社長インタビュー
株式会社やさしい手
株式会社やさしい手
代表取締役社長 香取 幹氏
介護業界の今後について 第4回(4回連載)
「やさしい手」の代表取締役社長・香取様にインタビューしました。
e介護転職への期待
人集めから、コンサルティングの様な付加価値も加える
他社がアプローチ出来ない部分に踏み込む
北上
上場は、私どもも全く考えていない訳ではなく、興味深いので沢山ご質問してしまうかもしれません。
手前味噌ながら私どもの会社の規模を申しあげますと、12月決算で、今期このサイトの事業の売上を入れないで年間約5億円の売上です。
私は数年後にはこちらの事業を同程度ぐらいで、マーケットの良し悪しを考えて必要であれば上場を考えていこうかなというレベルなのです。
e介護求人サイトに対して、人材の供給のパイプになると思うのですが、例えば役割とか、期待するようなことがもしあればメッセージを頂きたいです。
香取氏
最近の面白い所は、今まではただ人を集めることを請け負っていた所から、コンサルティング等の付加価値をきちんと明確化させて、各社に移植することは非常に新しいと思います。そういう点が今後のサイトにも十分な価値を生んでくると思います。
もう少しクライアントさん側に入り込んで、色々なアプローチをすると、もう少し他社との差別化を図れると思うので、そのように頑張ったらいいのかなと勝手に思っています
北上
素晴らしいアドバイスです。
もう少し入っていくのは、言うなれば人材紹介的な要素をもう少し持った方が良いのではないかということでしょうか。
香取氏
自分が紹介した求職者が、そこでどのように生きていくのかについて、ある程度責任を持つ。要するにアクセスしてくる求職者に向けて、コミットメントするサイトはアクセス率が上がると思うのです。
ただ、どうしてもクリッカーのようなもので、人材マネージメントについて詳しい社員を大量生産しないといけないと思います。つまり、サービスマネージメントのできる社員を大量生産しなければならないということです。当社には500人位、そういうことをやっている人がいます。
北上
すごいですね。
香取氏
こういう考え方を浸透させないといけない相手が500人いるということなのです。
難しい人材マネージメントのアプローチについては、実践の現場を作って、そこで人材育成しながら大量生産するメカニズムを作る。そうすれば、他の人材紹介会社もコスト高、リスク増と受け取り、踏み込めない所にアプローチできる可能性があると思います。
北上
なるほど。
香取氏
人材マネージメントまで手を突っ込むとコスト高になってしまうし、何が問題というと人材を育成できないと思うのです。難しい問題ですから。
本だけでは人間は頭脳に構築できる人は少ないです。現場を持たせて責任者をやった経験のある人がいないと、難しい戦略を展開するには時間がかかります。
こんなサイトを経営するだけですと、それこそお金さえあればという話になってしまうかもしれません。しかし、他社がアプローチできない所をきちんと戦略化、明確にする。そしてご理解頂く人の数を増やすことをすると、確実な優位性を持てると思うのです。成長スピードはどうかわかりませんが。
釈迦に説法で恐縮ですが、今は、サイトだけと言うよりも、その辺が重要なのかなと思います。
北上
おっしゃるとおりです。
香取氏
結局、裏側で人間が動いているという仕組みを、どのように位置づけていくのかが重要だと思います。
北上
全くおっしゃるとおりです。
私どもは本当に出来ることであれば深く入って、コンサルティングレベルでやっていきたいと考えています。しかし、中途半端なサービスはやってはいけないと思うのです。
香取氏
コンサルティングを雇ったりすると莫大なお金が必要ですね。
それを大量生産して規模の経済で安くしていくのですが、もしやるとしても非常に難しい所だと思います。
北上
クライアントさんも完全に数社レベルになってしまうと思うのです。
香取氏
それを普遍化して大量生産する技術的な課題を解決することは、非常に大切ですね。
北上
まさにソリューションですよね。
そこに困っているものがある訳ですから。
御社のような規模的にもしっかりした会社さんというのは、業界広しと言えども結構少ない印象を持ちます。業界を見ると二極化のレベルが非常にあるという印象を持ちます。
香取氏
まだまだ分からないですね。
何せ1位企業がまだ5%位ですか。第1位の企業でも全体のシェアにおいて5、6%位なので、ほとんど中小企業です。ですから、もう少し進むのではないですか。
まだ分からないですが、素晴らしい会社がドーンと現れる可能性が十分にあると思います。
北上
御社は素晴らしい優良企業の一つだと思います。
香取氏
とんでもないです。
北上
実際に今、会長様と二人三脚だと思いますが、香取様自身は経営に携わり始めてどのくらいの年数が経っているのですか。
香取氏
入社時位からなので、29歳の時からです。もう8年位ですか。
北上
お若い部類の社長さんですよね。
香取氏
そうでもないです。
北上
とても参考に、勉強になりました。
香取氏
重要なことを言わないといけないです。やはりきちんとターゲットを明確化させて、その方々にきちんとした情報を保証、コミットメントするのは非常に意味があることだと思います。
非常に素晴らしいお考えだと思いますのでどんどん頑張って、予算についてはクライアント様に認めて頂くように、是非とも頑張って頂きたいと思います。
北上
本日はどうもありがとうございました。
これで香取様の4回連載は終了します。
やさしい手 会社概要
■設立年月
平成5年10月1日
■代表取締役社長
香取 幹
■業務内容
指定居宅サービス事業
訪問介護(滞在・巡回)/訪問入浴介護/通所介護(デイサービス)/福祉用具貸与販売・住宅改修/短期入所(ショートステイ)
指定居宅介護支援事業所
委託事業
包括支援センター/在宅介護支援センター
有料職業紹介事業
一般労働者派遣事業
フランチャイズ事業
各種介護職員養成講座(初任者研修・都県指定ホームヘルパー2級養成講座・他)
サービス付き高齢者向け住宅運営事業