国会でも話題に上がる訪問介護の人材不足を国はこう変えていく

介護のニュースについて紐解いていくべく記事の執筆を担当させていただきつつ、ブログの運営と主任介護支援専門員の二足の草鞋で活動も継続中、居宅ケアマネとして奮闘中の

【公式】ケアマネ介護福祉士(【公式】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) / X)と申します。

ご好評いただいているため、連載2年目に突入!!

ご感想をお待ちしております。

そんな連載28回目はコチラの記事について考えていきましょう⇩⇩

石破茂首相は6日の参議院予算委員会で、訪問介護のサービスを支えるホームヘルパーの人材不足について、「ただごとならざる尋常ならざる事態であるということは、現場に行けば分かる」と言明した。【Joint編集部】

「処遇を改善しなければ人は来ない。保険料なのか公費なのか、その原資をどこに求めていくかが議論の本質」とも述べた。

立憲民主党の森本真治議員の質問に対する答弁。

政府は今年度の補正予算案に、介護現場へ支給する新たな補助金を創設するための財源を盛り込んだ。介護職員1人あたり5.4万円規模の一時金を支給したり、訪問介護事業所の人材確保や経営改善を後押ししたりする方針を示している。

森本議員は参院予算委で、ヘルパー不足の深刻さを重ねて強調。今年度に訪問介護の基本報酬を引き下げた政府の判断をただすとともに、来年度以降さらに追加的な賃上げを実施すべきと訴えた。

これに対し石破首相は、「非常に人材が不足している、大変なことだという認識は強く持っている。厚生労働省も最大の関心を持って取り組んでいるので、さらに検討を加速させるようにする」と応じた。

また福岡資麿厚労相は、「処遇改善に加えて現場の生産性を上げる、効率性を上げることで職員の負担を減らすということも併せてやっていかなければいけない。総合的な取り組みで人材確保に努めていきたい」と説明した。

(引用介護joint)

訪問介護の人材不足は国会でも大きな話題

今回のニュースについて簡単に説明すると、訪問介護事業所に所属するヘルパーが減ってきている。

どこからかお金を持ってきて配るなりでどうにか人材確保をしなくちゃいけないよねっていうことが国会で話が出たという所…。

そもそも訪問介護ヘルパーが減った理由

訪問介護のヘルパーが減った理由というのはこの記事を見ている皆様は何となくご理解いただいているのではないかと思いますが、簡単にお伝えしていきましょう。

もちろん企業単位、地域単位でそれぞれ得意的な理由もある所は出てくるでしょうが全国的に大きく影響した理由をいくつか挙げていきましょう。

2024年の介護保険制度の改正は本当に大きな打撃

定期的に行われる介護保険制度の報酬改定…。

今年度において、訪問看護ステーションによる訪問リハビリテーションと訪問介護というのは大きく報酬が減った形になりました。

地域によってはこの報酬改定で閉鎖や撤退する事業所が増えるのかなっていう思いはありましたが、【公式】ケアマネ介護福祉士の近隣地域でも撤退する事業所がチラホラ出てきているのが現状です。

介護保険事業は国が管理する制度ではあるものの、そのサービスを行う事業所自体はほとんどがもちろん営利団体…。

赤字でも補助金や補填が行政等からあるわけではないため、儲からないとなればニーズがあっても撤退するのはごく普通のことでしょう。

コロナ融資の返済に苦しむ企業が…

コロナ融資というのは国が新型コロナウイルス感染症のまん延にて経済的に苦しい企業さんを助けるためにスピード重視でお金を貸す制度…。

金利や返済も最大で5年間待ってくれるという制度。

金融機関や貸付機関も業種別だったりと色々ではありますが、介護業界だけでなくどの業界でもいえることですが新型コロナウイルス感染症により簡単にお金を借りれるため単純にお金がない企業、この際借りておこうという企業、事業拡大に使っちゃおうという企業と理由は様々ですが大半の会社はこの融資を受け、支払いが始まっている状況にはなってます。

訪問介護事業はスタートアップ事業

他の記事にて何度かお伝えはしている所ではありますが、訪問介護に関しては福祉業界で起業するにあたりデイサービスのように大きな箱や車が絶対に必要とはならない。

自治体によっては自宅で事務所を開設し、家族全員を従業員として簡単に起業できるのが訪問介護。

介護のプロだったり、熱い想いをもって起業する人がそれほどイニシャルコストいわゆる初期投資が他の業種に比べてかからないため訪問介護をスタートアップ事業にされる方がダントツに多い。

もともと介護業界のプロだとしても経営のプロではないため、報酬が高いから儲かっているかといわれればまた別の話でしょう。

【公式】ケアマネ介護福祉士も副業としてライター業務やインタビュアー等様々な介護や介護以外で収入を得ていますが、税制上の仕組みや控除、補助金等を知らないとせっかく収入を得ても赤字になったりします。

そんな中で、何とか赤字と黒字を行ったり来たりしていた事業所は今回の法改正によって閉鎖や倒産するのは自然といえば自然かもしれません。

経営が甘い事業者に対して税金を使って補填するなという意見も聞こえて気相ではありますが、現状として締め付けた結果がもともと充足していて過多になっていたわけではない訪問介護事業所、訪問ヘルパーが不足となり国会

でも議題になっているという所が今の実情です…。

国が訪問介護に報酬をと話し合いが始まりそう…

そんなわけで、訪問介護ヘルパーが不足になった原因が介護報酬の改定であることは否めませんが今年改定をしたばかりの介護保険報酬を引き上げるというのは前例がないのは確か…。

国も早速自分たちが考えた新しい介護保険制度の報酬を間違えでしたって公表するようなことはしない…。
それに対してどうするかっていうとお得意の一時金になる可能性が高いでしょう。

介護保険制度は3年に一回。

話題になっている物価高騰に対する一時金のように先が見えないものではなく、物価が上がろうが下がろうが訪問介護の人材不足はこのままいけば変わらない…。

それを金銭的支援で乗り切ろうということですが…。

一時金なのか継続支援なのか…?

もし仮に訪問介護事業所に勤める人とかいうくくりで上乗せの報酬を出すとすればその場しのぎの一時金を出す形になるのか?

それとも一本化したばかりの処遇改善加算に対して、訪問介護のみ新しい上乗せ過酸を作るのかという所でしょう。

仮に一時金で対応したとすれば、本当にパフォーマンスのみで終了。

そもそも今話し合われている物価高騰に対しての介護職員のみでという話で動いている一時金に関しても、物価が上がっているのは日本国内においてすべて影響を受けている。

その中で、介護職員一人当たり5.4万円の給付で調整が進んでいます。

介護職員一人当たり5.4万円を事業所に支給し、物価高騰で苦しむ事業所を助けるという名目なので介護職員にどのくらい入るかわからない…。

介護職員のいないケアマネ、福祉用具、訪問看護等もしっかり物価高騰が影響しているのにもかかわらず救済がない不公平感もあり議論されている最中…。

同様の方法で配ったからといって国や事業所のイメージが悪くなるだけ…。

まして、物価高騰と違い、訪問介護ヘルパーの人材不足は一時金でどうにかなる問題ではない…。

季節や世界情勢的に一時的な現象ではなく慢性的な問題…。

一時金で対応するのであれば基本的にはパフォーマンスでやった感を演出するだけ。

国は何にも考えていないということになるでしょう。

また、処遇改善加算のように継続的な支援が必要な状態ではありますが、今年になって3種類+期間限定1種類あった処遇改善加算関係をすべて一本化したばかり…。

そんな中で、また新たな加算を即作るというのは厚労省が許してくれるとは思えない状況ですね。

そもそも財源はどこから出すのか問題…

どこからその訪問介護ヘルパーの人材不足に対する金銭的費用を捻出するかがそもそも問題であり、それによって一時金になるのか継続的な支援になるかも大きく変わってきそうな雰囲気ですね。

災害対策的な所から出てくるとほぼ一時金

間違いなく訪問介護ヘルパー不足に関しては物価高騰やらインフレによる輸出産業等の盛り上がりによる給与格差等々の一時的な理由ではなく慢性的な問題。

ただ、お金の出どころ的に国が一番出しやすい予備費から支出されるとすれば間違いなく一時金ですかね?

新型コロナウイルス感染症の余波によって職員が減った。

在宅の高齢者が潜在的に増え、需要が急増した等々なんだかんだ理由を付けて一時金を出して国も頑張ったみたいな雰囲気に出来るかもしれない…。

問題解決は出来ないにしろ前例ができたから介護業界全体や訪問介護業界から不満が大爆発したら一時金をちょっと出して黙らせればいい。

そんな裏側が透けて見えそうですがこの方法が一番やりやすくて単純。

パフォーマンス重視であればこれで完璧かなと思います。

問題解決をするのであればもちろん介護保険料からその費用を捻出することになるでしょうから介護保険料の値上げ。

毎年毎年微増している介護保険料ですが、訪問介護職員の人材確保のためと銘打って介護保険料を上げてくるかもしれませんね。

もともと払う人と使う人のバランスがどんどん悪くなっているので値上げは確定しているのですが…。

訪問介護ヘルパーの確保のために今回は大幅値上げしますなんて言えば、逆に改善加算作らなくていいからそれを理由にするなっていう意見がヘルパー協会から出てきてもおかしくないくらいですね。

むしろそれを狙っているのかと思ってしまうくらいです。

【公式】ケアマネ介護福祉士的考察まとめ

ズラズラとこんな可能性があるよっていう所を説明していきましたが、【公式】ケアマネ介護福祉士的な見解としては一時金でパフォーマンスを強調するだけなのかなと思っています。

支給方法に関しても、基本的にはいま議論になっている物価高騰による介護職員への一時金同様ある程度は訪問介護事業所が使い方を決められる制度にするでしょう。

あるいは人材確保にかかる費用として支給。

職員の給与に反映してもいいし、人材獲得にかかる費用に使ってもいいみたいな形。

経営難の所は職員の給与に使う。

人材難の所は派遣会社への紹介料やホームページ作成等に使う。

経営がある程度上手く行っている所は一時金をそのまま臨時ボーナスにする。

あるいは今後の人材獲得につながるような福利厚生の設備投資につかう。

きっとこんな感じだろうなっていう印象ですね。

事業所に使い方の裁量をゆだねるのであればこのような形になるかなと予測…。

本当に必要なところに渡る可能性は低い

訪問介護の職員に事業所経由で直接いくらっていう金額を配布するとなればサ高住でほぼ施設職員のように働いている職員にも一時金が入ることに対して施設系の団体からなんらかの批判が出てもおかしくない。

また、在宅を支える訪問介護事業所の多くは赤字。

サ高住に併設や隣接している実際の働き方は施設系っていう訪問介護事業所は軒並み黒字…。

この格差がある中で、ヘルパーの処遇を改善しなければいけないという議論自体が大きなねじれではないでしょうか…。

訪問介護事業所の多くは赤字で処遇を改善しなければいけないのは在宅をケアするヘルパーステーション。

でも、サ高住のヘルパーステーションは利益率が高く訪問介護は儲かってるから今回の介護報酬改正で大きく収入を落とした…。

サ高住のヘルパーへ回る予算を本当に在宅で活躍するヘルパーさんへ還元できるようなシステムを作らないと本当に在宅で生活する高齢者を支える人材がいなくなるのではないでしょうか?

右往左往する介護保険の実情

そもそも介護保険制度は地域包括ケアシステムの創設以来、終の棲家を施設ではなく在宅でという話で舵を切ってきた背景がありますがその中で訪問介護によるヘルパーの介入というのは中隔だったはず…。

国民が思う在宅というのは自宅だったり住み慣れた地域、慣れ親しんだコミュニティの中を差すものだと思っていましたが、サービス付き高齢者向け住宅も在宅サービス…。

つまり食事代や部屋代まで国が負担するような特定施設ではなく、サ高住のような公的補助のない所で生活しろ。

昨今の状況を考えるとそういった意味合いにも聞こえてしまいますね。

確かに厚労省としてもサ高住は何か問題があれば国土交通省の管轄…。

介護保険以外の支出はない…。

国土交通省にもうま味があるように見えるこのシステム…。

本当の実情が国のため、国民のためだと思いたいところではあります。

この記事を書いた【公式】ケアマネ介護福祉士のプロフィール

高校生からホームヘルパー2級(現介護職員初任者研修)を取得しアルバイトにて老人保健施設にて勤務。そのままアルバイト先の老人保健施設へ入職。
大規模法人にて、グループホーム、老人保健施設、通所リハビリテーションにて介護職員として従事。
経験を活かしながら介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し8年ほど従事。
その後自身の転居をきっかけに、相談員、介護職員を兼務しながら施設ケアマネとして5年間勤務。中間管理職を経て居宅ケアマネへ転身。
現在は主任介護支援専門員として日々子育てと仕事に全力で奮闘中。同時にブログも運営中。

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