ホームヘルパー(ヘルパー)

異業種から介護業界に転職した先輩達の転職体験談

ホームヘルパーを目指す動機は人それぞれで、前職は全く違う業種・職業だったという方も決して少なくありません。
今回は、ホームヘルパーとして現在活躍する3人の先輩たちの転職にまつわるエピソードをご紹介します。

専業主婦から転職した山際さん(仮名)の場合

専業主婦の山際さんのご両親はともに60歳以上。ふたりともまだまだ元気いっぱいだが、近い将来に直面するだろう介護の問題を考えると山際さんの胸は不安でいっぱいになっていたという。
もし介護が必要になれば、両親を施設に入れるという選択肢もあります。でも、ふたりとも自分たちがずっと暮らしてきた家にいたいと思うはず。ならば、私が介護をすることになるのですが、果たしてできるのだろうか……考えるだけで不安になっていましたね」
そこで山際さんは家事の合間を見て、介護職員初任者研修を受講することにしたという。社会福祉やホームヘルプサービスの基礎知識を身につけ、将来への備えにしようと考えたのだ。
「専業主婦になって以来、家事と子育てばかりしていましたから、研修はとても新鮮で楽しかったですね。しかも、いろいろ勉強していくうちに介護の仕事に興味がわいてきまして。子供もすでに手を離れていたし、両親の介護も差し迫ったものでなかったし、パートホームヘルパーとして働いてみようと思ったんですよ」
ホームヘルパーを募集している訪問介護サービスを探しながら、山際さんは並行して介護職員初任者研修を受講することにした。
勤務先も見つかり、今は1日3~4時間の週3日、指定されたお宅を訪問して、身体介護や家事補助のサービスを提供している。
「副収入も入るようになり家計も助かっているし、何より将来への自信にも繋がっています。今後はもう少し働く時間を増やして、できれば常勤ホームヘルパーとして働ける職場を見つけたいと思っています。


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一般企業の事務職から転職した中嶋さん(仮名)の場合

大学を卒業し、一般企業でOLとして働いていた中嶋さん。特にやりたいことがあったわけでもなく、何となく受けた会社から内定をもらい何となく入社してしまったのだ。
「たしか仕事をはじめて、半年ぐらい経ったころだったかな。大学のサークル仲間でひさしぶりに飲もうって話になって、集まったんですよ。みんな、上司の愚痴や仕事の大変さを口々に言い合っていました。で、その席で友人のYがホームヘルパーの仕事をしていることを知ったんです」
Yさんの話を聞くうちに、中嶋さんの心の中に「私もやってみたい!」という思いがけない気持ちが沸き起こってきたそうだ。
Yさんの働く事務所では、常勤のホームヘルパーをサポートするボランティアスタッフも募集していた。中嶋さんはYさんに頼み込んで、週末だけ手伝いをさせてもらうことにした。
「別にYから誘われたわけではないんです。ただ、Yが目をキラキラさせて話すのを聞いていたら、自然と興味が沸いてきたというか。ボランティア活動なんて、中学生のとき以来だったんですけどね(笑)」
その翌週から中嶋さんはYさんのアシスタントとして、現場に入りはじめた。最初は分からないことだらけで、Yさんにひとつひとつ聞きながら洗濯や掃除などを手伝った。
「私、実家暮らしだったので家事をまともにしたことがなかったんですよ(笑)。だから、最初の頃はまったくの足手まといだったと思うんです。でも、そんな私にもお年寄りの方が『ホントにありがとね~』と感謝の言葉をかけてくれるんです!すごく嬉しかったし、こんな私でも人の役に立てるのがちょっと感動的でしたね」
何度かボランティアで訪問介護を経験した中嶋さんは、もっと仕事ができるようになりたいと介護職員初任者研修を受けることにして、さらに修了するとそのままYさんと同じ訪問介護サービスに転職してしまった。
「前の会社は何となく入っただけなので、辞めることに未練もなにもなかったですね。まだまだ勉強しなければいけないことは多いですが、毎日が充実していますね。結果的に私をこの世界に引き込むことになったYにはホント感謝していますよ」


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一般企業の営業職から転職した森山さん(仮名)の場合

森山さんはいわゆるキャリアウーマンだった。就職した企業では花形部署である営業部へと配属され、いざ仕事をはじめれば次々と顧客を獲得。上司からの信頼も厚く、大きな案件を任されることもたびたびあった。しかし、仕事を懸命にこなす一方で心身ともにかなりムリを重ねていたようで、あるとき体調を崩し、病院へ行くと即入院を勧められたそうだ。
「入院は検査も含めて数日ほどでした。退院後はすぐに職場へ復帰できましたが、自分の生活や仕事を見直したほうがいいのではないかという思いがあったんです」
さらに当時の森山さんの心の中には新たな目標が芽生えつつあった。それは介護福祉士になることだったという。
「営業時代の顧客に居宅介護支援事業所があって、そこで働く介護福祉士の方とお話しする機会があったんです。高齢者をサポートする仕事は今後ますます重要になるはずで、そんな業界で自分のスキルを活かしてみたいと思ったんですよ」
とはいえ、森山さんは介護業界で働いたことはなく、イチから経験を積む必要があった。
「最初は仕事をしながら介護福祉士の養成施設に夜学で通おうかとも思ったんです。でも同じ3年間ならば、専門学校に通うより、実務経験を積んだ上で国家試験を受けたほうが、より現場のことが分かるのかなと。そこで、まずは介護職員初任者研修を受講し、ホームヘルパーとして働きはじめたんです」
ホームヘルパーの仕事は苦労も多く、ケアを必要とする人の生活に深く関わり合うという意味では責任も重い。しかし、やりがいも大きかった。
「今は何もかもが模索状態。介護福祉士になるという目標に向かって全力で仕事をこなしているだけです。あと、これはまだまだ先のことですが、もし介護福祉士になれたら、その次はケアマネジャーを目指したいなと思い始めたんです。営業の仕事ももちろん楽しかったし、給料もよかったですよ。でも、今のほうが何年後、何十年後の自分をイメージしながら働けていますね」


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