介護福祉業界における調理職とは?仕事内容、働く場所、給料、調理師免許が必要かについて詳しく解説!

介護福祉業界における調理職とは?仕事内容、働く場所、給料、調理師免許が必要かについて詳しく解説

介護施設や障害者支援施設で募集される調理職のお仕事に興味を持ったことがある方もいるのではないでしょうか。

  • 介護福祉業界における調理職の仕事内容とは?
  • 調理職として働くには調理師免許が必要?
  • 調理職が働く場所は?
  • 調理職の給料は?

今回は、介護福祉業界で働く調理職の仕事内容や、調理師免許が必要かどうか、働く場所や給料について詳しく解説します。

介護福祉業界における調理職とは

介護福祉業界で働く調理職とは、管理栄養士や栄養士が作成した献立に基づいて施設に入居する高齢者や障害者の食事を作るお仕事です。

季節に合わせた行事食を作ったり、その施設で働いている職員の食事を作ったりすることもあります。

調理職になるには調理師免許が必要?

調理職と聞いて、調理師免許が必要なのでは?と感じた方も少なくないのではないでしょうか。

もちろん、調理師免許を持っている場合は就職や転職の際に優遇される可能性は高いですが、必ずしも必要というわけではありません。

飲食店でのキッチンスタッフの経験がある、家事として料理を日常的に行っているなど、一般的な調理の知識や包丁の使い方に問題がなければ調理職として働くことができます。

調理職の仕事内容

介護福祉業界で働く調理職の仕事は、食事を作るだけではありません。具体的に見てみましょう。

食材の仕込み

高齢者や障害者が入居する施設では、朝・昼・夕の3食(場合によってはおやつ)を提供します。

そのため、提供する食事の調理だけでなく先を見越した仕込みを行うことも重要です。
職場によっては、調理職が食材の発注などを行う場合もあります。

調理・盛り付け

調理職のメインの業務はもちろん調理となります。ただし、食事を摂る高齢者や障害者の中には、咀嚼や嚥下が困難な方がいる場合もあり、通常よりも細かく刻む、ミキサー食として提供するなどの個別対応が必要なケースが多々あります。

また、入居者の中には生活の一番の楽しみが食事であるという方もいれば、食が細くなっていて食べる気力が湧かないという方もいます。そのため、楽しく食事ができる工夫の一つとして盛り付けを丁寧に行うことも調理職の仕事の一つとなっています。

後片付け・調理器具のメンテナンス

調理を終えた後は、食器や調理器具の後片付け、メンテナンスを行います。

また、調理の中で気になることや、介護職員などから食事に関する申し送りを受けた場合には、管理栄養士や栄養士に報告し、職員間で情報を共有することも大切です。

調理職として働くことができる場所

調理職として介護福祉業界で働く場合、どのような施設が募集を行っているのでしょうか。サービス毎に見ていきましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は、特養とも呼ばれ、基本的には要介護3以上の介護度の高い高齢者が多く入居している施設です。

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介護老人保健施設

介護老人保健施設とは、老健とも呼ばれ、高齢者が病院を退院後のリハビリを行ったり、療養生活を送る施設です。

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有料老人ホーム

有料老人ホームとは、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの3つに分類される施設で、それぞれ提供するサービスが異なります。

介護付有料老人ホームは、介護・生活支援・食事等のサービスを、住宅型有料老人ホームでは生活支援・食事等のサービスを、健康型有料老人ホームでは食事等のサービスを提供しています。

障害者(児)入所施設

障害者(児)入所施設では、身体・知的・精神に障害を抱える方(子ども)が入居する施設です。日常の生活を支援するだけでなく、就業に向けた職業訓練などを行う場合もあります。

調理職の給料

厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護施設で働く調理職(月給・常勤の者)の平均給与額は、処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を算定している施設の場合は259,270円、特定処遇改善加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している施設の場合は261,380円でした。

なお、調理職の仕事はパート・アルバイトでの募集も多いことから時給の者の場合の平均給与額も見てみると、処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を算定している施設の場合は81,490円、特定処遇改善加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している施設の場合は85,810円となっていました。

調理師になるには

調理職の仕事は調理師資格を持っていなくてもOKと説明してきましたが、調理の仕事に就くならいずれは調理師資格を取得したいと考える方も多いのではないでしょうか。

調理師になるためには、調理師試験に合格し免許を取得する必要があります。でこの調理師試験を受験するために必要な要件や試験内容、合格率などを確認しましょう。

受験資格

調理師試験を受験するには、以下の両方を満たす必要があります。

  1. 中学校を卒業している者
  2. 飲食店、魚介類販売業、惣菜製造業、複合型惣菜製造業、寄宿舎、学校、病院等の給食施設で2年以上調理業務に従事した者
介護施設や障害者支援施設においても、継続して1回20食以上または1日50食以上の飲食物を調理している場合は対象となります。

また、パート・アルバイトでも週4日以上且つ1日6時間以上勤務している場合は職歴として認められます。

細かな注意事項もあるので、興味がある方は公益社団法人調理技術技能センターのホームページを参考にしてくださいね。

試験内容

調理師試験の試験科目は、公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論の6科目で、全60問が出題されます。回答方法はマークシートによる四肢択一式となっており、全科目の合計得点が満点の6割以上が正答であれば合格となります。

ただし、試験科目のいずれかにおいて、その科目の平均点を著しく下回る場合は不合格となる可能性もあるため、科目に偏りなく正答する必要があります。

合格率

調理師試験の合格率は、全国的に60%超が平均値となっています。

業務経験があれば誰でも合格できる試験ではないため、ご自身が培ってきた調理スキルや知識に加えて、試験対策としてしっかり勉強することも大切です。

調理師免許を取得するメリットとは

調理師免許を取得することのメリットは大きく分けて2つあります。

まず1つ目は、就職や転職に有利になるということです。料理が得意な方や知識が豊富な方でも、書類や面接の時点でそれを証明することは難しいですが、調理師免許を持っているということで、ある程度の経験や知識があるということを証明することができ、有利に働く場合があります。

2つ目のメリットは、ご自身の生活に役立てることができるということです。ご自身やご家族が健康に過ごすために食事は欠かせません。調理師試験に合格するために栄養学や食品衛生学といった科目も学習するため、それらの知識を活かした食事を摂ることができるでしょう。

まとめ

今回は、介護福祉業界で働く調理職の仕事内容や、調理師免許が必要かどうか、働く場所や給料について詳しく解説しました。

調理師資格がなくても料理関係の仕事ができ、介護施設や障害者支援施設といった社会貢献性の高い職場で働くことができる調理職にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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