時間分の受講が免除されます。受講要件はなく誰でも受講することが可能です。

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移動支援従業者養成研修

移動支援従業者養成研修とは、障害を抱える方の外出をサポートするための知識や技術を習得するための研修です。支援対象者の障害(視覚障害、知的障害、全身性障害)によって研修課程が異なります。

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行動援護従業者養成研修

行動援護従業者養成研修とは、知的・精神障害により常時介護が必要な行動障害を持つ方の介護知識を深めるための研修です。

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強度行動障害者支援者養成研修

強度行動障害者支援者養成研修とは、知的・精神障害により常時介護が必要な方の内、生活環境への著しい不適応構想を多く起こす強度行動障害を持つ方の介護知識を深めるための研修です。

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行動援護従業者養成研修について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

同行援護従業者

同行援護従業者養成研修とは、視覚障害を持つ方の外出時に伴う適切な介護方法を修得するための研修です。一般課程と応用課程の2種類があり、応用課程を修了することでサービス提供責任者になることができます。

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居宅介護職員初任者研修

居宅介護職員初任者研修とは、障害者の居宅を訪問する介護職員が介護知識や技術を習得するための研修です。受講要件はなく誰でも受講することが可能です。

居宅介護職員初任者研修についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック!
移動支援従業者養成研修について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

重度訪問介護従業者養成研修

重度訪問介護従業者養成研修とは、障害支援区分が4~6に認定されている障害者に対する介護知識などを修得するための研修です。重度の肢体不自由・重度の知的障害・精神障害などにより常に介護を必要としている人の生活をサポートする重度訪問介護で必要となります。

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重度訪問介護従業者養成研修について~研修内容や働ける場所についてご紹介!

相談支援従事者研修

相談支援従事者研修とは、障害を持つ人の保健・医療・福祉・就労・教育などに関する悩みを解決するための知識を修得するための研修です。初任者研修、現任研修、主任研修が存在します。

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介護福祉士

介護福祉士は国家資格で、介護職でリーダーや管理職を目指す方、第一線で活躍を続けたい方両者におすすめの資格です。受験ルートは複数ありますが、介護福祉士実務者研修修了+実務経験3年が一般的なルートです。

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社会福祉士

社会福祉士は国家資格で、日常生活において困りごとを解決するための相談支援を行うことが主な仕事内容です。対象者は障害者だけでなく、高齢者、生活保護受給者、ひとり親家庭、児童なども含まれます。福祉系大学等を卒業したり、一定の実務経験を経ることが資格受験要件です。

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精神保健福祉士

精神保健福祉士は国家資格で、心の病を抱えた方やその家族などに対して日常生活を送るための支援を行うことが主な仕事内容です。福祉系大学等を卒業したり、一定の実務経験を経ることが資格受験要件です。

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児童指導員任用

児童指導員任用資格者が児童指導員として働く場合、支援が必要な子どもの療育や生活のサポートを行うことが主な仕事内容です。特定の学部を卒業した方、教員免許や定められた国家資格の保有者、児童福祉分野で一定の実務経験がある方は任用資格者である可能性があります。

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児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者は、発達障害などを抱える子どもが利用するサービスにおいて個別支援計画の作成や管理などを行うことが主な仕事内容です。一定の実務経験を経た上で基礎研修と実践研修を修了する必要があります。

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サービス管理責任者

サービス管理責任者は、障害福祉サービスにおける個別支援計画の作成や管理などを行うことが主な仕事内容です。一定の実務経験を経た上で基礎研修と実践研修を修了する必要があります。

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まとめ

障害者総合支援法では、障害を抱えていても住み慣れた地域や、自宅・施設等で生活を送ることができるよう、様々な種類のサービスが提供されています。

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