介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただくことになりましたブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動をしており、居宅ケアマネとして奮闘中の
【公式】ケアマネ介護福祉士と申します。
連載5回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩
深刻な人手不足や物価高騰で介護現場がこれまで以上に厳しい状況に追い込まれているなか、来年度の改定で介護報酬を大幅に引き上げるよう求める声が強まっている。【Joint編集部】
介護人材政策研究会は2日、国内全体の物価や賃金の上昇幅、介護施設・事業所の経営状況などを独自に分析した結果を公表。特別養護老人ホームの例として、「来年度の報酬改定では、少なくとも4%のプラス改定が必要。施設の安定的な運営を図るためには、5%ほどのプラス改定が求められる」と指摘した。
介護人材政策研究会はこうした分析結果を、1日に開催された自民党の介護福祉議員連盟に提示。会長の麻生太郎副総裁らに対し、「次の報酬改定はまさに、我が国の介護サービスをいかにして守っていくかという重要な意義を持つ機会。厳しい現状を汲み取った大幅なプラス改定を」と要請した。
関係者によると、議連に出席した議員からは、他産業での賃上げの進展を受けて介護現場から人材が流出していることなどを念頭に、4%、5%といった大幅な報酬増に賛同する声が相次いだ。
介護人材政策研究会は今回、国内の消費者物価指数や他産業の賃金上昇率、介護施設の利益率、人件費率、経費率、減価償却費など様々なデータを用い、来年度の介護報酬改定で講じるべき施策を分析した。
(引用:joint介護ニュース)
新型コロナが落ち着いても介護業界は赤字まみれ…
いろんなところに大打撃を出して世界恐慌にでもなるのかって思うくらい猛威を振るった新型コロナウイルス感染症ではありました。
飲食業もある程度回復し、【公式】ケアマネ介護福祉士のもう一つの顔であるイベント事業のお手伝い的なものもだいぶ復活。
むしろ新型コロナウイルス感染症の分を取り戻そうって感じなのかめちゃめちゃいろんなところでいろんなイベントが復活していましたね。
そもそも飲食業や観光業はコロナバブルといわれるくらい補助金が入っていて、補助金が手厚くもらえた人たちに関しては濡れ手で粟だと同業者から批判がバンバン来た感じでした。
一方の介護業界はどうだったのか?
こちらの記事でも詳しくご説明しているのでご参照いただければ幸いです。
【参考記事】
特養の6割超が赤字という衝撃 コロナ禍や物価高騰が影響大
ざっくり言えば一応それなりの補助金だったり政策が新型コロナウイルス感染症の対策によって配られた形にはなりましたが、基本的にはほとんど継続するものはなかった…。
継続して使える補助金も赤字を埋めるには到底足りない状況。
さらに、あらゆるものの物価が上がった影響で施設のランニングコストは爆増…。
このままいくと企業努力ではどうにもならないから大きな箱もの施設はコストばっかりかかる割にお金にならないお風呂をやめたりとか、自社での食事提供を辞めてセントラルキッチンで作られたレトルト的な食事へ切り替えたりとサービスの質を落としてでも経営を存続させる努力が始まる雰囲気となっています。
実際に体力(資金力)がない施設に関してはすでに切り替わり始めている状況。
ランニングコストがかからないところでサービスの強みを出して集客を狙っていく形になっているようですね。
実際問題、特別養護老人ホームの6割が赤字だという異常事態…。
介護報酬の引き上げは急務であり介護業界が存続のサービスを継続していくには報酬引き上げっていうのはめちゃめちゃ必要なんだろうなと思います。
5%報酬引き上げによって職員の給料は上がる?
このブログをお読みいただいているのが現役介護職員さんだと仮定するとこれはやっぱり気になるところですよね?
はっきりと言いましょう。
今のまま世界情勢が続けば増えません…。
もちろんちょっと世界情勢がマシになった程度でも増えません。
それはなぜか…。
この物価高騰に対応するお金が報酬の4%…。
安定的な経営っていう部分で職員をつなぎとめるために必要なこれまで通りの昇給やまたいつ来るかわからない災害のために必要な余力資金をためられる報酬っていうところで5%は欲しいって話ですね。
5%の報酬アップが実現したとしても、すぐに職員の給料へは直結しません。
たとえ急に物価が世界情勢の影響とかで鬼下がりしたとしても、また新型コロナウイルスみたいな感染症が発生したりとか、また物価が上がったりする危険性を考えるとある程度会社が耐えられるくらいのお金を持っておかなくちゃいけない。
それでなくてもこの2年間で多くの福祉事業者が抱えていた内部留保をそれなりに吐き出した形になります。
職員に還元するのは大事ですが、ちょっとしたことで会社が倒産するような状態であれば給料が高くても安心して働けないって話ですからね…。
そもそも5%の報酬アップは実現するのか?
そもそも5%の収入アップが現実的に可能なのか?
これに関しては希望はあるのかなと思います。
介護業界からそういった話が持ち上がっている中、このままの加算で行くなら介護業界はつぶれてくださいって言ってるようなもの…。
じゃあその辺を考えると5%の報酬アップは不可能じゃないような報酬体系になるのかなって思います。
最大5%の報酬アップだから…
もちろん最大で5%の報酬アップでしょう。
その最大5%の報酬アップを勝ち取るためにおそらく様々なことをしなければならないと思います。
間違いないところで言えば科学的介護を推し進めるための協力。
現在でもLIFE加算は年々注目の的。
ご利用者様の身体状況や生活状況。
使っているサービスの種別等を国が作ったシステムに送ることによって、どんなサービスを使っている人が元気に過ごせているか?
どんな状況の人が多く介護の費用を使っているか?
どんなサービスを組み合わせている人が状態改善したかをデータ化し、今後の高齢化する社会で介護サービスを運営していくかっていうのの参考にするためにLIFE加算が新設されたんですよね。
国が肝入りで始めた事業ですから、途中でやめるってことはないでしょう。
新しいサービスは爆増
介護サービスって新しくやり始めるものに関してはめちゃめちゃ加算が高く設定されます。
参入障壁を低くして、多少上手くいかなくても何とかなるようにある程度高い報酬を設定するのが定番となっています。
ちょっと前なのであれば制度ができた最初のころは小規模多機能型居宅介護がめちゃめちゃ報酬高かったイメージでしたが、今はよっぽどうまくやってトントンですか?
みたいなところが多い。
小規模多機能型居宅介護から小規模看護多機能に変化してなんとか利用者さんが集まればプラスかなみたいな感じの印象…。
今回の報酬改定で、大きな目玉になりそうなのは通所介護が訪問介護も行う複合型サービスがそれにあたりそう…。
ただ、LIFE加算については、誰がそんなめんどくさいことその単位数でやるの?
みたいな感じで始まりましたが、今はLIFE加算(科学的介護加算)を取得していないと、軒並み上位の加算が取れないので報酬欲しかったら必ずやれよ?
みたいな状況。
通所介護だけがおいしい思いをしないようにもしかしたら最初はやってもやんなくても経営に影響がないくらいの加算点数にして配慮はする可能性もあるでしょうけど、間違いなく今年の台風の目になりそうな加算かなとは思います。
処遇改善加算はひとまとめに?
今の現状では、処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算っていう三つが存在…。
更にこの間の会議で新たに6000円くらいベースアップさせるための加算っていうのが新設される雰囲気の話になっています。
5%の報酬アップが実現しても介護職員の給料には関係ありませんが、こちらの処遇改善関連加算については国から出ているお金。
会社もお金を余分に出さなくちゃいけませんけど、負担はそんなにない。
実際問題、働いているワーカーさんに関してもう給料アップは処遇改善加算だよりってところでしょうね。
これに関しても国が出してくれているボーナスみたいなものでいつ無くなってもおかしくはないものになりますけど…。
処遇改善加算の金額が多くなればなるほど、セラピストさんやケアマネさんの給料が相対的に低くなってしまうので、どんどんケアマネやセラピストさんが減ってきている状況。
このまま推し進めれば特別養護老人ホームで働く看護職員さんですら介護職員と兼務する時代がきそうですけどね…。
5%の報酬アップするなら介護保険料も上げやすい…
介護業界と国の話し合いとかすり合わせの状況になるんでしょうけど、5%の報酬アップに欠かせないのが介護保険料の料金アップですね。
毎年なんですが、40歳以上の介護保険料をたくさん払ってくれる働いてお金を手に入れる現役世代は減っているのに、介護保険を使う高齢者は増え続けている。
そんな払う人と、使う人 のバランスが悪くてガンガン介護保険料が上がっている。
それでも、5%の報酬を上げないと介護業界が終わっちゃうよっていう話をされたからどうにかして介護業界を救うために介護保険料を上げます。
すごくいい増税の理由になりますね。
更に世界情勢が万が一早期に落ち着いたり物価が下がったら介護報酬は下げればいい…。
でも、介護保険料はせっかく批判覚悟で引き上げたんだからそのまま…。
国にとってもメリットのあるすごくいい感じの方法に見えませんか?
ただ、増税すればまたブーブー国民から言われるだろうから素直に5%の介護保険料アップにはならないでしょう。
たとえ介護保険料が5%アップしたにしても介護業界にそのまま全部使われるかどうかは別の話の気もします…。
【公式】ケアマネ介護福祉士の考察
長くはなりましたがざっくりまとめてしまうと、国民感情次第では全体的な介護報酬のアップはあり得る。
ただ、報酬アップがかなった暁にはそれ以上に国民から介護保険料の支払額が増える。
ただ、安心した収入にはならない可能性が高い。
むしろ介護事業所側も新しく新設された加算や、新たに大きな金額を振り分けられた加算を算定しないと収入アップどころかうまくいくと
マイナスになる可能性も…。
ゆえに事業所の代表クラスや経営、管理者クラスは新しい加算や報酬額の大きい加算を算定するためにどんなことをしなくちゃいけないのか?
場合によっては新しい職種を雇ったり配置転換を考えなくちゃいけなくなる…。
働く職員側としても、新しい加算や大きな金額を振り分けられた加算を算定するために新しいことをしなくちゃいけなくなる。
そんな大きな介護報酬改定がもう目の前まで来ている。
思考停止で働くだけでは給料が上がらない。
日々、上がり続けるランニングコストの軽減や、新しい加算の取得を考えなくちゃいけない。
どうやって稼ぐ事業所にするのかを一人一人が考えないと給料は上がらない時代になってきていますね。
この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。
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