介護業界にタイミーが参入でも人材不足は改善しない?

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

連載18回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

短時間・単発のアルバイトなどスポットワークをマッチングするタイミーが26日、東証グロース市場に上場した。【Joint編集部】

タイミーは国内のスポットワーク仲介市場の最大手。今年4月現在、登録ワーカー数は約770万人、登録事業所数は約25万件にのぼる。初値ベースの時価総額は約1760億円。今年最大の新規上場となった。

登録事業所は現在、物流や飲食、小売などが中心。これらに比べるとまだ多くないが、介護事業所・施設もターゲットの1つだ。既に約23万人の有資格者がワーカーとして登録しており、タイミーは更なる成長を図る構えをみせている。

《 タイミー・小川嶺代表取締役|7月26日 》
タイミーの小川嶺社長は26日の会見で介護分野について、「労働環境を改善するソリューションとして根付かせていきたい。これから人手不足が加速する業界。しっかりと伴走させて頂きたい」と説明。「潜在介護士が隙間時間で事業所・施設へ働きに行く、そこから現場への復帰や長期雇用へつながっていく、そんな流れが既に実現できている。有資格者のマッチングは、今後も幅広く展開していきたい」と意欲をみせた。職種間の業務の明確化、役割分担の推進などによる生産性向上を後押しする意向も示した。

スポットワーク仲介市場は現在、新規参入も相次いで覇権争いが激化している。介護現場での存在感も強まる見通し。既に多くの事業所・施設が単発バイトなどを受け入れているが、こうした形が今後更に浸透していく可能性もある。

(引用介護joint)

【公式】ケアマネ介護福祉士の営業エリアでもタイミーが動き出している

ネットの広告でよくみるタイミー。

いわゆる履歴書附陽の単発バイトで隙間時間に働くっていう感じですかね。

よく2時間とか飲食店で働きますみたいな広告が流れてきますね。

でも、ぶっちゃけ【公式】ケアマネ介護福祉士が住んでいるエリアは観光地にもかかわらず、全然浸透してない…。

なんかCMとかメディアでは観光がてら泊まったホテルで働いて…。

みたいなのをやってはいるんですけどね…。

でも今回、なんとタイミングのいいことに【公式】ケアマネ介護福祉士の働いている営業エリアでもなんと介護業界に参戦することが決まっているんですよね。

実際に説明会みたいなのも開かれているためちょっとこの記事に関しては他の人より詳しく書ける状況です。

行政をちょっとずつ巻き込もうと動いているタイミー

タイミーさんはすごいやり手だし、名前も売れているからなんでしょうけど、今回は行政だったりとか介護事業所だったりとかの会議にタイミーさんの担当者が出てきていろいろ説明をしてくださっています。

もう資料とか出してしまいたいくらいですが、それは多分不味いなと思うので控えておきますが、めっちゃ細かいスライドとかで説明して下さっており行政の職員さんや一部の介護事業所はかなり前のめりになってお話を聞いている状況ですね。

もともと介護業界への地盤もあるタイミー

単発バイトの斡旋をするタイミーさんですが、すでに700万人以上の登録者を抱えており、【公式】ケアマネ介護福祉士もしっかりとしたプロフィール登録はしていないものの、どこがどんな仕事をタイミーで募集しているかに興味があり、自分の営業エリアにもタイミーが積極的に介入するっていう話が出てから登録ているので会員の一人ではあります。

そんな700万人の登録者のうち、29万人が介護関係に役立つの資格を保有しているとのこと。

介護関係に役立つ資格ってどこからどこまでなんだろうという素朴な疑問は正直ありますけど…。

それでも【公式】ケアマネ介護福祉士の住んでいる周辺エリアでは、専門職で調べると介護関係の会社さんしか出てこない…。

もともと、タイミーとしても介護業界が働く人を募集していて、今後注力していく必要があるしお仕事してほしい企業側の地盤ができているのも介護業界への舵切りとなった要因なのかもしれませんね。

企業もアルバイトから直接雇用できるから派遣より安価でメリットだらけ?

タイミーさんの説明だと、単発バイトをしながらも、正社員として働くところを探す意味でタイミーで単発バイトをするっていう人や、どこかいい所があったら面接受けてみようかなっていう思いでタイミーを使っている人が72%というアンケート結果を持っているようで、ただの単発バイトということではなく、本当に安心して働けるかを探す意味合いで使っている人のほうが多いみたいですね。

それならば確かに派遣社員や人材紹介を利用するよりも単発バイトで何度か来てもらってから就職する方がコストもかからないし求職者、求人者双方にとってもメリットでしょう。

タダの単発バイトという考えがすでに浸透しきっているため、それを払しょくするためにタイミーさんは一生懸命説明会を開いているのでしょう。

就職前にアルバイト採用をしている企業は定着率がいい

これは【公式】ケアマネ介護福祉士が副業で企業様のインタビューをさせていただいた企業様の中でだけの話なのでエビデンスはかなり薄いですが、面接後即採用っていう会社さんよりも、とりあえずアルバイトで働いてみる?

みたいな感じの企業さんのほうが職員定着率が高いです。

実際にあまりにも定着率が良すぎて誰もやめないので何年たっても新人さんが新人さんのまま…。
本来であれば後輩の育成だったりを通して会社の理念や介護観を再度確認しながらさらに成長していくはずの新人…。

その機会がないからステップアップ的な成長ができない…。

そのために【公式】ケアマネ介護福祉士のようなライターに施設紹介を依頼して、その受け答えを新人さんにさせる。

外の人間に会社の理念を正確に伝えられるかっていうのを確認するために使ったりするみたいですね。

これがタイミーを使って契約を結ぶことなく簡単に施設でアルバイトしながら双方でミスマッチが起きないように人事の見極めができる。

すごくいい取り組みになりそうな感じには見えます。

【公式】ケアマネ介護福祉士的にはタイミーで介護業界が大きく変わることはない

ここまではタイミーさんが描く介護業界の変化やいい影響っていうところに言及しましたが、【公式】ケアマネ介護福祉士的に業界自体は変わらないんだろうなと思う点や懸念点をお伝えいたしましょう。

すでに人材獲得が上手く行っている所には関係ない話

すでに人材獲得が上手く行っている施設さんは新人さんがいつまでも新人で困るっていう悩みを抱えているくらい…。

人材獲得に成功している施設さんは基本的に人手が足りないなんてこともないし、外部への発信がSNS等を使って成功しているのでイベントごとなんかで局地的に人手がどうしても欲しいなんていう時には地域の方とか普段からSNSを見ているフォロワーさんが見学がてら遊びに来て手伝ってくれたりって感じでわざわざタイミーさんを使って人材獲得をっていう感じの雰囲気ではなりません。

タイミーさんを使うとすれば手伝ってくれる地域の方々やボランティア的な人たちにお礼を金銭で出したいからタイミーさん経由で募集みたいな形でしか使わないのかなっていう印象ですね。

人材不足の施設はタイミーを使っている余裕はない?

単発バイトのタイミーって、バイトをしたい側としては簡単に応募できるのですごく気軽に働けるいいシステム。

ただ、働いてもらう側はいろいろやることがあります。

単発バイトを迎え入れるわけなので、基本的には業務を細分化し、どの項目をやってもらうか?
やってもらう項目のマニュアル作成をする…。

介護業界においてマニュアル作成って本当に難しいですよね。

利用者さん各々に最適と思われるケアの方法があるし、やっちゃいけない地雷的なこともある。

しかも状態は常に変化する…。

単発バイトに懇切丁寧に業務を教えている暇なんてない。

だから単発バイト使ってるわけだし…。

更に求人段階でもかなりのハードル…。

当日やってもらう業務をしっかりとタイミーに記載しなくちゃいけないし、当日働く服装の指定、持ってきた荷物の置き場所、着替え場所なんかまで事細かに指定しなくちゃいけない…。

しかもその多くは写真付き…。

そもそも、タイミーは出勤や退勤をQRコードで管理。

そういった出退勤管理って正直なところ誰でもできる管理態勢じゃないだろうし…。

たまに夜勤とか募集している施設さんがあるけど、これって遅番と早番がタイムカード管理できるように教育されていないと対応できないしね…。

そもそもタイミーへの掲載ハードルだったりアルバイターが募集してくれても働ける環境にするまでが結構いろいろやらなくちゃいけないことがある…。

正直なところ、紹介派遣会社から強制的に派遣されてくる職員で賄う方がコストは上がるけど手っ取り早いですからね。

様々なハードルをクリアしても魅力のない施設は努力の無駄

そんな派遣よりもまあまあダルい手続きを踏んでも、人気のない施設は全く応募がありません。

【公式】ケアマネ介護福祉士もいろいろな単発バイトで仕事をしたりとか時折眺めたりすることがありますが、人気のない所の求人には誰も応募しません。

そして、人気のない施設さんはおそらく人手不足で求人ページに時間をかけられないんでしょうね。
テンプレート文章のみならず、テンプレートの写真掲載…。

今時あんなもともと用意されているであろうテンプレートのフリー素材使ってる企業さんで働こうって思うほどアルバイターさんは情弱ではありません。

タイミーだけではなく、介護業界に特化した単発バイトの求人サイトでも同様ですが、夏祭りの手伝いをしてくださいとか、コロナでレクリエーションができないからzoomで盛り上げてくださいとかのちょっと変わったバイトはすぐ埋まる。

ひたすら利用者さんの髪を乾かす入浴バイトとかは常に募集がかかっているような状況。

正直なところ、人材不足で困っているのはひたすら利用者さんの髪を乾かしてくれる人を求めている施設さん…。

でも、そんなところに仕事をしてくれるようなところはこない…。

タイミーさんが頑張っても、人材不足で悩んでいる施設さんが魅力ある施設に変わらない限り難しいんだろうなと思う【公式】ケアマネ介護福祉士なのでした。

むしろ悪評が広まるだけにならないように…

むしろ、今までの介護業界専門単発バイトだと、こんなヤバい施設もあるんだな。

みたいな感覚で働けたりする…。

ただ、今回はタイミーさんが頑張ることによって、今まで介護業界じゃないところで働いていた人がアルバイトで介護業界へ…。

人材不足でしっかりとしたマニュアルだったり働き方を確立できていないところでアルバイターが働くことによって介護業界ってやっぱりブラックな企業なんだなって思われるんじゃないかと不安を感じています。

せっかく介護業界に興味を持ってくれてアルバイターとしてでも介護業界に来てくれる方がいたにしても、受け入れられる技量と体制ができている施設っていうのが少ないのが【公式】ケアマネ介護福祉士的に今の現状だと思います…。

ただ、何もわかってないわけじゃないのは流石タイミーさん

ここまではタイミーさんの掲げる理想と、現状のあまりに大きいギャップをお伝えしましたが、流石タイミーさん…。

そんなことはわかっているようで、すでに策があるって事みたいですね。

タイミーさんの全面サポート付きで施設も安心

人材不足の所が時間のない中やっつけでタイミーでアルバイト募集しても全然人が集まらないのは百も承知。

むしろクレームとかが出て困るのはタイミーさん。

だからこそ、業務マニュアルの作り方や、「来週も働いてみない?」「次いつあいてる?」みたいなアルバイターさんのリピート獲得「うちの会社でそのまま働く気ない?」みたいな正社員へのスカウトの方法まで提案してくれるっていう素晴らしいサービス付きみたいですね。

さらにアルバイターさんにしっかりと働いた後のアンケート記入をお願いしているようで、働いたアルバイターさんからフィードバックを受けることができる。

まあそれで上がった不満点や疑問点を改善させられるかは施設次第ってところは正直大きいんですけど…。

それでもここまでサポートしてくれるんだったら紹介会社に払ってまで人材を獲得しても、すぐにやめられちゃったりするリスクを考えるとタイミーさんに頼った方がいいんじゃないかなって思うところではありますね。

ちゃんとわかってるなあ…。

これで人材不足過ぎてタイミーへの登録すらしんどいって思っている施設さんの心理的ハードルを下げることができるんじゃないですかね?

そんな介護業界へのタイミー参入にはメリット、デメリットがあるものの、【公式】ケアマネ介護福祉士的には総合的にみてギリギリ賛成かな

結構ギリギリではありますけど、【公式】ケアマネ介護福祉士的には賛成かなって感じです。

これだけ大きな企業さんが介護業界に力を入れてくれるっていうのは社会問題に切り込んでいるっていう意味合いでも素晴らしいなと思いますし、タイミーさん側としても需要がある分野で収益と名前をぶち上げられる可能性があるのでwinwinかなっていう印象はあります。

介護経験があったり、現役で働いているけどちょっと他の施設や業態でも働きたいなっていう資格や経験がある求職者もアルバイトを通して自分に合わない施設に入ってすぐに離職するっていうのは離職率も上がるし、それによって業界のイメージも悪くなる。

一方で、未経験の方々が介護業界に気軽に足を踏み入れられる分、体制が整っていない業界に絶望する人も増える…。

ただ、それを見越して業界全体が良くなる方へタイミーさんが誘導してくれることを願っている感じですね…。

本当にスキルがある単発バイトが欲しい時には有資格者のみが登録できる介護専用のアルバイトサイトもあるわけだし…。

いくら人が集まっても、業界の質だったり重要性を世間に伝えていくのはその業界で働く人や、運営している人たち。

介護業界がアルバイターの参入により、衰退してしまった場合、被害を被るのはそのサービスを受ける利用者さんやそのご家族ですから…。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

介護の最新情報や気になるニュースはコチラをチェック⇩⇩

keamanekaigo.work

 
e介護転職で求人を探す